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303.伏美岳(北日高/1792M)
沢訓第三弾は北日高の美渓ニタナイ北面直登沢でパノラマ展望のおまけつき
直前に夏道登山 野塚岳ニオベツ川南面直登沢でデビューを果たし、双朱別岳東面直登沢、同ニセクシュマナイ沢で着実に沢経験を積む大道さん。ロープも購入し、沢登りに益々嵌りつつあるその姿、自分の若葉マークの頃がダブってくる。今はとにかく沢に慣れ、遡行技術を体得することが課題である。沢訓第3弾は美渓ニタナイ川北面直登沢から伏美岳である。上美生の市街地を抜けるとガスが切れ出し、車窓に青い空と山並が広がる。2日前に夏道から伏美岳に上っている大道さん、その時はガスで眺望を得ることが出来なかったという。今回は北日高の大パノラマを目に出来そうと期待が膨らむ。無人(車)の夏道登山口をスタートし、いつもの枝沢を降りてニタナイの沢床に降り立つ。川原林の踏み跡も明瞭でコーステープも付けられている。近年、人気の渓だけに頷ける変貌ぶりだ。Co830二股までは何の変哲もない沢歩き。鬱蒼とした感じの渓相だが、草木が繁茂する今の時期はそれが顕著で、特に、猫柳の木は流れを覆い隠すように枝を伸ばしている。
沢屋らしくなる 沢が開けてくるとCo830二股で、入渓後35分は順調な滑り出しである。右に朝日を浴びて輝き落ちるトムラウシ山南面沢の滑滝(20M)、左は扇状に広がる滑滝(5M)で、こちらは日陰となり、絶妙なバランスを演出している。地形図とコンパスを出して、現在地を特定し、左股遡行を確認する大道さん。沢屋らしくなってきた。この作業、沢登りでは最も重要なそれだが、つい、経験者やリーダー任せになってしまう。自戒を込めてだが、億劫がらずに取り組みたいものである。滑滝を左岸から上ると、いよいよ「滑・滝ショー」の始まりである。傾斜の緩い釜付滑滝が連続するが、大道さんは感嘆の声を上げながら、迷いなく先行する。私はといえば、擦り減ったフェルトソールの沢靴なので慎重に後を追う。この沢でステルスソールは流石に履けない。Co900で二股となり、どちらも緩い滑滝で流入する。水量は1対1でここも左に入る。右股奥はトイ状の滝となっている。緩やかに右に曲がる沢、滑床をヒタヒタ歩いて行くと、幅のある滝らしい滝(7M)に出会う。滝下の流木が景観を台無しにしている。右岸を巻き上ると、前方に2段滝(15M)が登場する。
水飛沫は快感だ 何処でも行けそうな気はするが、ここは右岸ルンゼにルートをとり、まとめて巻いてしまう。落ち口まで上ると、沢は開けてきて少し遠望が利くようになる。見渡す限り滑床で、黒い岩床と鮮やかな緑、水流の白が絶妙なコントラストを形成している。所々にあるトイ状の流れがアクセントとなっている。この辺りはおおむね右岸を上がるが、ドロドロとした草付はズルリと崩れるので全幅の信頼は置けない。優しそうで難しい遡行が続くが、大道さんが行き場を失うシーンは見られない。時々は意識的に流れの中を歩くが、水飛沫が何とも気持よい。夏道登山では絶対に味わえない快感である。背後にはトムラウシ山、その右奥には剣山が青白く浮かんでいる。前方右に沢筋が見えてくるとCo1170二股は近い。高度差340メートル、およそ80分間に及ぶショーはエンディングを迎える。Co1170二股は崩れた感じで、手前で右からの細い流れが流入してくる。直上の本来の右股は苔むしていて水流はないが、格別の美しさはある。左股は3メートルほどの滝だが、ホールドもあるので難なく中央突破する。ここから沢は直線的となり、優しいV字渓となる。
