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289.フップシ岳(阿寒山域/1226.5M)
阿寒のマイナーピークは白いモンスター達に囲まれた静寂な空間だった
大名登山の趣き 1月最終週の日曜日は阿寒山域のフップシ岳である。この山は国道241号線足寄峠の南に聳える緑深き山である。勿論、今は雪に覆われているが、無雪期に雌阿寒岳から見ると黒くシャープな山容が目を引く山である。前日、北日高のペケレベツ岳をご一緒したTorimotoさんからお誘いを受け、同行させていただくことにしたものだ。Torimotoさんに自宅まで迎えに来てもらい、ちょっとした大名登山の趣きである(笑)。ただ、前日痛めた左膝内側靭帯に動作痛があり、それが少し気にかかる。阿寒といえば、雌阿寒岳に雄阿寒岳、阿寒富士の三山で、三角点が敷設されてはいるものの(二等、点名=風伏岳)、この山が脚光を浴びることはない。従って、この山に関する情報も極僅かだが、主として積雪期に足寄峠もしくは国道交差点付近の林道から登られているようである。今回私達は後者のルートを選択。国道交差点から500メートルほど峠寄りのCo555P付近の林道入口を登山口とする。
沢筋登行は正解 全山が濃い樹林帯に覆われていると判断し、足元はスキーで行けるところまで行き、その後はスノーシューで上がることにする。造材道を巧く利用するというのもポイントだろう。林道を進み適当な所から北尾根に取付くつもりだったが、薄らとスキーのトレースがあったので、とりあえずそれを辿る。フップシ岳に向かっている保証はなく、駄目ならその時点の最良のルートを開拓することが前提だ。ルートは林道から北尾根を回り込むように造材道を辿り、北面沢へと緩やかに高度を上げてゆく。トレースといっても明瞭ではなく、ほとんど膝下程度の新雪ラッセルである。沢筋にルートをとるのはあまり気分の良いものではないが、周囲の植生や気温、雪の状態からして雪崩のリスクは小さいと判断しての行動である。沢形が次第に浅く小さくなると、左右の尾根が目線に近づいてくる。見た目では尾根上の方が樹木もブッシュも濃いようで、沢登行はほとんど正解のようである。
原始の森を想起 およそ2時間で標高900メートル付近に到達する。沢形はまだ続くが、そこで造材道に出会う。沢詰めに飽きた訳ではないが、少し楽をしたくて右(西)に向かうそれを利用する。300メートル弱進んだところで倒木が行く手を遮るのをキッカケに北西尾根に取付く。森には樹齢100年もあろうかという針葉樹が立ち並び、原始の趣きを感じさせる豊さがあった。その見事さに驚嘆しつつ、ジグ登行に耐える時間が続く。ここも雪が少ないのだろうか、スキーでも時折膝上までズボズボと埋まってしまう。笹や下草に充分に雪が詰っていないようである。加えて、密度を増す樹木は登山者を悩ませ続ける。例え登れてもスキーで下ることが出来るのか‥。そんな不安が頭を過るが、万事がアバウトな私は「何とかなる」、ダメならスキー担いでスノーシュー下降すればいい、といった調子である。だが、Torimotoさんは購入したばかりのMSRスノーシューを試してみたいらしい。
スキーの優位性 Co1100Pを越えた付近でスノーシューにチェンジする。快適だったのは最初の3歩〜4歩で、以降は浮力を得ることが全くできなかったという。スキーのトレースを辿ってこの状態であり、今時分の雪質ではスキーに圧倒的なアドバンテージがあるのは確実である。スノーシューは雪質を選ぶということを実感させられたものである。Torimotoさんも直ぐにスキーに交換し私に続く。視界が全く開けず傾斜ばかりが強まる状況も、Co1200近くなると変化が現れる。左側に浅い沢形(北面沢源頭)が現れ、ほどなく樹木が途切れて青空が見えだしてくる。傾斜も緩みピークが近いことを物語っている。再び針葉樹が密集する細い尾根に突入し、枝を払いながらそこを抜け出すと、左手に凍てついた阿寒湖と容の良い雄阿寒岳が視界に飛び込んでくる。湖畔も冬眠しているよう静けさを見せる。思わず「ホウ!」とため息が出る美しさだ。前方には、樹木に覆われ周囲よりは明らかに一段高い地形が現れる。待望の頂上である。登行の苦痛を名残惜しむかのように一歩、また一歩とスキーを進める。
