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283.オムシャヌプリ(南部日高/1379M)
ポン楽古西面沢から転進のオムシャ南西面沢は季節外れの全身シャワー
徒歩通行もダメ 北日高のニセクシュマナイ沢で今シーズンの沢登りを一応締めくくったのだが、10月に入っても最低気温が二桁の日が続いている。こうなると、必然的に2回目の沢納めとなる。行先は昨年からの課題である南日高のメナシュンベツ川ポン楽古岳西面沢で、岳友Torimotoさんの同行も得て快適な沢行予測に胸躍るものがあった。忠類道の駅で合流し、一路、天馬街道から楽古林道に分け入る。楽古山荘手前1.5キロにゲートがあり、ここから車は入れない。林道法面崩落でそれは予定の内だが、なんとその修復工事が行われているではないか。少しばかり驚きつつ沢装備を整え歩きだす。500メートルほど進むと、工事関係者がいて徒歩通行もまかりならんとお叱りを受ける。「看板あったしょ!」との強い口調、私達が強行突破でもするかのように見えたのだろうか‥。いきなり出鼻をくじかれ意気消沈してしまう。しかし、手頃な転進先に不自由しないのが南日高である。早速、ニオベツ川オムシャヌプリ南西面直登沢に変更する。
岳友果敢に直登 地形図も用意してはいないが、2週間前に私が遡行しており「それ」は私の頭の中にある。上杵臼大橋下の広場には車が1台止まっている。どうやら先客がいるらしい。ニオベツ川Co450Pで左岸から流入する沢が目指す南西面沢だが、前日の降雨のせいだろうか、明らかに2週間前よりは水量が多い。Co520左股にも細いが顕著な流れがある。二股付近は比較的平坦だが、左股も少し上がるとV字谷へと変貌している。右股に入り見慣れたF1、F2を越えるとCo700付近でF3(15M)で、この沢の遡行経験のあるTorimotoさんは果敢に水際左岸から直登を試みる。滝上への抜け口がホールドがなくてイヤラシイ所だ。しかし、微妙な動きで見事に突破、流石にTorimotoさんだ。私と言えば、右岸から小さく巻くつもりもあっけなく敗退、結局、前回同様左岸を高巻く。F4はセオリー通り左岸ルンゼを詰めるが、こちらにも水流があり慎重な登行となる。ふと、前方を見上げると中間尾根への取付ポイント付近に遡行者がの姿がある。
メット見た記憶 先行者が後続者にお助け紐を出しているところだった。私達も後に続き、中間尾根を乗越し沢身に戻った所で彼等に追いつく。男女2名の若いパーティだった。F5(30M)の下段は全身シャワーで直登し、上段は途中から左岸に逃げる。F5の途中でパスした前述のパーティと滝上で再び一緒になり、雑談をしている内に、彼等もHYMLのメンバーであることを知る。聞けば函館からの遠征とのことで、前日は風不死岳の楓沢だったという。話をするほどに「若さ」が羨ましく感じてしまうオジサンパーティであった。それにしても、Torimotoさんの「安全第一」と書かれた黄色いヘルメットは沢屋さん達に強いインパクトを与えているようで、今回の話のキッカケも「そのメット見たことがある‥」だった。若い2人からパワーをいただき小滝や滑を越えCo980でF6(20M)をずぶ濡れになりながら直登する。いつもの年なら寒くてシャワーどころではないのだが、この日ばかりはそれも苦にならない。Co1090二股を左に入ると、細く深いV字谷となる。
秋の沢に風情が 両岸のカンバが青空を背景に白く輝いている。盛夏の沢もいいが秋の沢には何とも言えない風情があり心惹かれてしまう。Torimotoさんが軽快な足取りで先を上がるが、私はついて行くのが精一杯だ。徐々に沢形が浅くなるが、水は一向に消える気配がない。「山頂まで水があったりして‥(笑)」といったジョークが出る。Co1300付近でそれはようやく消失する。前回よりは80メートルほど上まで水流があったことになる。沢から抜け出すと、すでに頂上直下のハイマツ帯で、眼前に南日高の山並が展開する。木々達が今が盛りと鮮やかな色をつける。その美しさを味わいながら11時前に頂上に立つ。少し遅れて前述のパーティが到着。談笑していると、東コル沢から4人パーティが上がってきた。オムシャヌプリの頂上がこれほど賑うのも珍しいことに違いない。ランチの後、季節外れの陽気にテンションが上がったか、下山ルートを野塚岳南コル沢に決める。オムシャ・野塚間を歩くのは何年振りだろうか‥。南下は何度もしているが、北上するのは初めてだ。
