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305.楽古岳(南日高/1471.5M)
深山幽谷の佇まいを味わい全身シャワークライムでドラム缶沢を遡行する
今日は晴れそう 南日高で美渓といえば、楽古岳コイボクシュメナシュンベツ川北面直登沢は外せない。この沢を初めて遡行したのは2004年9月。素晴らしい渓谷美と快感遡行に「毎年遡行してもいい」と思った記憶があるが、再訪までに7年もの時間を費やしてしまった。今回は、masumiさん(HYML)とその友人naokoさん、そして、大道さんを誘っての沢行である。忠類道の駅で合流し一路登山口の楽古山荘へ。前日までの降雨で林道崩壊が懸念されたが、スムーズに山荘まで入る。出発準備をしていると一台の車が到着し、HYMLの紋次郎さんが降りてくる。聞けば、ポン楽古西面沢をganさん達と一緒にやるとのこと。「今日は晴れそうな感じがする」という彼の言葉に力を得て、6時過ぎに鐘を鳴らし山荘をスタートする。最初は林道跡を行くがブッシュの被りが酷い。一昨年、北西面直登沢(690右沢)を遡行しているがその時とは様子が違う。Co404Pからはブル道を辿り、川原歩きを経てCo500P付近で入渓する。直ぐにCo530二股で、左をとれば十勝岳南面直登沢である。
思わぬ増水効果 ここまで少し増水気味の印象を抱いていたが、この二股で明瞭となる。いつもなら見逃してしまうほどの水量の左股が白濁の流れとなっているのである。慎重な遡行を銘記し先に進むとCo550二股で、ルートの左股には釜付の滝がある。いつもなら左岸を小さく巻くのだが、安全を期して右岸を高巻く。笹藪をかき分け滝上に降りると両岸が切り立ってくる。可愛らしい滑滝と釜付滝(3M)が現れるが、定石通り左岸草付から巻く。当然ながらメンバーに難儀する場面は見られない。沢は平坦な流れを取り戻すが落石の巣窟となり足早に通過する。上部がガスる沢中にも日が差し込み、紋次郎さんのヨミが的中する予感が‥。沢が少し右に曲がるとCo600Pの大滝(15M)で、白壁のごとく奔流となって流れ落ちている。いつもなら細々といった感じの右岸枝沢の滝(40M)も中々立派で、思わぬ増水効果である。ここは左岸のルンゼから滝上に上がるが、滝に近いため水飛沫を浴びる。歩き始めて2時間、全く順調なペースに自信を得つつ小休止をとる。
圧巻の左股大滝 ここから直登沢出合(Co770二股)までは1キロ少々。所々で小滝は出てくるが、傾斜も緩く難しい所はない。Co640P右岸、Co690P左岸・右岸、Co750P右岸等、左右からの枝沢やルンゼはいずれも激しく水を落とす滝となって流入する。前述したとおり、水量の多さが見事な景観と迫力を醸し出している。09年遡行のCo690右股沢の滝(15M)がアクセントを放つ。は深山幽谷の佇まいをじっくりと味わいたいところだが、ガレが風情を台無しにしている。特に、Co700P付近からは沢を覆い尽くすほどのそれで、7年前より確実に状況は悪化している。荒涼としたガレ沢を詰めてゆくと水流が復活し、左岸が垂直の岩壁となって迫り出してくる。そこを回り込むとCo770二股(直登沢出合)で、左股は80メートルほど(「山谷」では100M)もあろうかという大滝で流入してくる。白いベールを纏ったがごとくその姿は美しさとともに威圧感をも示す。中間尾根を挟む右股が目指す北面直登沢で、こちらは20メートルくらいの滝で、左股の大滝を目にした後では可愛らしく映る。
見た目はビビる 小休止の後、いよいよ核心部に突入する。補助ロープをいつでも出せるよう準備し登高再開である。最初の滝は中間部まで水際を直登し、以降は左岸を高巻く。直登も可能と見たが、水勢が強くてアッサリ日和ってしまう。直上は幾つかの滝が連続し、50メートル以上の大滝を形成している。見た目はビビるがホールドはあるので快適に直登できる。但し、全身シャワークライムだが。経験のさほど多くない3人は立往生するかと思ったが、その心配は杞憂に終わる。速くはないが、安定した登攀能力を見せてくれ、所々で出す補助ロープも形式的なものとなった。とにかく、Co900付近までこれでもかというほど滝は続き、1箇所だけ大道さんのおニューの30メートルを出してnaokoさんとmasumiさんを確保する。2人とも高度感に耐え登ってくる。メットからまともに水飛沫を被っている。気温が低ければ体力の消耗も早いが、それほど低くはないのが幸運である。時折差し込む日射しがなんとも心地良い。滝が一段落すると大道さんが先行し、私はラストを上がる。ちょっとした所で大道さんが女性陣にお助け紐を出している。沢4本目、彼にも少し余裕が出てきたようだ。