地形読みの妙味 北向きの沢なので雪渓の存在が気がかりだったが、見渡す範囲それはない。水流の減った沢を黙々と上っていく。Co1350で右岸に残雪があり、Co1440二股付近では崩壊直前のトンネルを見る。いやらしいので右岸ミックス(草+岩+泥)をトラバース気味に越えていく。左に入ると、水流は細々とあるものの、ほとんどガレ沢と化す。傾斜は一段と強くなり、頻繁に休息を入れる。振り返ると端正な雪盛山で、ピパイロ川八ノ沢から上がったことを思い出す。Co1600近くなると、沢一面が残雪に覆われるようになる。遠目には、立ちあがる冷気が見えていたので、雪渓が崩壊しているのだろうと予想していたが、読みは外れた。それなりに安定しているようなので、刺激を与えないように注意しながら上を行く。雪渓が途切れるとCo1620二股で、ここは自信を持って左に入る。右は明瞭な沢形があり、左はやや窪んだ斜面程度にしか見えない。コンパスを当てなければすんなりと右だろう。地形図に現れない源頭以降の地形をどう読むのか。それが難しさであり、楽しみでもある。それだけに、ピークダイレクト登頂は沢屋にとって何より大きなご褒美である。そんなことを大道さんに話す。彼もまた、コンパスをセットしてみて「ここは右ではない」と納得したようだった。
羆より怖い虫が 二股地形は分かりにくいが、入ってしまうと浅いながら沢形は顕著となる。いつもより多めにホイッスルを鳴らす。山頂にいる登山者に羆と間違えられてはたまらない(笑)。薄い灌木の藪を漕ぐこと20分ほど、ピタリ、待望の頂上に出る。大道さんが「スゴイ!」と驚くので、「それはコンパスの力」と答えるが、気分は勿論いい。直下でガスってきたので眺望に不安があったが、札内からピパイロまで、北日高の名だたる山々が一望できる。夏道を上がっても同じ景色を目には出来るが、沢を遡行して得たそれはモノクロとフルカラーくらい違って映ることだろう。大道さんも満足した様子である。7月上旬、南面沢から上った時には、カール群にはかなりの残雪が見られたが、ほとんどが消えていた。雪渓をあてにした縦走ももうできそうにない。山頂で大休止と思ったが、虫が酷い。我慢できず、早々に下山(夏道)の途に就く。傾斜が緩むCo1392Pで2度目のランチタイム。付きまとうアブが煩いが、風はさわやかで心地良い。
足が痛くて速い それにしても、大道さんは速い。追いつこうとスピードアップしても追いつかない。聞けば「足が痛くてゆっくり歩けない」という。理解できるようなできないような説明だが、「夏道を2時間で上った」とも。とにかく、強靭な体力の持主であることは明確となった。私など、空身でも2時間はかかるだろう。今月末に南日高のコウボクシュメナシュンベツ川から楽古岳を予定しているが、彼について行けるか不安になってきた(涙)。沢靴なので滑る心配を抱いていたが、それもなくサクサク降りる。登山口に戻ると、熱気がドッと押し寄せてくる。沢行を振り返るのもほどほどに車中の人となる。クーラーの冷気で一息つく。
これでニタナイ川北面直登沢は4年連続4回目の遡行となったが、美しく優しい印象はいつ来ても変わらない。正に「癒し渓」といえるだろう。難は核心部の流木と頂上の虫で、記憶にない煩さだった。これもまた盛夏の風物詩なのだろうか‥。
■山行年月
2011.08.09(火)
■天気
晴時々曇
■同行者
大道さん
■山行形態
沢登り
■コース:往路/帰路
ニタナイ川北面直登沢
夏道
Co830二股の滝 Co840Pの釜付小滝
Co890付近の滑床 Co900二股
Co910付近の滝 Co950付近の滝
Co970付近の滑床 Co1020付近の滑床
Co1090付近の沢 Ci1170左股の滝
Co1170右股 Co1240付近の滑滝
Co1440二股付近 Co1600付近の雪渓
Co1620左股 左沢の藪
証拠写真 GPSトラック
コースタイム
自宅午前05時05分出発
登山口 7:20
入渓点685P 7:30
Co830二股 8:05
Co1170二股 9:30
Co1440二股 10:10
伏美岳 11:10
所要時間 3:50
伏美岳 11:50
夏道Co1392P 12:20
12:40
登山口 13:35
所要時間 1:45
(20)
自宅午後05時00分到着