ワクワク下降沢 少ない情報によると、稜線上の藪は濃くなっているという。気合を入れ直しオムシャヌプリ頂上を後にする。ノンスリップ靴カバーの調子がよくない。紐が頻繁に解けたり、カバーがずれたりする。だましながら小さなアップダウンに耐える。やはり藪は僅かに濃くなっているようだが、日高にしてはまだ楽な部類だろう。稜線北上は、全体として「下り」となっていることもあるのだろうが、野塚岳南コルまで90分ほどでカバー出来たのが何よりの証拠である。コルから野塚岳にかけては黄金色の草紅葉が風にそよぎなんとも美しい。空身で野塚岳ピストンも考えたが、日没が早い秋の1日、往復1時間は少し苦しい。そそくさと南コル沢の下降を開始する。難しさはないとの情報はあるものの、初沢はワクワク感と不安が交錯する。草紅葉の鞍部を少し下ると直ぐに沢形で、藪らしい藪もなく獣道がそこかしこにあるので何処でも降りられそうだが、やや左側を行く。100メートルも下がると、沢は直線的になりニオベツ川出合の780三股が望めるようになる。
ピンを打つしか 南コルから780三股まで高度差は370メートルほどで、水平距離は560メートルあるので平均斜度は約35度となる。これだけ傾斜があると、流石に下降も慎重にならざるを得ない。やがて水流が現れたのでノンスリップカバーを脱ぐ。沢は次第にV字谷となり両岸に逃げ場はなくなるが、幸い難所もなく順調な下降が続く。が、Co980付近でペロリとした滑滝が現れ状況は一変する。上部は何とかクライムダウンできたが、その下はやばそうだ。支点となる灌木や岩もなく、「ピンを打つしかないかなあ〜」と思いながら足元を見ると、そこにスリング付きの残置ピンが。ピン打ち経験は練習でしかないのでやはり不安がある。最大の難所を懸垂で下降すると、あとは出合まで滝も滑も出てこない。切り立つ両岸の灌木が逆光に輝き、その中心のトイ状の流れが短い秋の日射しを受けて白い色をつけている。南コルから65分で780三股に降り立つが、南面沢を遡行する時はいつもここには雪渓があり、その全景を目にすることはない。その分、新鮮さは満点である。
シーズン新記録 丸い中間尾根を挟んで顕著なV字谷の下降沢と、二条の滝となって流れ落ちる中股。その左には中股滝の上流と下流に滑滝が流入する。群青色の空と色づくカンバとも相まって中々のロケーションである。ニオベツ川まで降りてしまえば、傾斜も緩やかとなり、河原林も出てくる。適当にショートカットしながら淡々と下ると、40分ほどでトンネル出口の電気施設下に出る。いつもの護岸壁をパスして、直ぐ下流の右岸の灌木にロープを架けてそれを頼りに攀じ登る。ラストに難関が待ち受けていた感じだが、護岸壁を上がってしまえば、あとは作業道をダラダラと歩くだけ。天馬街道の巨大な橋脚に感心しつつ10分で愛車の待つ広場に戻る。スタートでつまずいたものの、今季2度目の沢納めを無事に終了し、心は満足感で満たされていた。沢インがシーズン15回というのも今までで最も多く嬉しい要因である。昨年のヌピナイ川のような大きなところはなかったが、北大雪と増毛への単独遠征は収穫大だったし、初沢が多かったというのも今季の特徴である。
定番のルートに 最後に、今回、下降ルートに使った南コル沢について触れておきたい。懸垂下降シーンは1回あるものの、全体としては優しい沢で、いつもの下降尾根に比べるとストレスは格段に少ないと思う。下降尾根は尾根頭付近と尾根末端の笹ブッシュが煩わしく、うっかりするとミスルートしそうでもある。アドバンテージと言えば、滑落リスクが低いくらいだろうか。それに比べると、南コル沢は開放的で、下りでも適度に楽しめるというのは嬉しい。沢靴のまま降りられるし、時間的にも差がない。これからは定番のルートとして定着するかもしれない。そうなると、オムシャへ足を伸ばす登山者は益々少なくなり稜線上の藪が更に濃くなるだろう。南日高の中で最も歩きやすい稜線だが、いずれ、強き者のみが踏破できるそれに変貌するかもしれない。複雑な心境ではある。蛇足ながら、今回もオムシャヌプリ頂上で東コル沢を上がってきた登山者4人とあった。特別な沢登りの技術も必要なく、登山靴のままでも上がれてしまう沢だけに、ピークハンターにとっては魅力的なのだろう。私もピークハンターだが、あのガレ沢を上がる気はイマイチ起きない。


☆Torimotoさんのブログはこちらです→http://blogs.yahoo.co.jp/esuke_t
■山行年月
2010.10.11(月)
■天気
■同行者
Torimotoさん
■山行形態
沢登り
■コース:往路/帰路
ニオベツ川南西面沢
同野塚岳南コル沢
南西面沢出合付近 F3
F4直下 F4
F4付近の紅葉 F5
F6 F7トイ状
Co1080P付近@ Co1090左股
カンバ斜面と国道 下降尾根の紅葉
野塚岳 南コルの草紅葉
下降沢源頭付近 下降沢Co970付近
下降沢滑滝 懸垂中のToさん
780三股から下降沢 780中股の滝
780中股と右股 GPSトラック
コースタイム
自宅午前4時50分出発
地点分岐等 時間
広場 7:40
F1 7:35
F4 8:30
Co910二股 9:00
オムシャヌプリ 10:55
所要時間 3:15
オムシャヌプリ 11:35
野塚岳南コル 13:00
Co780三股 14:05
広場 15:10
所要時間 3:35
自宅午後5時25分到着