トップ  自己紹介  マイソアラ  登山トップ  ギャラリー  ブック  BBS 映画日記 リンク

マイソアラタウンはリンクフリーですが、予告なく閉鎖することがありますのでご了承下さい。

メッセージはこちらまで : uzzso9003@mirror.ocn.ne.jp

copyrigrt(c)2001〜2004 shun1@ikeda All rights reserved

269.黒岳(表大雪/1984M)
手こずるほどの難所はないものの源頭まで白く泡吹く水にはビビりました
初沢のドキドキ 大雪・黒岳は層雲峡温泉からロープウエイとリフトを乗り継げば容易に頂上に立ててしまう易しい山である。そのためか、私自身、この山狙いだけで上がったのは積雪期に夏道沿いに数回だけである。今回は、初心者向きのこの山に白水川を遡行して上がるというプランである。「北海道の山と谷」によれば、この沢のグレードは★1個で、こちらも初心者向きである。いずれ遡行しなければと思っていた沢だったが、その機会に恵まれなかった。幸運にも、前週1839峰をご一緒したOginoさんからお誘いを受けようやく実現したものである。小雨とガスに煙る十勝を脱し三国峠を越えると、ガスもきれて薄日も射す。やっぱり天気予報は当たるなあなんて思っていると、次第に雲が厚くなり層雲峡温泉街に着く頃には雨も降りだしてきた。コンビニでOginoさんと合流し、私の車を温泉の駐車場(屋根付無料)にデポ、準備を整え登山口に向かう。初沢特有のドキドキ感がたまらない。
マスクメロン滝 温泉街から旭川方面に2.5キロほど行った所の国道側に車を止め、石狩川に架かる「しらみずはし」を渡ってこの日の沢登りがスタートする。大河石狩川の中流域だけあって、流石に豊かな水量を誇っている。暫くはしっかりとした林道を歩く。勿論、車の通行も可能だが、残念なことに橋には鍵付きのゲートがかかっていた。ガスが立ち込め小雨も上がりそうにない。単独ならキャンセルのところだが、Oginoさんと一緒なのでその意思は全く湧いてこない。世間話などしながら白水川沿いの林道を淡々と歩く。3.5キロほどで「白水川3号橋」を渡り林道は左岸に移る。と、右からの支流に真新しい「白水川4号橋」が架かる。支流は落差10メートルほどの滑滝で流入し、通称「メロンの滝」というらしい。なるほど、仮面のようなマスクメロンである。林道は橋の少し先で荒廃してしまうので立派な橋を架けた意図が分からない。何かプランがあったのだろうが、緊縮財政の折、工事ストップとなったのだろう。橋から200メートルほど行くと砂防ダムがあり、その上流Co900付近から入渓する。
半端でない水量 白というよりは黄色く濁った水、赤茶けた石、微かな硫黄臭、そして、深く勢いのある流れ。悪天とも相まって険悪そうな雰囲気を醸し出している。普通なら、川中や川岸をジャブジャブという感じの流域だが、水量が多くて中はとても行けず、渡渉にも気を使うほどである。狭い河原林に逃げ込むとそこはイタドリのジャングルであったり灌木が四方八方に枝を伸ばしていたりする。思うようにペースは上がらないが、私達に焦りはない。下降に夏道プラスロープウエイを使えるからだ。Co1002Pの温泉マークは知らぬ間に通過していたが、水の濁りが消えないのが気になっていた。Oginoさんも同様の危惧を口にする。上で集中豪雨があったとも考えにくく、上流で崕崩れでもあったのだろうと推測する。いささか安易ではあったがこの読みは的中し、後刻、上流右岸から茶色の水が流れ込んでいるのを見る。時折、異様な暖気を感じるのはそこかしこに小さな温泉が出ているのだろう。
豪快に大滝出現 そんな会話を交わしている矢先、Co1100で足下にそれを見る。手で触ってみるが、思わず手を引くほどの熱さだったので50度近くはあったのかもしれない。温かさは心まで和ませてくれるが、30メートルほど上がった所で3〜4メートルの滝に出会う。水量が半端でないので近づく気も起きず、ここは左岸を巻く。Co1280二股は左だが、雪渓が現れ右股奥は20メートルほどの滝である。このあたり、雨はほとんど上がったが、ガスはいよいよ濃くなってくる。次第に沢を埋める雪渓上を慎重に上がっていく。亀裂が入っていたりするので、この時期、雪渓の処理には気を使う。遡行時間もそれによって大きく違ってくる。Co1350で沢が少しだけ右に曲がる。Oginoさんが「そろそろ大滝ですね」という。地形図Co1370Pの滝マークである。正面には途中に雪渓を抱く高さのある滝が架かっているがそれではなかった。左岸の岩壁を回り込むと正面に激しく水を落とす25メートル大滝がドーンと登場する。
