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279.群別岳(増毛山地/1376M)
ゴルジュに大滝越えて憧れの高みに立つも南峰・増田沢ルートも中々手強い
念願の沢行遠征 増毛山地は最高峰の暑寒別岳でも標高は1491メートルで、概ね1200メートル前後のピークが数座並ぶ山域である。高山帯でもなく、私の中では大雪や十勝連峰と比べると魅力に乏しく、距離以上に遠い存在であった。だが、今年5月、群別岳頂上から見た増毛の山並は、予想以上にボリュームがあり、低山なれど侮れない険しさを感じたものである。それはおそらく、冬期間、日本海を越えてくる烈風と大雪に防波堤のごとく耐える山々の控え目な自己主張だったような気がする。その時、「沢から上がってみたい」と強く思い、9月の連休に遂にその機会が訪れた。増毛・道北の主であるoginoさんのアドバイスを頂きながら、群別川本流から群別岳とポンショカンベツ川から暑寒別岳の2本に決める。初日は群別岳で前夜の内に浜益入りし「海浜公園」で車中泊する。5月に訪れた時と同じパターンだが、違うのは夜間の雨と風である。だが、それも朝までにはおさまり、天気予報も顕著な回復傾向を伝えている。ハイテンションで登山口を目指す(笑)。
造材道跡を辿る 群別林道は奥に入るにつれ少し荒れだすが、RV車なので問題なくCo380Pの林道終点まで上がることが出来た。なお、途中のゲートは開いてはいたが、ダルマ式の鍵が付けられていた。今夏のヌカビラ岳遭難事故(=林道無許可進入)の余波がここにも及んでいるようである。5時35分、準備を整え造材道跡を歩きだす。それは直ぐに枝沢を渡り609標高点の西側にほぼ直線的に伸びている。左足元の枝沢の沢音を聞きながら造材道跡を行くが、蜘蛛の巣があったり、朝露たっぷりの笹が被っていたりで少し煩わしい。造材道跡が下りはじめると直ぐに枝沢でここを下降する。付近にはピンクテープが何本もぶら下がっている。少し行くと左からの流れを見る。これを本流と思い左に入るが、30メートルほどで誤りに気付く。地形、水量からしてあり得ないルートミスである。2〜3分のロスはあったが、林道終点から45分で本流570二股(入渓P)につく。最近は小規模河川ばかり歩いているせいか、群別川本流は川幅も水量もあり大河の中流域の雰囲気である。
渓相一変の核心 淡々とした川原歩きは20分で増田の沢出合となり、そこから20分で周囲を城壁に囲まれたようなどん詰まりに行きつく。そして右からやや斜めに水を落とす魚止の滝F1(15M)を見る。左岸にフィックスロープがぶら下がっているが、その右の壁を灌木や笹を頼りに滝上に上がる。傾斜はあるが岩は順層なので不安はない。滝上はゴルジュとなっていて、深くノッペリとした岩床を勢いよく水が流れる。初めは左岸を巻き、途中から中に降りてへつりで突破する。エメラルドグリーンの釜なども出てくるがラストは2メートルの滑滝だった。ゴルジュを脱しても沢は両岸が狭まく、ややV字谷の様相を呈する。ゴーロかと思えば、突然、滑床や釜が現れこの変化が嬉しい。沢の奥に見える尾根1084Pの容がいい。Co750Pで3メートルの小滝を越えると直ぐに二股でここは左に入る。Co820Pで小滝の奥にF2(15M)で「廉の滝」という名が付いているらしい。下部には虹もかかり、容、雰囲気ともに好感が持てる。ここは踏跡も明瞭な右岸を高巻く。
大滝でシャワー 沢には日射しも射し込み、前方左上の岩壁が青空に映えて美しい。やがて、その岩壁の右側に一筋の流れを見ることになる。Co930でF3「群別大滝(30M)」の登場である。上部に1段目があり、その下に垂直で長い2段目である。ここにも右岸ルンゼに確かなルートがあり、そこから1段目の岩棚に上がる。水が放物線を描いて飛び出している。その裏側を少しのシャワーを浴びながら左岸に渡る。我ながら結構スリリングなシーンだが、岩棚に入る亀裂にフリクションを利かせて通過する。黒い岩棚に飛び落ちる水の白さが印象的である。滝上には3メートルほどの小滝があり、5分も上がるとF4(10M)で、幅広の滝だが、滝下で流れがトイ状に収斂・斜行するのが面白い。ここは手掛かりのある左岸を上がる。と、落ち口には可愛らしい釜があった。そして、そこにも小滝が水を落としていた。このあたりで沢筋奥に黄金山も望むことが出来るが、相変わらずの異様さである。以降も小滝や滑が連続するが、沢の雰囲気は源頭の穏やかさを醸し出している。前方奥の群別岳も視界に入ってくるが、この位置からだと当然ながら鋭角的山容は影をひそめる。
