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277.十勝岳(南部日高/1457.2M)
秋初戦は長い長いシロチノミ川から笹藪漕いで冷風吹く十勝岳頂上へ
温存プラン実行 9月上旬、山々は少しずつ色づき始め沢登りにはベストシーズンの到来である。前月下旬の濃密な山行の疲れも癒えて、気力・体力ともに漲るものを感じていた。秋初戦は前年から温めていたシロチノミ川から十勝岳(南日高)を実行することに決める。この川は西肩付近が派生ポイントでピークダイレクトではないが、一般的に十勝岳へ突き上げる遡行対象の沢としては、上二股沢と楽古川、コイボクシュメナシュンベツ川がある。それらとの比較では今回遡行するシロチノミ川が最も長い。川の長さと遡行難易度は必ずしも連動するものではないが、その一要素としてカウントされるものではある。自ずと気合が入るというもので、前夜の内に「忠類道の駅」に入り車中泊する。最近は朝が辛くて山行をキャンセルすることもあるので、プラン通り遂行するためにはある程度自分を追い込むことも必要である。夜も明けきらぬうちに道の駅を出て、翠明橋公園に着いたのが4時過ぎである。
目引く巨大な糞 そこには沢装備の登山者の姿があり、テーブルを囲んで食事中の人達もいる(こちらも登山者らしい)。こんな使われ方をする公園施設も珍しいと思う。今回は、上二股沢が下降ルートなので着替えやシューズなどを袋に詰めて公園施設内に置いてゆく。入山口は天馬街道「五色橋」側の林道ゲートで、そこは施錠されていて車の進入を許してはくれない。沢装備を整えて西尾根南西端を回り込むように林道を10分歩くと目指すシロチノミ川に出会う。入渓後、直ぐに川は蛇行したり函っぽい地形が現れるが、平穏さを取り戻すのに時間はかからない。川幅4〜5メートル、平坦で水深も浅い。適度に発達した河原林の隙間から川面に日射しが差し込み、明るい雰囲気である。北大雪の鬱蒼とした沢と比較するとやたら綺麗に映るから、人間の感覚など相対的なものだと思う。この沢、Co520三股まで枝沢が左右から何本か流入し、可愛らしい滑や釜が現れるが基本的には平凡な渓相で、目を引くものといえば羆の巨大な糞ぐらいである(笑)。
滝連発の核心部 川の長さもあり、スピードアップ出来る所は全開で行く。Co520三股付近は崩れた感じでスッキリとはいかない。水量の多い方を選ぶとそこは中股で、直ぐに左股に入る。両岸がグッと狭まり河原林は姿を消す。川床には岩床が現れ傾斜も徐々に出てきて平凡な渓相に変化が現れる。Co600で段差のある滑床を越えると沢は右に屈曲し、その先に左から流れ落ちるF1(8M)が登場する。ガッシリとした門構えの滝でここは左岸を直登する。Co674P付近で沢は再び屈曲し、そこにも滝(F2)8メートルがあった。直登したいが流木が邪魔をするので、少し戻って左岸草付の巻道から灌木を伝って滝上に出る。と、直ぐにF3(8M)で、下部岩床に斜行する岩棚が走っているため水流がそこから左下に勢いよく流れ落ちている。この滝も立派な面構えである。ここから少し上がると沢は右に曲がり、左岸が垂直な岩壁となる。ほどなくCo690二股でここは右に入る。沢は流木で少しゴチャついてくるが、直ぐに角度の緩いF4(10M釜付)で左岸を高巻く。以降、Co780PでF5(15M三段)を左岸から越え、Co840PのF6(12M)は意外といやらしく右岸を高巻き落ち口に出る。
笹藪で疲労困憊 やがて、正面にCo860二股の中間尾根が見えてくる。ここは左股の方が沢形も明瞭で水量も多いが、西肩へ突き上げる沢は右沢である。沢形は崩れ傾斜もあってややどん詰まりのような印象である。そこを越えると、意外にも沢形はハッキリし流れもやさしく全く穏やかな雰囲気となる。しかし、それも長く続きはしない。沢形は次第に浅くなり傾斜も強まってくる。加えて、少しずつ藪に覆われるようになる。振り返ると、南西尾根996コブがようやく目線の高さとなる。Co1100P付近で水流が消失、源頭となる。そこから上は沢形はあるものの、見渡す限り笹斜面である。気が遠くなるといったら大袈裟だろうか‥。正直、そんな気持ちで笹藪に突入する。せいぜい胸丈程度の高さのそれを両手で掻き分け足場を確認して一歩踏み出す、延々とその作業を繰り返す。背後にはアポイ山群が遠望でき、麓の楽古林道も望むことが出来る。傾斜も増して笹藪の密度も濃くなってくると、フェルト底が頻繁にスリップしだす。両腕で笹を掴み攀じ登るシーンが続く。
鹿道に助けられ やがて笹藪にハイマツが混じりだし、藪漕ぎも一段と熾烈を極めるようになる。沢形が消えると前方にハイマツ帯が現れたので、それを避けるべくやや左寄りにルートをとる。早めに西尾根に上がる作戦である。果てしなき戦いにも終わりは来るもので、10時10分待望の西尾根1370P付近に出る。主稜線に連なる山々がいきなり現れるのは何度見ても感激モノである。だが、目指す十勝岳頂上は右奥でまだまだ遠く高い。ここからは尾根上を行くつもりだったが、ハイマツが濃くて疲労困憊の身には辛すぎる。上二股沢側の斜面は灌木の藪で少し下ると鹿道がある。それとて不明瞭だが、ハイ松漕ぎに比べれば天国だろう。鹿道が消えた付近から稜線に上がると、頂上までは指呼の距離となりそこには刈込みもああった。コイボクシュメナシュンベツ側からのルートとなっているのだろう。西尾根に上がった時は見えていた楽古岳も今はガスに包まれている。残念な気持ちを抱きつつ手前の偽ピークから三等三角点(点名:幌尻)のある本峰に辿りつく。
