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306.二岐岳(北日高/1590.7M)
北面直登沢は望外の「滝」沢で微妙な高巻きにビビリ読図で辛酸をなめる
一昨年から宿題 日高山脈は長大さだけではなく、その深さと豊かさのおいても特筆すべきものがある。それ故、主脈を外れても魅力的な山が多い。最高峰の幌尻岳を始め、伏美、札内、勝幌、ナメワッカ、イドンナップ、1839、ポンヤオロ等、枚挙にいとまがない。北西日高も例外ではなく、チロロ岳とかペンケヌーシ岳は人気の山でもある。今回は北戸蔦別岳から派生する支稜上のピーク二岐岳である。2007年に西側の額平川支流ピラチシュウスナイ沢からganさん、ヤマウチさんと登頂しているが、その時は眺望もなく、沢自体も面白さイマイチといった印象だった。何より、バテバテの登頂で、デジカメもオシャカになってしまったという負の記憶しかない。これを修正すべく、今回、北面沢を遡行し、東面沢(一ノ沢)下降をプランニングする。このプラン、実は一昨年からの宿題で、ようやく実現することになった。午前3時起床などと力んではみたものの、すっかり朝寝坊してしまう。本来ならキャンセルするところだが、久々の好天と沢の短さがそれを許さない。
気が付くと上へ 千呂露林道の文月橋と水無月橋の中間付近の広場に車を止め、北面沢入渓は8時近くなってしまう。この沢、数少ないネット情報では「侮れない」印象だが果たしてどうだろうか。沢は出合付近から鬱蒼として、陰惨な感じがする。春別岳や雲知来内岳の沢に酷似した雰囲気で、この辺りの沢としては平均的な渓相なのかもしれない。直ぐに小滝や滑が現れいきなり喜ばせてくれる。ペロリとした滝(3M)を越えると流木の架かった滝(3M)で、木を足がかりに直登する。直ぐに、左岸が切り立ち、ゴルジュっぽくなる。赤い岩床が特徴的な三段の滑滝が現れるが、難なく中を行く。その後も滑や巨岩と流木の詰った小滝と飽きさせない。Co700付近でようやく少し平坦な流れとなるが、Co780Pで流木の架かった滝が連続する。最初の滝は越えたものの、次の滝は抜け口にホールドがなく突破できない。下の滝まで戻って左岸ルンゼから巻くが、その先にも直登困難な滝(10M)があり、まとめて巻く。この巻は、傾斜のある草付で気が付くとドンドン上へと追いやられてしまっていた。バイル効かせて微妙なトラバースに耐える。行きつ戻りつ、この巻きで30分近くを要してしまう。
底に沈むバイル ようやく滝上落ち口に戻ったはいいが、バイルがない。辺りを探したが見当たらない。滝下に落ちたとも思えず、落ち口の窪みを探すと底に沈んでいた。バイル必携沢の予感にヤレヤレ(汗)。直ぐの滝(3M)を直登すると沢は開けCo870二股も視界に入ってくる。3〜4メートルもあろうかという巨岩の隙間を落ちる滝を右から巻くとCo850Pで2段15メートルでここも左岸を巻く。Co870二股は右股をとるが、連瀑帯は続く。最初は易しいが、Co940〜950は10メートル以上の滝が続き、左岸、右岸と巻く。次の3段20メートルは右岸から巻き、5メートル2連発を直登すると、Co1000辺りで沢は緩やかに左に曲がる。突き当たりに大滝(Co1050P)が見えてくる。落差20メートル弱、上部に段差があり、そのためか二条の流れとなって落ちている。赤茶けた岩床はこの沢の特徴らしい。立派な門構えの滝で、ここは右岸のルンゼを詰め、途中から右手の小尾根を乗越し沢身に戻る。振り返ると、薄暗い沢筋の奥に、日光に輝く千呂露川右岸の山並が広がる。
微妙な地図読み 入渓後2時間弱で獲得標高450メートル。「意外と時間がかかった」という思いを抱く。この後は難しい所はなく、Co1150二股を左に入ると、インゼルのような巨岩がダブルで鎮座し、回り込む感じで右側を上る。Co1200付近で水は切れ、涸沢登高が開始する。ブッシュはないが、とにかく、傾斜がきつく、ズルズルの草付なのでステルスソールでも滑りまくりである。辺りには鹿道が縦横に走り、時々それを拝借する。地形図のイメージよりも沢筋が不明瞭(迷うような沢筋が何本も出てくる)で、コンパスを当てても微妙なケースが多い。かなり消耗していたこともあり、Co1300付近で右手の小尾根の鹿道に逃げ込む(結果論だが、ルート的にはここが分岐点だった)。途切れがちなそれを辿るが、次第にブッシュや灌木に覆われるようになる。Co1400付近で左上にピークらしき高みが見え、予想はしていたものの予定ルートをかなり外してしまっていることを知る。左斜上し、それに戻ることも考えたが、ここに至っては、稜線上の鹿道に期待しそのまま上がる。
