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299.双朱別岳(北日高/1347.2M)
舐めてかかった東面直登沢で想定以上の手応え実感、初沢の面白さ満喫
北日高の定番沢 沢シーズンインとはいえ、今季は例年以上に沢が雪に埋まっている。大雪の沢は言うに及ばず、主たる活動エリアの日高も、北部から中部にかけて同じ状況のようだ。今季初沢は南日高の野塚岳ニオベツ川南面直登沢だったので、今回は北日高の双朱別岳(通称名)に決める。ここのニセクシュマナイ沢は南に面しているので雪もなく、この時期楽しめる数少ない北日高の沢である。野塚岳で一緒だったTorimotoさんと大道さんも同行してくれることになり、折角だから東面直登沢を遡行しニセクシュマナイ沢(南面直登沢)を下降することにする。当日になってoginoさんの参加表明もあり、賑やかな山行になりそうな予感が‥。下山後、oginoさんに私のポカを救ってもらうことになるのだが、この時点では勿論知る由もない。下山口のニセクシュマナイ沢出合でoginoさんと合流し、大道さんの車で東面沢出合に向かう。鳴鹿トンネル近くの旧道に車を止め沢装備を整える。
敢えて情報遮断 国道を横断して沙流川に入渓するが、高速道路の無料化社会実験が終了したため、交通量は一気に増加し、横断もヒヤヒヤものである。話は横道にそれるが、これで日高の市街地の賑いも戻ることだろう。物事には常に二面性があることを思い知らされる。朝日で輝く沙流の水面を横断して右岸を100メートルも上がると目的の東面沢出合である。沢地形の大きさからすると流れは細い。流木でゴチャついているせいもあるのかもしれない。この沢の遡行や下降経験は4人ともなく、ネット上での情報量も少ない(特に遡行記録は極僅か)。私自身はあえて「ニセクシュマナイ沢よりはやや上」というアバウトな評価以外はデータ収集せずにのぞんでいる。沢の詳細を知ることで時に面白さが半減してしまうからだ。沢は次第にスッキリし出してくるが、両岸の蕗やイラクサなどが今が盛りと緑を誇っている。新緑のせせらぎ然とした沢もCo560二股を左に入ると変化が出てくる。岩床が剥き出しとなり、小滝や滑が断続的に現れる。出合付近よりも水量が多いのはどうしたことだろう。
直瀑にひれ伏す 暑さが充満する沢中、水飛沫を浴びながら快適な遡行が続く。沢2回目の大道さんも二人の沢屋さんに後れをとることなく歩を刻む。Co610で沢はやや右に折れるが、後はほぼ一直線でピークに突き上げている。短い沢だがどんなサプライズを用意してくれているのだろうか。Co700手前の滑床を越えて間もなくだった。白い8メートルほどの斜瀑と大きくハングした両岸、その奥中央の薄いベールのような直瀑(30M)が視界に飛び込んでくる。その威圧感たるや、ただひれ伏すのみといった趣きである。空身で斜瀑を右岸から上がり、直瀑に近づいてみようとするが、アッサリと許してはくれない。見上げる左右の岩壁でいまにも押しつぶされるような錯覚にとらわれてしまう。写真を撮り仲間の待つ滝下に戻る。ここは高巻以外に手はなく、左岸の草付を40メートルほど上がり灌木帯をトラバースして滝上落口に戻る。落口からの恐る恐る観察では「二段滝」との見方もあったが、そうではなさそうである。はるか下方に沢の流れが見え、その落差からは50メートルの大物とも感じることだろう。
誰もがリーダー ここを下降する場合も、左岸巻きが妥当だが、それとてロープの助けを借りるに違いない。Co830二股は水流のやや多い左に入りそうになるが、ここは右が正解。地形図を適当に見ていた自分が情けない。右股に入っても3メートル前後の小滝と滑床が続く。基本的な渓相に変化はなく、皆嬉々として滝を直登していく。流石に沢初心者の大道さんは先行者のトレースを辿るが、他3人は右を行ったり左を上がったり、それぞれが思い思いのラインをとる。もとより、自由なパーティ構成、誰もがリーダーなのだから当然ではある。Co980二股付近まで上がると出合付近の対岸の山並も眼下に望めるようになり、ようやく高度感を感じるようになる。小休止を入れながらどちらに入るか相談するが、最終的に、沢形が直下まで残る右というogino案に落ち着く。「核心部を過ぎた」という安堵感を抱きつつ右に突入するが、実はそこから高度にして60メートルほどが核心部だった。
核心はここから 
直ぐに15メートル2段の緩い滝で、下段は私が先に上がり補助ロープを出す。上段はTorimotoさんが突破し、皆にロープを出す。確保なしで登れそうだが、取付いてみるとイヤラシイ。まさしくそんな感じなのだ。支点となる灌木類も乏しく、下りはより厳しさを増すに違いない。続く左岸岩壁が特徴的な10メートルは少し戻り、右岸のキツイ笹藪から灌木帯を高巻き、沢身に戻る。ここでも結構消耗する。ラストはCo1040辺近の5メートル。oginoさんは左岸を上がり、私は左岸水際から斜上する岩棚を使い右岸に移る。だが、そこからホールドが乏しい。草付にピッケルを刺すと確かな反応があり、容易に滝上に上がることが出来た。残る2人をロープで確保するが、足場が悪く難儀するも灌木に支点をとれたのはラッキーだった。ここからは水量も細くなり、手古摺るシーンは出てこない。淡々と沢を詰めるが、Co1120で二股に行きつく。どちらをとっても差はほとんどないが、古ぼけたテープがぶら下がる右をとる。Co1150付近で水を確保するが、ここがほとんど源頭だった。
