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308.斜里岳(知床山域/1547M)
今季初の沢遠征は深い滝付ゴルジュと巨岩に圧倒され高巻きの連続でした
沢からの初挑戦 斜里岳は道東山域と知床連山の中間に位置する独立峰である。大地からすっくと立ちあがる山容はあくまで美しいが、頂上部は、最高峰の本峰に加え、東斜里岳と南斜里岳(三角点設置)、1508峰の四つのピークで形成され、複雑な地形である。これまで、本峰は夏道から4回上がり、南斜里岳は厳冬期にスキーでその頂を踏んでいるが、沢から挑むのは初めてである。流石に日帰りはきついので、前日夕刻、登山口の清岳荘入りし車中泊とする(料金は500円也)。当日は4時に起床。好天を約束するかのように遥か遠くの知床連山が赤く輝いている。沢準備の後、5時30分に出発する。先行者が2名、正に日の出とともに歩きだした感じである。下二股までは夏道だが、登山靴の濡れを気づかう必要もなく、ジャブジャブと渡渉していく。途中で単独の女性をパス、40分で下二股に到着する。ここからが本番で、緊張しながら左沢に入っていく。
直ぐに核心の函 沢は鬱蒼とし細かく蛇行するが、200メートルも行くとCo870二股で、水量は1対1。地形図で見る沢形は左沢が圧倒的に大きいので、この水量は意外な感じである。目指す右沢は両岸が20メートルほども切立つゴルジュF1で、二段の滝が行く手に立ちはだかり、奥にも大きいのが見える。全体では20メートルほどもありそうな印象である。一見、右岸の岩場を上がれそうだが、実際に取付いてみると難しい場合が多い。空身で上がって、ロープをセットしザックを回収‥などと考えてみるが、単独ゆえにリスクは冒せない。一旦、左股に入り、中間尾根を高巻く。10分ほどで沢身に戻るが、踏み跡は比較的明瞭で、メジャー渓だけのことはある。それにしても、川岸のブッシュ類の倒れ方が気になる。前日あたりに多くのパーティが入ったか、羆の仕業に違いない。後者でないことを願いながらいつもより多めに笛を吹く。F1から20分でF2(10M)に着く。上部に段差があり、激しく水を落としている。左岸のチムニーを上ろうとトライするもイマイチ微妙だ。右岸は城壁のごとく岩壁で、中間にバンドはあるが私では太刀打ちできない。
沢身に戻れない 30メートルほど下がって左岸高巻きに入る。が、これも中々厳しかった。滝を越えても左岸が立っていて沢身に戻れないのだ。懸垂で降りようと思った矢先に左岸からの枝沢を見る。何とか沢床に降り立ちホッとする。結局、直線距離にして150メートルほどの巻きとなった。Co1060Pで巨岩の間を縫うように落ちるF3に出会うが、ここもまた両岸は切り立った岸壁で、この沢の特徴的な地形のようである。流れは二筋だが、先ずは右側の水量の多い方にルートをとる。薄暗くゴルジュっぽい雰囲気だが、中段までは容易に上がれる。だが、その先が難しい。突破するにしても全身シャワーは免れない。ここもアッサリ退却し、右岸から小さく巻くことにする。取付きは高さ2メートルほどの岩盤で、見た目はほぼ垂直である。ホールドはあるが、剥離でもしたら大変なことになる。脆くないことを祈りながら、何とか安全圏まで登りきる。次の扇状に広がり落ちるF4(10M)も右岸を巻くがここは易しい。左岸は例によって大きく岩が張り出している。
岩床をヒタヒタ 
Co1130P付近もゴルジュ地形で、両岸が立ち、巨岩の間を落ちる小滝を見る。これがF5なのかもしれない。沢は蛇行を繰り返し日射しも届かないが、背後には、朝日を受け眩しいほどに輝く下二股付近の一ノ沢川左岸斜面を望むことが出来る。Co1170Pは二股で、水量はやや右が多いが、ここは左をとる。沢は少し開けてきて、核心部通過の予感がする。10分も上がると、可愛らしいナメが始まる。赤茶けた岩床をヒタヒタと遡るが、ステルスソールはしっかりとグリップしてくれる。それは、Co1270二股付近まで長さにして100メートル以上も続いた。この二股を右に入ると、沢形もかなり浅くなり、両岸は薄い灌木に覆われだす。背後の西尾根1417Pが望めるようになるが、まだまだ高い。だが、沢にもようやく日射しが差し込み、身体も心も暖かくなってくる。Co1370P辺りまで上がるとブッシュも腰丈程度で、前方の視界は大きく広がる。左手に北西尾根の岩塔群が並び、正面にはドーム状のポコである。この辺り、時期が良ければ美しき花園と化すに違いない。