GPSに大きな誤差 Co960二股は右に入るが、この辺りから再び酷い落石ゾーンとなる。左股も判然とせず、落石の隙間から水が噴き出している。Co1050二股でルート確認を行うが、念のためにと見たGPSがあらぬ現在地を示す。何と690右沢Co1250P付近を示している。被り気味の沢でもなく、極端に深い沢でもないのにこれほどの誤差が出るとは‥。分かっているつもりだったが、改めて、絶対的な信頼は置けないことを痛感する。コンパスの示す左股に入る。傾斜のある流れと時々現れる小滝を越えて快調に高度を稼ぐ。Co1130二股を右に取る。背後の十勝岳やオムシャヌプリがガスの間から顔を覗かせる。容易に直登と見えた15メートルほどの滝を左岸から巻く。沢は水流が細くなり、次第にガレだしてくる。早目に水を確保し、Co1270二股を右に入るとほどなく錆びついたドラム缶に出会う。予定ルート上にいることの何よりの証拠であり、一人安堵する。水流も消失し、沢形はグッと浅くなるが、女性陣待望の藪は出てこない(笑)。せいぜい腰丈程度のブッシュをかき分ける。
かつては山岳部 
Co1350P付近で水流が復活し驚く。行く手に稜線が見え出したのでメンバーに「もう少しで稜線」と伝える。いつものことだがこの瞬間、疲れた身体に力が蘇るような感覚になる。ラストはハイマツを跨いで登山道に出る。生憎、紋次郎予測は外れ、右上の頂上すら薄らとしか見えない。遡行を反芻しながらゆっくりと頂上を目指す。11時45分にピーク安着。そこには夏道からの登山者4人がいた。互いに交わす挨拶、沢装備が少しだけ誇らしい。後続のメンバーが到着し握手。快適遡行とピークハントに思わず笑顔がこぼれる。予想通りガスに覆われ眺望は得られないが、風はさわやかで大休止を決め込む。およそ1時間、久々に贅沢なランチを楽しみながら山話に花が咲く。naokoさんは学生時代、山岳部に所属していたという。私の稚拙なリードぶりが恥ずかしい。下山ルートは夏道なので気分的には全く楽である。ペースに気を配りつつ西尾根を辿るが、Co1317Pからはジグを切って急斜面を下る。そこは無風状態で直ぐに汗だくとなる。樹間からポン楽古岳西面沢の滝が見える。ganさん達のリベンジ遡行は成就しただろうか。彼らが難儀する沢だけに単独は厳しいかも‥。
些細なトラブル 疲れた膝にキツイ下りだが、今回に限ってステルスソールは威力を発揮してくれた。尾根取付からは沢沿いの夏道を歩くが、メナシュンベツ川の渡渉も数回ある。普段なら靴底を濡らす程度で済むのだが、増水していて簡単にはいかない。私と大道さんは沢靴のままなので問題はないのだが、masuniさんは登山靴で、naokoさんはスニーカーという足元。最初こそ渡渉ポイントを選びつつ渡渉していたが、後半はどうにもならず水中をジャブジャブ渡る。最後に来て些細なトラブルもあったが、予定通り15時30分に無人の山荘に戻る。今回の北面沢だが、ガレが進んでいるという印象を受けたが、美渓という評価にはいささかの揺るぎもない。また、770二股からの核心部の遡行は高度感満点で、難しさと楽しさが同居した沢でもある。私自身、快感に浸り痺れたことは言うまでもないが、果敢に攻めたmasumiさんとnaokoさんには感心するばかりである。おそらく、メンバー全員が充実した沢の時間を共有したはずである。そんなことを勝手に思いながらナウマン温泉「アルコ236」に向かう。

■山行年月
2011.08.20(土)
■天気
曇一時晴
■同行者
naokoさん、masumiさん
大道さん
■山行形態
沢登り
■コース:往路/帰路
コイボクシュメナシュンベツ川北面直登沢沢
夏道(楽古山荘コース)
Co570付近の滝 Co590付近の沢
Co600大滝 大滝落ち口
Co640右岸の大滝 Co660付近から下流
Co690右股滝 Co770二股直下
Co770二股全景 左股80M大滝
右股滝20M 連続する滝
Co840付近から下流 Co850付近の滝
Co870付近の滝 滝上部から
Co900付近の沢 Co960二股付近
Co1140付近の巻き 背後は十勝岳方面
錆びたドラム缶 背後に主稜線が
頂上 直下の登高
メットと三角点 GPSトラック
コースタイム
自宅午前03時40分出発
楽古山荘 6:05
Co530二股 7:00
Co600大滝 8:05
Co770二股 9:05
Co1130二股 10:50
楽古岳 11:45
所要時間 5:40
楽古岳 12:45
尾根取付 14:35
楽古山荘 15:30
所要時間 2:45
自宅午後07時25分到着