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276.富良野岳(十勝連峰/1912.2M)
静寂の山旅は長い湿原歩きとガレ場の急登に耐え喧騒に包まれた頂上へ
新人くんの挑戦 充実の北大雪遠征から僅か中1日、今度は十勝連峰の富良野岳である。8月上旬に三峰山沢を遡行しその頂に立っているが、今回は登山仲間の浩市くんのリクエストで原始ケ原コースからの夏道登山である。距離9.5キロ、標高差1192メートル、十勝岳温泉コースと比べると難易度は高いが、若い浩市くんなら何とかなるだろうと決行する。勿論、私自身も初コースなのでそれなりのワクワク感は否定できない。国道38号線・西達布から麓郷へ抜け登山口に向かう。道路には要所要所に案内標識が設置されていて迷うことはない、と思っていたが見失ってしまった。だが、浩市くんはこの付近に土地勘があり、彼の指示でほとんどロスなく午前6時に登山口に着く。少し傾いているが広い登山口で、隅に管理棟があり、車が1台止まっているが登山者のものではなさそうだ。装備を整え6時20分スタートするが、入山帳を見る限り私達がトップのようだ。もっとも、日曜日とはいえ、そう何組も入山するとは考えにくく、この日も私達だけかもしれない。
滝コース閉鎖中 直ぐに「滝コース」分岐だが、落石と橋崩壊のため全面閉鎖とある。当初から林間コースと決めていたが、ガイドなどでは見所は滝コースの方が多いらしい。コースがオープンしたらいずれ訪れてみたいものだ。初めは布部川右岸を行くがあたりは広葉樹に覆われ、川の流れを目にすることはできず、音だけが聞こえてくる。雰囲気のある白樺並木を抜けると二の沢で「天使の泉」と命名された水場を左に見る。三の沢の沢筋に入っていくと、右足下に水の流れが樹間から見えてきて、ほどなく滝が現れる。「広原の滝」で、撮影アングルを考慮したと思われる位置に立派な看板があった。三の沢を渡渉するが登山靴を濡らすことはない。左手上流側は滑床で右は広原の滝の落ち口でロケーションはいい。ここからは森の中の急登で、アカエゾマツの巨木に癒されながら一汗かく。登りきると傾斜が嘘のようになくなり湿原・原始ケ原に出る。直進すると「五反沼」で、富良野岳へは左・北東方向に向かう。ここの分岐の標識は少し分かりずらいかもしれない。
湿原は羆も好き ここからは2キロに及ぶ湿原歩きが始まる。初秋の兆しを感じさせる草原が何処までも続く。ほぼ直線的なコースで、所々にコーステープが付けられている。ただ、視界のない時はやや間隔が空きすぎている。足元は湿原特有のジメジメ感があり、水溜りなどは適当に回避しながら先を行くが、登山靴が埋まってしまうシーンもある。長雨後などは長靴の方がいいだろう。そこかしこに踏跡もある。前富良野岳はかろうじて見えているが、目指す富良野岳は頂上部がガスに覆われている。それでもポカポカ陽気で望外の好天である。背後のトウヤウスベ山と大麓山に背中を押されながら淡々と歩く。6〜7月頃なら花々で賑うことだろう。途中で仕切りのようにアカエゾマツの林を通過するのも面白い。こういう所は羆も好きだろうと思っていたら、爪跡も鮮明な足跡を見る。前日か前々日のものだろうが、浩市くんには恐怖全開のようで、「私一人なら引き返す」とつぶやく。「人間の存在を彼等に知らせることが大事」と羆対策を少しレクチャーする。
ハイアマチュア Co1300P付近で湿原は切れ、コースは笹原へと入っていく。被っている所もあるが、概ね歩きやすい。Co1352Pからコースは北西から北東に変わり、この辺りから浅い沢形の中の一気の直登が始まる。心なしか浩市くんの足取りも重く、小休止の回数も多くなる。そんな時、気を和ませてくれるのはやはり花々で、沢中にコガネギクの群落を見る。それを前景に富良野岳を写し撮る浩市君。「広角レンズが欲しい」とポツリ。アングルにハイアマチュアのテクを感じる。灌木生える沢を抜け出すとガレの急登である。歩きやすいはずもなく、慣れない浩市くんの悪戦苦闘ぶりが伝わってくる。すでに、西側の前富良野岳の高さを越えていて、遠くに麓郷付近の田畑も望めるようになる。コースサインとなる鉄棒が現れ出すと、あたりにはガスが満ちてくる。Co1760P付近でガレ場を離れ、コースは左手のハイマツ斜面へと伸びる。浩市くんもホッと一息つく。傾斜はようやく緩みだすが、風が強くなり、左側・北西側のガスはいよいよ濃くなる。