ワイヤーのポコ 微かな沢形を辿っていくと5分ほどで岩塔群の基部に到達する。そこを反時計回りに緩やかに回り込んでいくと、稜線直下の急斜面にぶつかる。直進すると岩壁で、クライミングテクの持ち主なら迷わず取付くだろうが、私にはその心得がほとんどない。安全な右手のハイマツ混じりのブッシュにルートをとる。そこを攀じ登ると夏道(玉石の沢コース)で、すぐ左側の岩は前述のドーム状のポコらしい。そこにはワイヤーがフィックスされていた。何処かのサイトで、「ワイヤーポコ」と表現していたことを思い出す。玉石沢側はスパッと切れ落ち、対峙する北尾根が恐竜の背のようだ。その奥には平坦な海別岳が遠望できる。そして、南東方向には斜里岳があくまで高く聳えている。それもそのはずで、まだ100メートルほど登らなければならない。小休止の後、ゆっくりと歩きだす。夏道とはいえ、ピークへの急登は辛い。柱状節理のような岩塊が現れ、一瞬、苦痛を忘れる。Co1170右股沢はどうかと眺めるが、沢筋がやや不明瞭で読図に苦労しそうだ。
褒美ブロッケン 単独登山者が降りてきて、コース上の水場について聞かれるが、沢詰め故に答える術がない。ピーク直下で北西尾根を振り返ると、玉石沢側からガスが湧き上がってきた。ふと見ると、微かにブロッケン現象である。遡行者への御褒美だろうか‥。無人の頂上で遡行の余韻に浸っていると、鈴の音とともに次から次へと登山者が上ってくる。百名山詣でなのだろうか、登山者も全国区のようだ。ランチには少し早いが、おにぎりとラーメンを流し込み、デザートは林檎だ。気がつけば、遡行中は何も口にしなかったし、ルート確認で立ち止ったぐらいで、少休止すらとっていない。へばるはずだと納得する。天気はスカッとした秋晴れを期待したがアチコチ雲がかかっている。それでも、麓のパッチワークのような田畑、清里や斜里の町並み、大きく弧を描くオホーツク海は遠望できる。面倒なので沢装備のまま下山を開始する。行き交う登山者が不審な目を向けるの当然だろう。いつも思うのだが、馬ノ背ピーク斜面の巨岩は落ちそうで落ちないなあと(笑)。
夏道もヘル必要 上二股からは旧道を降りる。これまで沢山の沢に入っているが、これほど美しく快適な滝が続く沢は見たことがない。いつか、核心部だけでも遡行したいと真面目に思う。沢屋にとっても魅力的なコースである。下二股を過ぎてから暑いのでヘルメットを脱ぐ。でも、これは早計だった。カンバの枝に2度も頭をぶつけてしまう。私の場合、夏道でもメットが必要のようで、少々自己嫌悪気味に‥。旧清岳荘跡からの林道歩きに耐え、尾根を回り込むと沢行もフィニッシュを迎える。入山帳に下山時刻を11時55分と書き込む。出発時、下山予定時刻を「15時」としているが、よほど難儀すると考えていたのだろう。構えて挑んだ自分に苦笑する。
さて、二の沢の印象だが、下二股からピークまでの標高差は750メートル、沿面距離は3キロ少々である。滝の直登(特にF1やF2)に拘れば難易度は上るものの、ルートファインディングを含め、技術的にはそれほどの難しくない。ただ、切り立つ岩壁、鎮座する巨岩、迷路のように蛇行する流れ等々、沢景観としては変化があり面白い。荒々しい斜里岳北壁を眺めながら登頂できるのも妙味である。
■山行年月
2011.09.25(日)
■天気
■同行者
単独
■山行形態
沢登り
■コース:往路/帰路
一の沢川二の沢
夏道(旧道C)
清岳荘の夜明け Co870二股
ゴルジュとF1 ゴルジュから下流
F1上部の滝 F2
F3直下のトイ F3全景
F3 F4
Co1130付近の函 Co1170の滝
可愛らしいナメ 源頭風景
西尾根1417P 岩壁基部
尾根直下の急斜面 岩場のワイヤー
辿りし沢筋 北壁と頂上
北尾根 海別岳遠望
柱状節理か ブロッケン
山頂プレート GPSトラック
コースタイム
前夜清岳荘駐車場車中泊
清岳荘 5:30
下二股 6:10
Co1170二股 8:05
Co1450玉石C夏道 9:00
斜里岳 9:15
所要時間 3:45
斜里岳 10:00
上二股 10:30
下二股 11:20
清岳荘 11:55
所要時間 1:55
自宅午後04時05分到着