静寂な鋭鋒山頂 直下山肌には緑の植生に混じり砂礫地も見えている。雪崩で植生が根こそぎ破壊されたのかもしれない。Co1220付近で源頭となり、後は浅い沢形を黙々と詰めていく。少しの間は笹藪漕ぎを強いられるが、そこを抜け出すと草原といった雰囲気の斜面となる。岩場やブッシュの薄い所を選びながらの登行が、灌木やハイマツで僅かに難行となるとピークは近い。背後の奥徳富岳に後押しされながら、詰の藪漕ぎを5分ほど。やや東側から回り込むようにピークに到達する。5月以来の2度目の頂上だが、勿論、無人のそれである。連休なので遡行者がいるかと密かに期待したが、その姿はなくやはり亜流の山域なのだろう。この頂上、ハイマツなどが邪魔をして展望はスッキリとしないが、それに加えて、ガスが周囲を包み始めてしまった。暑寒別も直ぐに姿を消し、近くの南峰すら見えたり見えなかったりという状態である。およそ30分のショートランチの後、下山の途につく。遡行ルートを戻るのなら気は楽だが、下降は別ルートである。
竹藪で泣き入る やや緊張しながら藪を下っていく。南峰とのコルまでは尾根の東側の砂礫地や笹原を下り、以降は忠実にその背を辿る。細い岩稜帯、高度感を感じながら慎重に通過する。突端からそのままCo1079Pとのコルまで降りるつもりだったが、地形図表現よりはるかにキツイ傾斜でダイレクトに降りられない。少し戻って、西側斜面から岩峰基部にゴボウで降り立つ。基部を回り込むように笹と灌木の海に漕ぎだす。5月に訪れた時は雪に埋まっていた斜面だが、今は背丈ほどもあろうかという藪に覆われている。1079とのコルまで行こうと思うが藪が濃くて中々行けない。あまりにシンドイので早めに沢に降りることにする。今度は背丈を越える竹藪が行く手を阻む。GPSで現在地を確認しコンパスで方向をセットする。両手で竹藪を掻き分け身体を押し込んでいく。身体に竹が引っかかった時は力任せではなくに、結び目を解く要領で対処する。そんな訳で、下りといえども遅々としてペースは上がらない。思わず「往路を戻った方が良かったかも‥」と呟いていた。
増田の沢は天国 やがて、ごく浅い沢形に行きつく。徐々に竹が姿を消し、腰丈程度の優しいブッシュとなる。正に、天国に出たという感じである。ここにルートをとる人は皆そんな思いを抱きながら下降しているのだろうか。水流が現れるとほどなく増田の沢Co880P付近に降り立つ。Co810Pで3メートルの小滝を下ると直ぐに高度感満点の滝上に出る。Co790Pの「牧の滝」で、増田の沢唯一の難所である。右岸を巻いて下るが傾斜のあるいやらしい草付で、沢床に降りるまで笹斜面の長いトラバースを強いられる。滝は階段状で高さは20メートルといったところ。後は本流との出合(590二股)までの40分、ひたすら川原を下る。これが結構長くて、左側の尾根がさっぱり低くならないのだ。その尾根が消えると待望の群別川本流で、張りつめた遡行時の記憶がよみがえる。蛇行する川を10分下ると造材道へと続く枝沢出合で、ヒタヒタ流れを遡り造材道に出る。ここからはクールダウンにしてはややハイペースで歩行リズムを刻む。羆避けの鈴音がリズミカルに響き渡る。枝沢を渡り一登りすると林道終点で、下降に要した時間は3時間25分。悪夢の藪漕ぎを考えると上出来である。
次回は本流下降 この沢の核心部はF1からF4まで、標高差300メートルほどである。大きな滝こそ4個だが、3メートル前後の小滝も数多く、ゴルジュがあったり断続的に現れる滑床も美しく楽しい。また、源頭からピークまでも山容に似合ない優しさがある。「山谷」では林道終点から7〜8時間とあるが、造材道跡を利用することで1時間以上のカットは可能であろう。遡行時間も手頃で変化に富んだ渓相は魅力的である。滝などの巻きルートも明瞭で、経験者がいれば初心者でも楽しめる沢である。一方、下降ルートは少しばかり難儀した。体力があり藪漕ぎが大好きな向きにはお勧めだが、視界のない時などは本流ピストンが無難である。次回の下降ルートを問われれば私は本流を戻るだろう。ただそのことが、今回の沢行の達成感を損なうものではなく、予想以上の手強さに耐えた自分を望外の喜びが包んでいた。遠征初日、海岸線を増毛市街に向かうが、海や岩壁の美しさが目に染みたことは言うまでもない。
■山行年月
2010.09.18(土)
■天気
曇時々晴
■同行者
単独
■山行形態
沢登り
■コース:往路/帰路
群別川南東面直登沢
南峰・群別川増田の沢
F1魚止滝 ゴルジュ@
ゴルジュA Co690付近ゴーロ
淵奥に尾根1084P Co730付近の滑床
F2 F3群別大滝
F3上部 F4
F4から下流 F4上の釜
Co980P付近の滝 滑床奥にピーク
源頭付近 源頭から下流
奥徳富岳 山頂標識
南峰 ナイフリッジ
増田沢810の滝 牧の滝落ち口から
牧の滝全景 GPSトラック
コースタイム
前夜浜益海浜公園車中泊
地点分岐等 時間
林道終点 5:35
本流入渓点570P 6:20
F1 7:00
群別大滝 8:40
源頭1220P 9:35
群別岳 10:05
所要時間 4:30
群別岳 10:30
南峰 10:55
増田沢「牧の滝」 12:30
Co590二股 13:10
造材道 13:35
林道終点 13:55
所要時間 3:25
増毛「暑寒公園」車中泊