安着麦酒美味し ほどなくCo1480Pの西稜線に飛び出す。ピークまでは200メートルほど。稜線上は基本的にハイマツと灌木の藪で、所々で現れる踏み跡は、獣達と人間の共同作業で出来たようだ。必至に藪を漕ぎ、2度、偽ピークを踏むとようやくピーク西直下に到達する。2007年登頂時と同じようにバテバテ状態だが、好天の分だけ気分は良い。12時25分、背の低いハイマツをかき分け頂上の人となる。安着ビールで喉をうるおし、おにぎりを頬張る。眺望は文句なしで、チロロ岳やルベシベ山は勿論、1967峰や戸蔦別岳など、北日高の主稜線に連なる山々が一望のものとなる。少し外れて大きな幌尻岳で、北カールがポッカリと口を開けている。但し、ここも虫が煩いので、15分ほど頂上滞在の後、東面沢(一ノ沢)下降を開始する。コンパスを東にセットし、背の高いハイマツと灌木の藪を降りていくが、スリップしたり転倒したりで下りといえども難儀する。Co1400付近でようやく沢形に入る。こちらの沢もスッキリした感じに乏しく、水流もCo1150まで降りなければ現れない。
ルンゼで楽チン 一旦、伏流となった水流を再び見ると最初の滝(10M)に出会う。Co1040Pは二股で、右手から水量豊かな沢が合流してくる。Co980Pの滝(8M)を左から降りると、沢は一気にキツイ下りとなり、小滝などが連続する。そのまま降りられそうもないので、左岸斜面をトラバース気味に巻いて行くが、見た目、ほとんど垂直の斜面に追いやられ、沢身に戻れない。ここでこの日初めてのロープを出す。懸垂でと思ったが、アブや蜂が煩いのでゴボウで即下降する。何とか、Co920三股の下まで降りる。右股は緩やかな滑滝のようで、予想した滝はなかった。流れの側の灌木を利用し懸垂した方が正解だった。少し下流から左股が合流するが、簾状の小滝が美しい。小滝を2個下ると沢はやや左に曲がり、そこに大物が潜んでいた。Co870Pの大滝で、落ち口からの高度感は凄い。中間尾根を挟んで右側からもルンゼ上の滝が落ち込んでいて、ルートとしては左岸しかないと考え、左手の小尾根を乗り越すとなだらかなルンゼが伸びているので、そこをラクチン下降する。
トンネルの向う 沢身に戻り、じっくりと大滝を見る。落差は25メートルほど。左は繊細なイメージで、右は力感あふれる。好対照の滝二つで、さながら、圧巻の夫婦滝とでもいえようか。大滝に別れを告げると、小滝などが現れるものの、もう、難しいシーンは出てこない。ただ、平均的に斜度はあるので水流は強く、黒い岩床を白濁した流れが勢いよく流れていく。いつも、終わりに来てチョンボするので、最後まで緊張感を持続しながら足を運ぶ。造材道の名残を右岸に見ると、やがて、トンネルから抜け出たように正面が開け、眩しいほどの光に包まれる。二岐沢一ノ沢出合である。二岐沢の流れをゆっくり渡渉し、石の階段を上がり小高い林道に出る。10分ほど歩くと、千呂露川二岐沢出合で、橋を渡りゲート横をすり抜ける。駐車場に車が6台は流石に週末である。そこから30分歩くと北面沢近くの広場で、山行を反芻するには充分すぎる時間だった。
もう少しで★★ さて、北面沢だが、沿面距離は2キロほどと思われるが、遡行時間は4時間40分ほどとかなり時間を要した。この沢は「滝沢」といっていいほど滝が連続し、主要な滝はいずれも微妙な高巻きを強いられ、突破に時間がかかる。源頭以降の地形も複雑で、読図も一筋縄ではいかない。意図的に逃げたにせよ、これだけルートを外したのも珍しい。藪もそれなりの密度で、否応なしに体力を奪っていく。もう少し、距離が長ければ山谷的評価では「!!」となるだろう。近くの遡行済みの沢では、雲知来内岳東面直登沢に匹敵する難易度かもしれない。ショボイ沢との先入観などもって入渓すると手痛いしっぺ返しを受けるに違いない。一方、下降ルートの東面沢(一ノ沢)は大滝一つで、ルートファインディングなども易しそうである。ただ、沢そのものは、スッキリとしない渓相で、源頭からの藪漕ぎはこちらの方が厳しいだろう。ルートミスは悔しいが、今回の沢行で、二岐岳に関する負の記憶は一程度、解消出来たことは言うまでもない。
■山行年月
2011.08.27(土)
■天気
快晴
■同行者
単独
■山行形態
沢登り
■コース:往路/帰路
千呂露川北面直登沢
千呂露川二岐沢一ノ沢
出合付近の北面沢 三段の滝
赤茶けた岩床 Co780Pの滝
Co790P滝の高巻中 落口釜にバイル
Co830Pの滝 Co930Pの滝
Co940Pの滝 Co950P三段滝
右岸高巻中 Co980Pの滝
Co990Pの滝 Co1050Pの滝@
Co1050Pの大滝A 1150左股のインゼル
源頭付近から背後 三角点と青ヘル
春別岳方向 チロロ岳方向
1967峰〜北戸蔦 戸蔦別と幌尻
北面沢合流点付近 Co990Pの滝
Co870P大滝落口 Co870P右股大滝
Co870大滝全景 黒い岩床と白濁流
一ノ沢出合 GPSトラック
コースタイム
自宅午前05時30分出発
広場 7:40
北面直登沢出合 7:45
Co870二股 9:10
Co1150二股 10:20
西稜線1480P 11:35
二岐岳 12:25
所要時間 4:45
二岐岳 12:40
Co1040二股 13:50
Co870大滝 14:25
一ノ沢出合 15:20
広場 15:50
所要時間 3:10
自宅午後08時15分到着