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281.オムシャヌプリ(南部日高/1379M)
短いが核心部は滝と滑が連続し飽きることのないニオベツ水系一の快適沢
条件にピッタリ 9月も末になると高山からは初冠雪の便りも届き沢シーズンも締めくくりの時期となる。自ずと、向かう沢も降雪時期が遅くて標高の低い山となる。近間でこの条件を満たすのは、やはり天馬街道・野塚峠周辺のエリアだろう。今回、遡行するオムシャヌプリ南西面直登沢は2004年秋に一度訪れているが、短い沢ながら手応えは充分な沢との印象がある。6年振りの沢はどんな表情を見せてくれるのだろうか‥。途中、駒畠付近で日高の稜線がシルエットのように浮び上がる。牧草ロールを前景に絵になる眺めである。翠明橋公園近くから右折して林道に入り、ニオベツ川に架かる橋を渡ると広場がありここに車を止める。頭上にはブルーの上杵臼大橋がかかり、行きかう車が轟音を響かせる。一方、足元からはニオベツ川に流れ込む上二股沢の水音が激しい。沢装備を整えるが、この辺りはまだ日陰で肌寒く、入渓をためらうほどのヒンヤリ感が漂う。ニオベツ川を150メートルほど上がると左岸から流入する沢が目指すオムシャヌプリ南西面直登沢である。
変わらぬ威圧感 出合付近の沢は狭く最初からV字谷っぽい。直ぐの520二股を右に入るが、左股の水流は気がつかなかった。それなりの沢形があるが単なるガレ沢なのかもしれない。ルートとなる右沢も初めのうちは小さい滑がチョコチョコと現れる程度で何もない。流木がそこかしこにあり少し鬱陶しい。30分ほど遡行するとようやく変化が現れる。Co610PでF1(3M)、Co650PでF2(5M)を越えるとトイ状の流れ(Co680P)を見る。Co700付近で沢は少しだけ左に曲がるが、そこで巨岩を積み上げたようなF3(15M)に出会う。前回は落ち口左の大岩をすり抜けて直登したところだが、今回はそんな元気もなく、あっさり左岸の笹藪を高巻く。ここを過ぎると沢は別のそれのように大きく開けるがガレっぽい雰囲気にもなる。割れた岩が縦横に積み重なりチョックストーンのような景観を作り出している。そこを越えると、前方左頭上からF4(30M)が流れ落ちている。水量は細く豪快さはやや影をひそめるが、威圧するような高さには変わりがない。
定番ルンゼ巻き 水流が細い分、弱点も見える。下段の「く」の字を描く水流を辿り中間部まで上がり、そこからは左岸灌木帯もしくは右岸水際を上がるルートである。勿論、クライミングテクがあり、ロープ確保が前提条件だが‥。私は「巻き」専門なので、定番通り左岸のルンゼを70〜80メートル詰めてから中間尾根を乗越し沢身に戻る。この高巻きに要した時間は30分弱ほどであった。ちなみに、ここの高巻きだが、ルンゼを上がって直ぐの左に滝左岸に伸びる岩棚があり、これを使うと最小の高巻きで滝落ち口に達すると思われるが、問題が一つ。岩棚の幅は充分だが逆層で右の岩壁がハングしていることである。微妙な突破となるに違いない。ルンゼから左の中間尾根への取付きポイントだが、充分に上まで上がった方がいいだろう。中途半端な高さからだと傾斜があり不安定な草付のトラバースを強いられるからだ。最低でもバイルなどの使用は必須の場面である。この大滝の上は階段状の滑床が続いていて、その先に30メートルほどの滑滝(F5)となる。
