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295.大麓山・トウヤウスベ山(十勝連峰/1459.5M/1400M)
植生豊かな森から十勝連峰南端の大展望台へ上がり積年の課題をクリア
モチベーション 十勝連峰の南端に位置する大麓山とトウヤウスベ山は何年も前から登ってみたい山だった。だが、相性が良くないのかプランを組むと決まって悪天でキャンセルの憂き目にあっていた。北隣の前富良野岳と富良野岳も一緒にやりたいので、2日連続の好天という条件も厳しかったようだ。ならば、天気の安定する4月辺りに狙えばよさそうなものだが、この時期には他山域が優先となってしまう。この調子ではいつまでたっても登頂することは出来そうもないので、今回、1日だけの好天を利用して、とりあえず、冒頭記述の2座にアタックすることにした。深夜に自宅を出れば充分に日帰りは可能なエリアだが、万全を期して、前夜の内に登山口となる麓郷に入る。車中泊で眠れぬ夜を過ごすことになるのだが、経験から、夜中のロングドライブと連続する登山よりは身体が休まるようである。何より、日和ってキャンセルという事態だけは回避できる(笑)。ただ、正直なところ、翌日朝のモチベーションは極端に低かった。キャンセルの理由を探している自分がいたくらいである。
緊張感ゼロ状態 麓郷の市街地から富良野ジャム工房方面に向かい、手前から左折し、ポン布部川右岸の林道に入る。そこは綺麗に除雪され、難なく、東京大学北海道演習林のゲートに行きつく。山はその中にあり、本来、入林には許可が必要なのだが、今回は勘弁してもらう。ゲートは施錠されていないが、流石に車で進入するのは気がひけたので、手前に駐車し、スキーで歩き始める。200メートルほども行くと、二つ目のゲートがあり、こちらはしっかりと鍵がかかっていた。脇を通り抜けるとブルが2台ほど置かれていて、近くで工事が行われているようだ。「そのための除雪だったのか」などと考え事をしながら歩いていたせいか、中白鳥川右岸の林道へ入るのを失念し、ポン布部川沿いの林道を直進してしまう。道路沿いの木に「大麓山」への案内標識まで掲出されていたのも一因である。200メートルほど進んで、何気なくGPSを見てようやくルートミスに気付く始末。何とも緊張感ゼロ状態である。
キツネの足跡に 適当に左手の樹林帯に入っていくと、左岸にも林道があるので、そこを辿ることにする。第一、川は流れが露出していて渡りたくても渡れない。地形図によれば、Co510Pあたりで出会う林道が右岸に伸びているので、それを使えばいいというアバウトさである。スノーモービルのトレースで踏み固められた林道は歩きやすく、クロカンスキーらしきスケーティングトレースもある。予定通り林道に合流し、対岸に渡ると、そこららは全くのノントレースである。やはり、マイナーな山域なのだ。雪は若干柔らかめだが、スキーはほとんど沈まず、1時間少々で予定渡渉ポイントに着く。ここは南西尾根が緩やかに張り出した所で、尾根取付点でもある。問題はスノーブリッジの有無だが、ここは林道から対岸に伸びるキツネの足跡に導かれ、労することなく尾根末端へ。地形図表現より尾根形状は緩やかで、コンパスを北東に切り、直線的に上がっていく。豊かな森ではあるが、変化には欠ける。
輝くモンスター 途中で2度、林道を横切るくらいで、後は似たような景色が何処までも続く。近くばかりを見ていると方向感覚がマヒしてくる。Co1000付近まで上がると、樹林が途切れだし、一面の銀世界が現れて気が和む。背後に芦別の山魁が見られるようになるのもこの辺りである。少し登ると右側の視界も開けだしてくる。予定ではCo1100Pで右下の林道に合流するはずだったが、Co1090P付近で少し左に上がり過ぎてしまい、やや下り気味に、Co1120P付近で林道に合流する。復路、同じルートを辿るとすれば、いくらか登り返しを強いられることになりそうだ。尾根取付から終始20センチほどのラッセルが続き、ややシンドイ。ここで、再び「大麓山」への案内標識。どうやら、この山には登山道がありそうである。右下の「16」の数字は距離のようにも思えるがどうだろう‥。眩しいほどの白さを放つ林道と左手の斜面だが、雪はかなりベタつきラッセルもやや深くなる。泣きが入るところだが、右手に目指す大麓山が全容を現す。南北に長い頂稜が特徴で、直下のモンスター群が日射しに輝いている。