温い山頂ビール 水が切れても沢形はあり、藪もやさしいものだった。「もしかしたら上まで藪は薄いかも‥」。そんな淡い期待も、Co1200辺りを過ぎると、傾斜のある笹藪漕ぎを強いられるようになる。我慢してトップを上がっていたが、遂にたまらずギブアップ。oginoさんに先を上がってもらう。大道さんも遅れることなく2人についているようで、私だけが喘ぎながら最後尾を上がる。大道さんに「大丈夫か」と声をかけられる始末で何とも恥ずかしい。ま、これがいつもの私なのだが‥。傾斜が緩み、灌木の向こうに青い空が見えてくると稜線で、直ぐ左上に頂上の高みが見える。ピークから50メートルほど北の尾根上に出たようである。そこから5分で錆びたドラム缶が横たわる頂上だった。風もなく強烈な日差し晒されるが、何よりの楽しみは山頂ビール。3本のビール缶が三角点に並んだかと思うと、一気に喉もとへ。温いが美味しさは一入である。ただ、残雪でビールを冷やすプランが破綻したのは残念(笑)。ちなみに、Torimotoさんとoginoさんは途中の沢水で冷やしていた。
土砂で埋まる沢 各自思い思いの山頂時間を過ごすが、眺望派の大道さんにとっては、ペンケヌーシ岳やチロロ岳は勿論、幌尻岳のカールまで遠望できたのだから満足だったに違いない。下降ルートは何度も遡行経験のあるニセクシュマナイ沢。やや南西方向にコンパスをセットし藪に突入する。笹でスリップするので、何度も尻滑りをする。沢形が顕著となり、藪からも脱すると、Co1200辺りで水流を見るが、直ぐに消えてしまう。土砂で沢が覆われた感じで、結局、確かな水流を目にしたのはCo900をやや下がった辺りだった。昨秋の遡行時より斜面の崩落が進んでいるような印象である。F4(20M)は左岸を巻き降り、F3とF2は懸垂で下降する。大道さんは、滝の懸垂下降は初めてだが、無難にこなしている。大きな自信となったに違いない。F1を右岸岩棚から降りると、後はひたすら川原を歩くだけ。体中が沢の匂いで満たされる頃、鉄塔が視界のものとなり、国道を行きかう車の音が聞こえてくる。ダム下で釣りを楽しむ人が珍しそうに私達を見る。ゆったりとした沙流の流れを渡渉し沢行を締めくくる。
愛車の鍵がない 充実した沢行だったと心の中で振り返っていた時だった。目の前にある愛車の鍵がないことに気づく。それは東面沢出合の大道さんの車の中だった。危うく、車の回収に国道を歩く羽目になる所だったが、oginoさんの登場で事なきを得た。彼が救世主に見えたことは言うまでもない(笑)。さて、東面直登沢の印象だが、「ちょっと舐めてたなあ〜」というのが直後の感想である。沢も短く、獲得標高もさほどではない。地形図からもそれほどの妙味は感じない。4時間もあればと踏んでいたが、ほぼ5時間も要してしまった。Co730の左岸大高巻もあるが、特に、980二股から1040付近にかけての断続する滝の処理が大きかった。どの滝も微妙で慎重さを求められたシーンである。ラストの藪漕ぎもハイマツこそ出てはこないが、消耗した身にとっては厳しいものがあった。山谷的グレードでいうなら「!*」が妥当だろう。野塚岳ニオベツ南面直登沢で沢デビューした大道さんの「最初にこの沢をやったら沢嫌いになっていた」という言葉が耳に残っている。

★Torimotoさんのブログはこちらです→http://blogs.yahoo.co.jp/esuke_t/13070857.html
★oginoさんのブログはこちらです→http://ameblo.jp/kunbetu/entry-10943782248.html
■山行年月
2011.07.02(土)
■天気
■同行者
Torimotoさん
oginoさん
大道さん
■山行形態
沢登り
■コース:往路/帰路
沙流川東面直登沢
ニセクシュマナイ沢
570付近の小滝と滑 730の大滝全景
ハングする岩壁 ベールのような直瀑
大滝の落口から ogiさんとToriさん
大道さん 980二股直下
ロープを待つ沢屋 1020の滝(10M)
1040の滝(5M) 日高らしい笹藪
山頂ビール 土砂で埋まる沢
F4(20M) Toriさん
大道さん ogiさん
F2の落口から GPSトラック
コースタイム
自宅午前04時20分出発
地点分岐等 時間
鳴鹿トンネル旧道 6:45
Co730大滝 7:40
Co980二股 8:55
9:10
双朱別岳 11:40
所要時間 4:55
双朱別岳 12:20
Co910二股 13:05
Co600二股 14:45
ダム横駐車帯 15:35
所要時間 3:15
自宅午後06時20分到着