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304.幌内分岐峰(北日高/1654M)
情報皆無の初沢は滝ナメ連続の快適沢で芽室川水系一の沢かもしれない
近間で面白い沢 今回の沢行は、先月下旬に登山口となる芽室小屋まで来たものの悪天でキャンセルした幌内分岐峰である。但し、地形図を見てもその名称はない。北日高、芽室岳西峰(パンケヌーシ岳)から直線距離で北3キロの位置にある主稜線上の1654ピークである。西に伸びる支稜上に1695.4ピーク(三角点名:幌内岳)があることから、通称名でそう呼ばれていると思われる。ここを選んだ理由は、近間で面白そうな沢はないかと物色していて浮上してきたもので、入渓点までのアプローチも良く、等高線の混み具合も中々魅力的であった。勿論、遡行記録はネット上でも見ることが出来ず、情報無き未知の沢といったところである。こんな沢を単独でやろうなんて、無謀との批判を承知で遡行を決める。円山牧場付近から沢筋とピークがハッキリと確認できる。「行き詰ったら撤退」も視野に入れながら、6時前に芽室小屋を出発する。丸木橋を渡って直ぐに入渓する。天候には全く問題はなく、ハイテンションで沢中をジャブジャブ行く。
やっぱりダメか Co810二股までは、前年遡行した北隣のウエンザル岳南東面沢と同じルートなので情報はある。要するに何も出てこないのだ。退屈な沢歩きを唯一癒してくれるのが苔むした石である。何処までも続く感じで、この沢があまり荒れないことを証明している。だが、濡れ石が滑る。滑はあまりないだろうと踏んでステルス靴にしたのだが、ピパイロ岳南東面直登沢とはかなり違う感触である。それでも1時間弱で810二股に到着する。今回の沢行はここからが本番。芽室川水系では西峰北東面沢はそこそこ楽しめるものの、それ以外はブタとの評もある。事実、ウエンザル岳への810右沢は完璧なそれだった。果たしてこの沢はどうか。不評を覆す渓相を見せて欲しいと思いながら左股に入る。水量は右より少しだけ多い感じ。いきなりトイ状の流れとなり、川床は水路のような苔むした一枚岩である。幸先よいスタートだが、その後20分近くは凡相で、「やっぱりダメか」と思った矢先、Co930付近で釜付F1(5M)と、二筋に激しく水を落とすF2(5M)に出会う。
遡行者の痕跡が Co960で判然としない二股を右に取ると、幅2メートルほどの滑滝F3(10M)で、緩い傾斜と平坦で直線的なそれはさながら斜路で、どういうプロセスを経て出来上がったのか、暫し考え込んでしまった。滝上は二股で、右から5メートルほどの滝となって流入する。水量は2対1で左で、直ぐにトイ状の流れとなる。Co990のF4滑滝(12M)を越えると、以降、15分くらいの間に小滝(3M〜5M)が4個連続して現れる。いずれも優しく、嬉々として直登していく。Co1070あたりで沢は少し右に曲がるが、開けたそこで2段の大物が登場する(F5、F6)。圧倒的なスケールだが、近づいてみると1段目(8M)と2段目(25M)の間は20メートルほどもあり、別個の滝だった。F6下部の虹が綺麗だった。パーティ編成なら直登に挑戦もいいが、ここは右岸の草付泥壁から灌木帯を高巻く。そこには巻道らしき痕跡が。ここに至るまで石や川岸に何となく人間の気配らしきもの、それも最近のものを感じていた。私が目を付けるくらいだから、誰かが入渓していても不思議はないが‥。落ち口からの高度感は相当なもので、両滝を合わせると40メートルほどもありそうな印象である。
全く飽きさせず Co1100でF7(10M)、Co1130でF8(20M)を越えるが、特に、後者は、幅7〜8メートルの岩盤を扇状に落ちる流れが何とも美しい。滝はまだまだ出てくる。Co1140でF9(5M)、1150でF10(5M)、1170でF11(5M)、1180でF12(12Mトイ)と全く飽きさせない。Co1190二股で左をとる。トイ状の流れを遡り小滝を攀じ登るとCo1230二股で、ここは右に入る。Co1270で沢が開けたかと思うとF13(8M)で、苔むした岩床を水が伝い落ちている。Co1370で小滝群を越えると水流はグッと細くなり、核心部通過を実感する。振り返ると沢筋の向こうに十勝平野が広がり、直線的な道路が田畑を分かつ。Co1390付近で源頭となり、いよいよ藪漕ぎ開始である。浅い沢形は灌木のトンネルで、枝を押し分けながらの登高となる。この辺りで古い刈りこみも見られた。Co1470二股は右に入り、分岐峰南コルにルートをとる。Co1530付近で沢筋を離れ右の斜面に出る。藪がさほどではなく、どうせならダイレクトにピークを目指したかったからだ。