山ガールの魅力 肩まで上がると傾斜はほとんどなくなり、頂上までは指呼の距離となる。視界があれば最高のフィニッシュなのだが、生憎それはない。コースが東からやや北に転じると背の高い山頂標識が見えてくる。今日は静かな山頂だろうなどと思いながら上がっていくと、そこは登山者で溢れかえっていた。静かなコースから来るとある種異様な空間である。「山ガール」なる言葉が生まれるのが納得出来るほど若い女性が多い。若い浩市くんにとっても嬉しい驚きだったようである。いつものようにラーメンとおにぎりのランチタイムでまったりする。次々と上がってくる登山者達、知り合いでもいそうな雰囲気だなあと思っていると、HYMLのABOさんとmasumiさんに出会う。挨拶し言葉を交わすが、理由もなく嬉しい気持ちになるから不思議なものだ。masumiさんとは狩勝山での山スキー以来の再会である。山頂標識に抱きついたり、登ったりして記念写真を撮る山ガール。おじさんには絶対真似できないパフォーマンスだが、こんな山頂風景もありかなと思う。
来季は山スキー 眺望も全く回復しないので12時30分に下山を開始する。山ガールに元気をもらったという浩市くんだが、ガレ場の下降は登り以上に苦しいようで、遅いペースが更にダウンする。彼を待つシーンが多くなるが、新人ゆえの試練と静観する。途中で後続の2人パーティにパスされるが焦りは禁物だ。何とか沢を抜け出し笹原まで降りるとペースはアップする。トウヤウスベ山と大麓山を視界におさめながら湿原を下るが、この付近は山スキーエリアでもあり、来シーズンあたりにはテント担いで訪れてみたいものだ。三の沢の渡渉ポイントでは先行していたパーティが休んでいた。私達もここで暫し少休止。浩市くんがカメラを構える。狙いは滑床で、スローシャッターで水の流れを白く表現したいらしい。ほぼ15分の撮影時間、どんな写真が撮れたのだろうか。いつか見せてもらいたいものだ。私は「広原の滝」を落ち口から偵察する。
浩市君は救世主 しかし、ここからの浩市くんの歩みは再びスローダウンする。足が上がらないのである。登山新人さんにはキツイコースだけに無理からぬこと。最後は彼のザックを私が強制的に取り上げ登山口に戻る。彼にとっても不本意だったに違いないが、称賛に値する頑張りを認めたうえでのサポートなので許してもらおう。下山後にもちょっとしたサプライズがあった。先に下山した前述のパーティの車が動かないというのだ。おそらく電気系統のトラブルと思われるが、携帯圏外でもあり、私の車で彼らを麓郷の市街地まで送る。私の車も年代物なのでいつどうなるか分からない。「情けは人のためならず」といった心境であった。それにしても、浩市くんが普通のペースで歩いていたら私達が先に下山していた訳で、そのことを考えると、彼等にとって浩市くんは正に救世主であった。ちなみに、この日の入山者は私達2パーティだけだった。
■山行年月
2010.08.29(日)
■天気
■同行者
浩市くん
■山行形態
夏道登山
■コース:往路/帰路
原始ケ原コース
コース概要図 コース標識
白樺林 天使の泉
広原の滝@ 広原の滝A
滝上流の滑床 原始ケ原分岐
湿原南望 湿原から富良野岳
羆の足跡 笹原のコース
撮影中の浩市君 ガレ場の急登
不明 イワギキョウ
山頂標識 GPSトラック
コースタイム
自宅午前3時15分出発
地点分岐等 時間
登山口 6:20
原始ケ原 7:45
Co1352P 9:05
富良野岳 11:25
所要時間 5:05
富良野岳 12:30
Co1352P 14:05
原始ケ原 15:10
登山口 16:20
所要時間 3:50
自宅19時45分到着