強風の山頂風景 Co1178コルまで上がると強列な北風の歓迎を受ける。思わず、顔を覆いたいシーンだが、正面に姿を見せた美しく厳しい富良野岳と前富良野岳がそれを許さなかった。ここからは西尾根をジグを切りながら登っていく。雪面はクラストし、時にエッジが利かなくなる。顕著な雪紋といい、モンスター化したアカエゾマツといい、風雪の強さを物語っている。背後には西ピークの奥に夕張山地が広がり、北端の富良野スキー場や麓の富良野市街を望むことが出来る。初アングルの眺望に力を得ながら、直下の急登に耐える。モンスターの脇を回り込みながら、一段と強風舞う頂稜に上がる。今度は北側から東側にかけての大展望が飛び込んでくる。十勝連峰は十勝岳までの山並が白く浮かび上がる。端正な下ホロカメットク山が印象的だ。東大雪は、勿論、ニペソツにウペペサンケだろう。大麓山のピークは強風で雪が飛ばされ山頂標識と三角点(二等三角点:虎臥辺)が露出している。
山中に轟く爆音 驚くことに、東側からスノーモービルのトレースも残っていた。時間は11時過ぎ、時間的余裕もありお天気も安定している。ここまで来たからには北東隣のトウヤウスベ山まで足を伸ばすのは当然であろう。直線距離にして1.4キロほどだが、心なしか遠く感じる。シールのままコル付近を目指して滑り降りていく。コルに荷をデポして空身でスピードアップを図る。その時、上部を一匹のキツネが豊かな尻尾を靡かせながら斜面を横切る。真白な斜面に何と映えることか‥。思わず、「オーイ」と呼んでいた自分の心理が可笑しい。大麓山から30分弱でトウヤウスベ山に辿りつくが、平坦な頂上台地が広がっている。ピークを示すものはなく、一番高い所をこの日の頂上とする。それにしても、下ホロの西面の迫力は中々のものである。復路、コルで荷を回収し、大麓山への登り返しに入っていた時に、スノーモービルの爆音が山中に轟く。良く見ると、大麓山のピークに何名かの人影が現れる。
コンディション おそらく、ルートは傾斜が緩い南尾根か東尾根だろう。林道走行くらいならまだしも、それ以外での運転は肯定的には考えられない。今回、コルから大麓山への登り返しルートを選択したが、コルから北尾根をトラバース気味に回り込み、Co1178コルに降りるルートも考えられる。登り返しもなく、一見、楽そうだが、キツイ斜度と濃いハイマツ帯(モンスター)に手こずるかもしれない。大麓山の頂稜を越え、直下でシールを外す。ついでにショートランチで空腹を満たした後、滑降を開始する。が、Co1178コルまでは滑りを楽しむという状況ではない。林道に出ると雪温が高く、スキーの滑りは良くない。そのせいで、樹林帯に入って直後の登り返しもノンシールで突破できたのは皮肉だった。樹林帯は日当たりのよい所は滑りにブレーキがかかり、日陰はほぼパウダーと、極端なコンディションの違いがみられた。それでも下降は下降で、コルから45分で林道だった。
納得の三角点名 ただ、スノーブリッジが渡渉中に崩れ、危うく落ちそうになってしまう。ここが今次山行中、最大の難所だったかもしれない。林道も快適で、特に、スノーモービルで踏み固められたそこは、僅かな傾斜にもかかわらずスピード制御が必要なくらいの滑りである。積年の課題をクリアしたような気分に包まれながら林道ゲートを潜り抜ける。
山行中、大麓山への案内標識を見るが、帰宅後にネットで調べてみると、同山にはやはり登山道があった。地形図Co1230Pからそれと思われる破線が山頂に伸びているが、「登山道はない」という思い込みがそれを見えなくしていた。勿論、東大演習林が管理しており、林道から30分程度で山頂に達するという。また、この森は植生も豊かで、日本にある約1600種の植物の内、1200種類が分布しているとのこと。登山でやせ細る山ばかりを目にしているだけに、流石に東大管理という思いを強くしたものである。なお、以前は大麓山とトウヤウスベ山を合わせてトウヤウスベ山と呼んでいたそうである。アイヌ語の意味は「横たわっている虎」で、大麓山三角点名の意味を理解する。
■山行年月
2011.03.20(日)
■天気
■同行者
単独
■山行形態
積雪期登山
■コース:往路/帰路
東麓郷・南西尾根
渡渉点の狐の足跡 森の風景@
森の風景A 森の風景B
徐々に開ける森 背後に芦別山魁
林道に合流 大麓山への標識
大麓山 コルから富良野岳
西Pの奥に夕張山地 直下のモンスター
山頂標識と三角点 山頂から十勝連峰
トウヤウスベ直下 下ホロと飛行機雲
大麓山東面 前富良野と本峰
迫力の下ホロ 林道ゲート
右端が大麓山 GPSトラック
コースタイム
前夜麓郷市街車中泊
地点分岐等 時間
林道ゲート 6:00
渡渉点580P 7:05
Co1178コル 9:50
大麓山 11:10
トウヤウスベ山 11:40
所要時間 5:40
トウヤウスベ山 11:45
Co1178コル 12:55
渡渉点580P 13:40
林道ゲート 14:00
所要時間 2:15
自宅午後04時20分到着