新鮮初アングル しかし、斜面は灌木と笹の藪に覆われるようになり、スンナリと上らせてはもらえない。それでもひたすら藪を漕ぐ。ganさん曰く「登っていれば着く」を思い出す。高かった主稜線南の1643Pも視線に近づいてきた。ピーク直下に到達したことを実感しつつも、眼前にはハイマツが待ち受けている。しかし、このハイマツ、下からの観察では稜線上に沿って植生しているようなので、僅か数分の苦行と判断し突入する。薄そうなところ目がけて枝をかき分け稜線に飛び出す。涼風がなんとも心地良い。そこはピークの南10メートルほどのところで、1分で小ケルンが立つ頂上だった。360度の大眺望を一人独占するが、初アングルだけに新鮮な感じである。特に、幌内岳は手前の1672Pと双耳峰を形成しているようだ。驚いたことに薄らと踏み跡があった。稜線北側はハイマツもなく藪は薄そうに見える。余力があれば行ってみるのだが、無理はできない。一方、南側はパンケヌーシと芽室岳が存在感を放つ。今日も誰かがその頂を踏んでいることだろう。昼寝でもしたいところだが、滝・滑系の沢なので下降も難儀すると見て、11時前に下山を開始する。
右膝内側靭帯が ほぼ往路に沿いCo1530で沢形に入る。流石に核心部の下降では気を使った。滝はほとんど右岸を巻くが、草付や泥壁が多く頻繁にバイルを出す。滝と滝の間をつなぐような滑床もクライムダウンするシーンが多くなる。こんな時は、フェルト靴にすればよかった後悔することしきりであった。被り気味の沢は本来は鬱陶しいはず。が、直射光は避けられるので暑い日には有難い。Co810二股まで降りてしまうとようやく緊張感から解放される。のんびりと降りればよさそうなものなのに、ついいつもの癖で石伝いにポンポンと飛ぶ。沢岸の中途難破に濡れた石とか流木は本当によく滑る。注意していたはずだが、靴がグリップを失くしズルリと滑り2度転倒する。軽い打撲程度で済んだが、Co650二股過ぎの3回目は痛かった。転倒した際、脚が無理に開いてしまい、右膝の内側靭帯を伸ばしてしまう。痛い膝をかばいつつ下ると芽室小屋が見えてきて、ほどなく、木橋が視界に入ってくる。安堵感に包まれながら沢水で顔を洗い車に戻る。
予測外れの渓相 後始末をしていると、夏道から若者2人が下山してきた。彼らの目に、ずぶ濡れになったオヤジ沢屋はどう映ったことだろうか。初沢はいつも緊張するものだが、情報がないだけにワクワクドキドキ感は倍加する。結論から言うと、この東面沢はいい意味で予測が外れたといえる。沢そのものは鬱蒼としており好感は持てないが、苔むした石や岩が美しさを放つ沢でもある。そして、核心部の連続する滝とナメは遡行者の期待を裏切ることはない。特に、大滝の高さと大きさは特筆モノで、沢に似合わぬ威容を誇っている。山谷的難易度としては「!*」が妥当である。なお、山頂へのルートのとり方としては、沢筋をそのまま詰めてピーク南のコルに上った方がよいかもしれない。ハイマツも無く、上部は草原状態である。ピークまで40メートルほどの登りとなるが、ハイマツの背は低く、消耗せず気分よくフィニッシュ出来るだろう。
★この沢行記は低下しつつある記憶(笑)とデジカメ画像をもとにまとめている。規模は小さいが、核心部にこれだけモノが出てくると情報も混乱しがちである。そのことを前提に、アバウトな山行データ程度として受け止めていただけたらと思う。
■山行年月
2011.08.13(土)
■天気
快晴
■同行者
単独
■山行形態
沢登り
■コース:往路/帰路
芽室川右沢東面直登沢
810左股のトイ 830Pのトイ
釜付F1 二条のF2
斜路風滑滝F3 スラブの滑滝F4
1050付近の小滝@ 1050付近の小滝A
1070Pの大滝全景 下段(F5)
上段(F6) 1100のスラブ滝(F7)
1130の美滝(F8) 1140の滝(F9)
1170の滝(F11) 1180のトイ(F12)
1220付近の沢 ルートの笹斜面
幌内支稜 芽室岳とパンケ
夕張山魁 ピパイロと1967峰
ウエンザル岳 GPSトラック
コースタイム
自宅午前03時50分出発
芽室小屋 5:40
Co650二股 6:00
Co810二股 6:35
Co960二股 7:10
Co1220二股 8:20
幌内分岐峰 10:10
所要時間 4:30
幌内分岐峰 10:40
Co1220二股 11:30
Co810二股 12:35
Co650二股 13:10
芽室小屋 13:25
所要時間 2:45
自宅午後04時05分到着