黄色い山頂標識 4時間ほどもあればと踏んでいたが、3時間45分での登頂は上出来であろう。頂上は、厚く雪化粧をした樹木に囲まれて見晴らしは良くない。僅かに東側に窓のように開かれた場所があるだけで、南側の雌阿寒岳や阿寒富士は樹間にその一部を見るのがやっとである。展望を得られないのは残念だが、これはこれで良しとしよう。基本は「あるがまま」の自然を受け入れ味わうことなのだから‥。よく見ると、モンスターと化した木に黄色い簡素な山頂標識がかけられている。地味なフップシ岳を象徴するかのような山頂風景である。山頂には西側からの明瞭なスキートレースもある。おそらく、足寄峠ルートと思われるが、こちらは顕著な地形がほとんどないため、地図とコンパスをしっかり使えることが必須条件となる。およそ30分のランチタイムの後、下山を開始する。ルートは往路をそのまま戻るだけなので気は楽だが、問題は密集した樹木の中のスキー下降である。
激パウに大満足 前日のペケレベツで少し自信を得たTorimotoさんだが、流石に不安は隠せない。私が先頭で斜滑降のトレースを刻んでいく。雪質はフカフカのパウダーなので見た目以上にスキーコントロールは容易なはずだ。Torimotoさんもほとんど遅れずに降りてきているのが何よりの証拠だ。2010年2月の本美里別では下降にかなり難儀したが、その時と比べると楽勝である。針広混交林まで降りると傾斜も緩み連続ターンも可能となる。35分ほどで造材道に降り、そこから3分で北面沢出合だった。尾根に比べて樹木こそ薄いが、狭い沢地形なので滑りは辛い。北尾根の状況はどうかと、その背近くまで上がってみるが、ブッシュも混んでいてやはりスキーには不向のようである。我慢して沢を降りていくと、地形は徐々に平坦となり、適度な傾斜に変わる。スキーが面白いように滑る。沢から造材道、藪を快適に繋ぎアッという間に林道で、締めくくりの林道滑走5分で国道側の車に戻りつく。
ビール付の温泉 下降に要した時間は1時間15分、Torimotoさんもスキーの優位性と楽しさを息を弾ませながら口にする。私自身、フップシはスキー不適の山との印象があり、中腹程度までスキーで上がれたら儲けものと思っていただけに、全行程をスキーで踏破出来たのは嬉しい誤算だった。登山前、膝靭帯動作痛の不安があったが、行動中はそれも嘘のように発症せず、下山後に痛み出してきた。人間、楽しいことに集中している時は痛覚も鈍化するのだろう。下山後は野中温泉で硫黄臭たっぷりの温泉をいただく。全くあずましいと思っていた矢先に、今度はTorimotoさんからビールのプレゼントが。こんな贅沢な山行は久々だなあ〜との思いを強くし車の助手席の人となる。

★この山は残雪期、雪の締まる時期はスノーシューでも快適な登下降ができると思われるが、今時分はやはりスキーである。スノーシューやワカンの場合、終始膝上ラッセルを強いられる訳で、相当の体力と何より強い精神力が求められる。

★Torimotoさんのブログはこちらです→
http://blogs.yahoo.co.jp/esuke_t/10851754.html
■山行年月
2011.01.30(日)
■天気
■同行者
Torimotoさん
■山行形態
積雪期登山
■コース:往路/帰路
北面沢・北西尾根
静かな森へ 北面沢@
北面沢A 造材道側の樹木
造材道を行く 針葉樹の森
スノーシューへ ようやく青空が
頂上への入口 見えてきた頂上
雄阿寒岳遠望 頂上直下
簡素な山頂標識 山頂のモンスター
窓から東望 頂上から南望
復路の林道 GPSトラック
コースタイム
自宅午前06時00分出発
地点分岐等 時間
林道Co555P 7:45
造材道Co900P 9:40
フップシ岳 11:30
所要時間 3:45
フップシ岳 12:00
造材道Co900P 12:40
林道Co555P 13:15
所要時間 1:15
自宅午後04時00分到着