素晴らしい眺望 入渓ポイントから5時間30分は上出来の部類だろう。2008年7月、楽古川B沢以来の頂上である。北西の風が秋本番を感じさせる冷たさだが、主稜線北方向の素晴らしい眺望がそれをひと時忘れさせてくれる。トヨニ岳の奥に雄大なピリカヌプリ、その左に1839峰と神威岳、勝幌や札内岳も遠望できる。日高の大きさと長さ、深さと険しさを感じる瞬間である。およそ30分の頂上滞在の後、下山の途につく。ルートはオフミで使ったことのある北西面直登沢右沢にする。往路を20メートルほど戻り下降を開始する。灌木の藪漕ぎを終えるとガレた沢形が現れる。傾斜がきつく石も安定していないので直ぐに落石が起こる。遡行者でもいたら大変と頻繁にホイッスルを鳴らす。Co1170P付近で水流が現れ、足場はやや安定するが気は抜けない。1050三股まで降りると沢は開けて眩しいほどの日射しを浴びる。下流奥にはピラミダルなオムシャヌプリが凛として鎮座している。山肌はまだ緑に覆われているが、後2〜3週間もすれば錦絵のごとく変貌するに違いない。
気抜けない右沢 直ぐに3メートルほどの滝(F5)が現れ、ここはクライムダウンする。この滝、この沢唯一の難所という記憶があるが、その下も楽々とはいかなかった。10分も下りないうちに今度は滑が現れる。ペロリとしたそれで足がかりもないので、右岸左岸の草付を慎重に降りていく。中間部に滝(F4)を挟んで標高差は70〜80メートルもあっただろうか。Co860P付近からは滝が3個連続する。トイ状F3(10M)、角度の緩いトイ状F2(5M)、滑滝F1(5M)と続き中々飽きさせない。特に、F3は直線的で目を引く。左沢出合はケルンがなければ見逃す所だった。それほど水流が細く、奥の滝もほとんど涸滝状態だった。オフミの時も同じ状態で、ganさんがルートに疑問を呈したことを思い出す。釜付の可愛い滑滝を過ぎるとCo740二股で、沢はようやく平坦さを取り戻す。ここからはクールダウンのごとく河原歩きの予定だったが、沢は随分と荒れていた。今夏の集中豪雨のせいだろうか、流木や倒木の山と化していた。
難関の国道歩き 伏流部も以前よりは長くなったような感じで、ウリだった苔むした渓相もやや縮小したようだ。それでも、気が和む景観であることに変わりはない。オムシャヌプリ南コル沢出合付近の様子も変わったせいか左岸の踏跡を見逃してしまう。そのままスタスタ降りていくと踏跡に合流し、ほどなく荒廃した林道に出る。ヨレヨレになりながらも14時前に翠明橋公園に安着、ようやく沢装備を解く。たまたま、野塚岳ニオベツ川南面直登沢をやってきた女性と一緒になる。聞けば野塚も天気が良くて最高だったとか、その笑顔に充足感を感じたものである。そそくさと身体を洗いウエアを着替えた後、林道ゲートまで車の回収に向かう。およそ2.5キロの国道歩きだが、大型トラックが爆音を轟かせて行きかうその側を歩くのは勇気がいる。最後に来て最大の難所が待ち受けていたようなものである。車まで戻ると、側にもう一台車が止めてあった。魚影が濃かったので釣人かもしれない。それとも、沢遡行か‥。
笹藪漕ぎメイン さて、シロチノミ川の評価だが、明るく比較的綺麗な渓相で、現れる滝や滑も快適に越えていける。楽しい沢ではあるが、詰の笹藪漕ぎや尾根に上がってからの灌木漕ぎも結構消耗する。再訪する価値があるかどうかと問われれば、もう結構となる。難易度や楽しさにおいてはやはり楽古川B沢には遠く及ばないと思う。この沢は滝や滑の遡行よりも、源頭以降の笹藪漕ぎがメインである。従って、それが好きな向きにはお勧めの一本だ。ま、あまりいないと思うが‥(笑)。これで、十勝岳への残るルートはコイボクシュメナシュンベツ川南西面沢だけになった。等高線の混み具合や屈曲する沢筋からはかなり楽しめそうだがどうだろうか。ただ、こちらも笹藪やハイマツの手荒い歓迎を受けそうである。
■山行年月
2010.09.10(金)
■天気
晴時々曇
■同行者
単独
■山行形態
沢登り
■コース:往路/帰路
シロチノミ川南西面沢
上二股沢北西面沢右沢
入渓直後の沢風景 苔と白い流れ
F1 F2
F3 核心部の滑
F4 F5
F6 F6上流の滑
Co860二股 源頭付近から沢筋
アポイ山群遠望 濃密な笹藪
西尾根から十勝岳 上二股沢方向
赤ヘルと三角点 頂上から北望
上二股沢1050三股 沢からオムシャ
上二股沢F5 上二股沢F4
上二股沢の滑床 上二股沢F3
上二股沢F2 上二股沢F1
南コル沢出合付近 GPSトラック
コースタイム
忠類道の駅3時45分出発
地点分岐等 時間
林道ゲート 5:10
入渓点280P 5:20
Co520三股 6:40
Co860二股 7:55
西尾根1370P 10:10
十勝岳 10:50
所要時間 5:40
十勝岳 11:15
Co740二股 12:45
翠明橋公園 13:45
所要時間 2:30
自宅17時15分到着