断続的な滝と滑 下段は右岸を直登するが、上段はやや傾斜が強いので左岸灌木帯を攀じ登る。前回は右岸草付を上がったことを思い出すが、下は傾斜のある斜面が続いているので左岸が正解だろう。ここまで上がると深い沢筋にもようやく日射しが差し込み暖かさが身体を包み込む。核心部は抜けたものの、Co980でF6(20M滑滝)を直登した後も、1090二股まで小滝や滑床が次から次へと現れて飽きさせない。傾斜のあるトイ状の流れを両手足を突っ張って突破すると前述した1090二股につく。ここは左に入るが、沢はV字状に切れ込み、両岸が壁のように立ってくる。青い空を背景に斜面のカンバが陽に輝いているのが美しい。思えば、前回も同様の好天で同じような印象を抱いたものである。沢の水流は細くガレ出だし遂にCo1220付近で源頭となる。背後に佇むお馴染のアポイ山群に力を得ながらラスト150メートル(高度)の詰に突入する。沢形は次第に浅くなるが、優しい灌木と雑草の藪漕ぎはほとんど苦にならない。沢形から抜け出すと膝程度のハイマツ帯となるが踏み跡は明瞭でテープなども付けられている。見上げると頂上は右手指呼の距離である。
感激する登山者 そこから左右の大眺望を楽しみながら6分で頂上だった。快晴微風、文句なしの天気に疲れも吹き飛ぶが、沢を詰めてきた身には微風といえども肌寒い。アウターを着込んで暫し寛ぐ。南には先日シロチノミ川から登頂した十勝岳に秀峰楽古がそびえ、弧を描く海岸線(太平洋)も視界にある。北に伸びる山並は何処までもクッキリと稜線を青空に刻んでいる。そして、その右奥には中腹辺りまで冠雪した大雪連峰を遠望することが出来る。ふと、東コルに目をやると登山者の姿がある。日曜の好天だけに登山者との遭遇は予定の内だ。やがてその人達が息を弾ませて上がってきた。3人の年配の登山者はガレガレの東コル沢を詰めてきたという。登頂の感激に浸りながら、「オムシャヌプリ頂上」という横断幕を広げる。私がカメラマンとなり2カット撮るが、カメラに収まる彼らの笑顔が印象的だった。久しぶりに稜線を北上し野塚まで足を伸ばそうかとも考えたが、見るだけで充分と東コル沢からの下降を決める。前述した登山者に続いて山頂を後にする。コルからは私が先になり東コル沢を下るが、相変わらずのガレ沢は気が遠くなるほど長く感じる。
浮石で前方回転 気が抜けたかスリップして尻もちをつくこと3回はまだいい方で、締めくくりは浮石に乗り前方宙返りまでしてしまう。幸い腕を擦りむいた程度ですんだものの、打ちどころが悪ければ大ごとになっていたところだった。「慎重に慎重に!」を念仏がごとくとなえながら上二股沢に降り立つ。いつもの林道を辿り、最後の渡渉点から再び入渓し出合に向かうが、この辺り、滑床や淵、苔生す石などがあったりして中々雰囲気がいい。ラストはニオベツ川から笹斜面を漕いで広場に戻る。この沢の難易度は野塚岳ニオベツ川南面直登沢よりやや上程度といったところだろうか。山谷風グレードではギリギリ「!*」だろう。野塚峠周辺といえども、短くてこれだけ楽しめる沢もそう多くはない。安心して使える下降沢(笑)もあり、野塚以上に遡行者があっても不思議ではない。ただ、初心者だけで入れる沢でもないことは確かである。いつものように、翠明橋公園で美味しい水を頂き、さっぱり着替えて帰路につく。
■山行年月
2010.09.26(日)
■天気
快晴
■同行者
単独
■山行形態
沢登り
■コース:往路/帰路
ニオベツ川南西面沢
上二股沢東コル沢
南西面沢出合付近 F1
Co680トイ状 F3上部
F4全景 F4
F4左岸ルンゼ F5
F6 源頭付近V字谷
アポイ山群遠望 尾根直下の藪
十勝岳と楽古岳 東峰と海岸線
主稜線北望 翠明橋公園付近
東コル沢のガレ場 上二股沢450P付近
重なる橋 GPSトラック
コースタイム
自宅午前5時05分出発
地点分岐等 時間
広場 6:55
F1 7:20
F4 8:00
Co1090二股 9:15
オムシャヌプリ 10:05
所要時間 3:10
オムシャヌプリ 11:00
東コル 11:10
上二股沢 12:30
広場 13:05
所要時間 2:05
自宅午後3時15分到着