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296.暑寒別岳(増毛山魁/1491.6M)
雪質もロケーションも最高の残雪期登山、遠征にハズレなし相性抜群の増毛
確率ゼロ信じて 4月は雑用に追われて山に入れず、ほぼ2ケ月振りの山行は増毛山魁の暑寒別岳北尾根である。道北の「主」Oginoさんのお誘いを受け、Torimotoさんとともに増毛行きを決める。深夜、十勝を出発し、道東道から富良野、滝川を経て登山口となる暑寒荘まで4時間弱、十勝からはあくまで遠い山域ではある。周囲にはガスが低く垂れこめ、好天はあまり期待できないが、「降水確率ゼロ」を信じて身支度を始める。駐車場は多くの登山者で賑い、次々と出発していく。ほどなく、Oginoさんも到着、7時前に林道をスキーで登りはじめる。暑寒荘付近は標高300メートルほどだが、林道には雪が残っている。十勝ではおそらく600〜700メートルの景観と思われ、増毛の雪の多さを物語っている。北尾根に上がるまで2か所、スキーを担ぐが、これも全くの御愛嬌というものだろう。ルートは今は廃道となっている岩清水コースで、コース沿いの木には丸い番号札が付けられている。Oginoさんによると、これは積雪期コースを示しており、視界不良時には頼りになる存在となるに違いない。
早過ぎる撤退か 約1時間で北尾根Co570Pに上がる。ガスは濃く、視界は50メートルほどだろうか。ここは地形図593標高点の直下で、夏道二合目の標識がある。一息入れていると、後続のパーティが到着する。女性中心のそれで、可愛い犬も同行していた。天気動向をさかんに気にしていたが、こればかりは答えようがない。ここからは尾根の背を登ればいいだけなのだが、前年の、ポンショカンベツ川遡行後の忍耐の北尾根夏道下降を考えると気が重い。進行方向を東から南に変え、雪面に刻まれた先行者のトレースを辿る。やがて、上から鈴の音が聞こえ、2人の登山者が姿を現す。聞けば、濃いガスに登高をキャンセルし下山するという。私達の感覚では、あまりに早い決断というべきだが、一度、テンションが下がってしまうとこんなものなのかもしれない。左足下から箸別川右股川の轟々たる川音が上ってくる。ガスでその流れは確認できないが、溢れんばかりの雪解水を集めているようである。
劇的に青空出現 地形図Co649P付近を過ぎると尾根は平坦となり、方向性がやや怪しくなってくる。トレースでもなければ、慎重なコンパスワークが求められる所だ。依然としてガスは濃いが、上空は心なしか明るくなってきた。コースがやや南東に折れるCo855P付近からだろうか。それまでは快調な登行だったが、次第にバテてくる。久々ということで身体が悲鳴を上げだしたようだ。ダラダラとした登りといえども、頂上台地への急登もあり、登頂出来るか不安が頭を過る。そんなマイナス思考もCo950付近まで上がると払拭される。急激にガスが切れ出し、青い空が一気に広がりはじめたのだ。期せずして3人から歓声が上がる。ガスに隠れていた1075.8ポコも見えてきた。こうなると、気分だけは少なくても高揚する。1075.8ポコ東斜面をトラバース気味に上がっていくと、頂上台地への急斜面も視界に入ってくる。5月半ばの山といえば、くすんだ雪とアチコチ顔を出すハイマツが当り前の景観だが、そこには真っ白な銀世界が何処までも広がっているのである。まさしく、新雪に覆われた山なのである。
ブレーキ役返上 尾根の背のやや東側にルートをとるが、この付近、頂上台地基部までが何とも遠い。遠望できるだけに、距離感とのギャップが生じるようだ。10時過ぎにようやく基部に到着する。長い頂稜を持つ西署寒別岳が険しい北面を露わにする。麓方向に目を転じれば、雲海がどこまでも広がり、遥か奥に利尻山が頭を覗かせる。これ以上のロケーションはないだろう。ゆっくりと眺望を楽しんでいたいところだが、2人のブレーキ役は演じたくないので、一人先を行く。大斜面に取付いている先行者の後を追うが、シールに雪が付きだしたこともあり徐々に離されてしまう。斜面半ばでは、遂に、OginoさんとTorimotoさんにもパスされてしまう。彼等はグイグイ先を直登し、アッという間に頂上台地に消えてしまう。辿りし方向からは次々と登山者が現れるが、後続者だけには抜かされないように力を振り絞りジグを切る。喘ぎながらの登行も頂上台地で終息する。頂上も指呼の距離となり、登頂も現実のものとなるが、春の穏やかな景観とは裏腹に、冷たい風が体熱を奪っていく。
コーラが美味い 待っていてくれた二人に合流、慌ててアウターを着込む。箸別分岐標識を右に見ながら進んでいくと、直下に大岩が鎮座している。ポンショカンベツ川遡行時に、ガスの中から現れたことを思い出す。山頂標識が次第に近づいてくる。苦痛が喜びに変わる瞬間である。バテバテではあったが、4時間35分でピークの人となることが出来た。風を避け、直下南斜面でランチタイムとする。コーラの炭酸が喉に染みる。南西側に対峙する群別岳と奥徳富岳が存在感を放つが、浜益岳や雄冬山も中々どうして立派な山容を誇っている。前述したが、何より雪の白さが際立っている。山域全体としての標高は決して高くはないが、気象条件はプラス400〜500メートルと考えるべきで、これも、日本海からダイレクトに寒波が流入するという地理的条件によるものだろう。林道の雪解なども前年よりは遅れているという。石狩湾を挟んで雲上に浮かぶ積丹の山並も目を引く。1時間ほどたっぷり休みいよいよ下降に移る。問題は雪質で、登高時の印象ではザラメ状ではなく、この時期の新雪故の重さが感じられた。
快適斜面の極み スキートップが刺さるパリズボの可能性大と見たがどうだろうか。頂上台地から大斜面基部目がけて恐る恐る滑りだす。が、予想に反して、スキーは沈むどころか、雪炎上げて快適な弧を描いてくれるではないか。標高差200メートルの大滑降である。折しも、ピークを目指す登山者が数珠繋ぎ状態で、これ見よがしにその横を滑り降りる。途中で何かに引っかかりバランスを崩すも何とか持ちこたえホッとする。一気に滑り降りるのは勿体ないほどの斜面で、Oginoさんは一番東側の傷一つない斜面に華麗にシュプールを描き、Torimotoさんは中央にラインをとる。バランスが格段に良くなった感じである。時間も早いので、基部に荷をデポしもう1本滑ることに。登り返し時に右足大腿筋がつりだし、ヤバイと思いつつも滑降の誘惑には勝てなかった(笑)。すでに、麓の雲海は消えて、湾曲する海岸線と日本海の大海原が眼前に展開している。留萌の街並みや風力発電所(風車)も見える。
意外な落とし穴 この施設は冬の平均風速10m/秒という、厳しい増毛の気象条件を逆手に活用したものとのこと。考えてみると、この時期、この高度でスキーを存分に楽しめるのも気象条件あればこそである。今こそ自然環境を賢く利用しなければならないと思う。とにかく、大海原を目がけてダイナミックな滑りが出来るとは、正に、想定外の快感である。尾根の高度を下げるにつれて、雪質は微妙に変化するが、適度な腐り方でスキー操作に支障はない。僅かな時間で二合目の尾根下降ポイントとなり、そこから西斜面の林道を降りるが、ここでルートミスをしてしまう。高度にして50メートルほど往路をそれてしまった。他登山者のトレースを疑うことなく辿ってしまったのがいけなかった。斜面全体が雪に覆われていれば問題はなかったのだが、林道以外はかなり藪が出ていたので戻らざろう得なかった。およそ10分ほどのタイムロスの後、ルートに復帰。15時に暑寒荘に戻りつく。望外の好天とスキー三昧。私自身、増毛遠征は3度目となるが何れもハズレなし。どうやら相性が良さそうである。
スキー最適尾根 残雪期の暑寒別岳北尾根は初めてだが、この日は日曜日の好天もあってか、とにかく、登山者が多かった。しかも、「登り」に5時間前後を要する山行とは思えないような遅立にも驚いてしまった。だが、それにも理由があった。この時期は日照時間も長く、ルート上ではほとんどスキーが使える。極端な話、終日好天なら9時に登山を開始しても、17時前には暑寒荘に戻ることが出来るという訳である。ツボ足で登ることなど考えられないルートである。ただ、何かアクシデントが発生すればビバークもしくは夜間下降なんてことにもなりかねない。やはり、早立して大斜面でスキーを思いっきり楽しむというのがいい。
増毛の市街地へ下る道路の両側には果樹園がいくつも並んでいる。そこは麗らかな田園風景で、厳しい風雪を想起させないが、増毛山魁から流れ出る豊かな水こそが肥沃な大地を生み出しているのは間違いない。背後に聳える山稜のあまりの白さに改めて驚きつつ帰路につく。
同行いただいた皆さんのブログです
★Torimotoさんのブログはこちら→ポンコツじむお君日記?
★Oginoさんのブログはこちら→道北ヤブ山日記
■山行年月
2011.05.15(日)
■天気
曇のち晴
■同行者
Torimotoさん
Oginoさん
■山行形態
残雪期登山
■コース:往路/帰路
暑寒荘・北尾根
尾根標識 カンバの樹氷
切れ出すガス@ 切れ出すガスB
眩しい銀世界 西暑寒別岳@
尾根背後と雲海 沢筋と雲海
近づく大斜面 頂上台地への急登
頂上台地から頂上 山頂標識
浜益岳 群別と奥徳富@
西署寒別と雄冬山 群別と奥徳富A
西暑寒別岳A 大斜面の賑い
Oginoさん Torimotoさん
林道から山頂方向 GPSトラック
コースタイム
自宅午前01時05分出発
地点分岐等 時間
暑寒荘 6:45
北尾根Co570P 7:40
Co1075.8P 9:30
斜面基部1200P 10:10
暑寒別岳 11:20
所要時間 4:35
暑寒別岳 12:25
斜面基部1200P 13:45
Co855P 14:00
Co570P 14:15
暑寒荘 15:00
所要時間 2:35
自宅午後08時45分到着