滝上で天気好転 靄った中から突然現れるその現れ方といい、高さ・水量といい、圧倒的な迫力に「スゴイ!」を連発する私がいた。これほど豪快な滝を目にするのは久々である。ここは右岸を巻くが、取付付近がズルズルと滑り緊張する。Oginoさんのルートを慎重に辿り灌木帯まで上がりる。50メートルほど上がりトラバース気味に沢身に戻る。上は意外にも平坦でエゾノリュウキンカが花咲く楽園だった。折しも、厚かったガスが切れ薄日も射してきた。辿りし方向を振り返るとニセイカウシも青白い姿を見せてくれる。高巻きに要した時間はおよそ15分だった。滝上で劇的に好転した天気、予報通りとはいえ互いの顔に笑みがこぼれる。小休止の後、遡行を再開するが、とにかくここからは徹底的に開けた沢で解放感に浸りっぱなしとなる。埋め尽くす雪渓を越えていくと、かなり厚いそれが崩落するのに出くわす。恐怖が全身を包む。亀裂が走っていたが、そういうサインを見逃してはやはりいけない。
シャワー全身に 前方には凌雲岳から上川岳への稜線が展開し、左手は桂月岳の西面が迫ってくる。その中心を白水川が、文字通り白い帯がごとく流れる。「白水」とはこのことか、と思ったくらいである。ロケーションは最高なのだが、遡行する身には少し辛い。減らない水量と行く手を阻む巨岩、滝壺さながらの深み。左右の河原は濃いブッシュで逃げ込む訳にもいかず、止む無く階段状の流れの中を行く。この時期にしてはやや辛いシャワーを全身に浴びる。標高1700を過ぎてもの激流に半ば呆れつつ遡行していたせいだろうか、ストックを流してしまう。石に引っかかりOginoさんに回収してもらうことができたが、Oginoさんはこの日下流で1本流してしまっている。アッという間もなく流に消えたという。Oginoさんは1839峰でもストック下段紛失事件(笑)にあっていて、何やらストックご難が続いている。傾斜が緩むと沢は凌雲岳東面と桂月岳西面を分かつようになり、流れもようやく穏やかになる。
羆にも快適空間 Co1810二股は右をとると北鎮岳東面で、左は黒岳石室である。川岸の草原で大休止とする。ここまで5時間25分、さほど難しい所はなかったが、水量が多いというのは大きなプレッシャーで、結構消耗した感じである。凌雲岳の大きな雪渓を眺めながらまったりとした時間を過ごす。羆にとっても快適な場所らしく、雪渓には彼の糞が落ちていた。この時期にしてこれほどの雪渓、豊かな水量の正体見たりである。登山道を行きかう登山者のウエアがカラフルだ。東方向のピークには登山者の姿も見える。果たして何処のピークだろうか‥。適当に「北海岳」と言ってみるが、あんな近くに見えるはずがないと心の中で否定する。が、これが当たっていたことが後刻判明する。1時間のランチタイムでずぶ濡れのウエアもすっかり乾きヤレヤレだが、銀座コースの夏道下降を考えるとメットとハーネスは隠さねばならない(笑)。メットはザックに括りつけ、ハーネスはザックに無理やり押し込む。
奇異の目を誘う 雪渓を渡って黒岳石室をスルーし登山者でにぎわう夏道を黒岳に向かう。いくら気を使っても私達の出で立ちはやはり周囲の奇異の目を誘うらしい。それに耐えながら14時過ぎに黒岳頂上に上がる。この時間帯でも賑う山頂はロープウエイあればこそだろう。爽やかな夏空、北大雪の山並も一際スッキリと映る。朝陽山、小槍、大槍と続く稜線が目を引く。かって、夏道が開削されていたが、小槍付近は難所となったであろう。小槍下の稜線上Co1588Pにニセイノシキオマップ川から上がったことのあるOginoさんによると、薄らとそれらしい踏跡があるという。一方、名物の北鎮岳の「白鳥と千鳥」雪渓も鮮やかに浮かび上がる。山々に神を感じ、雪渓の形に田を耕す時期を知る‥。あくまで謙虚な農耕民族の姿を思い浮かべてしまう。30分ほど滞在し下山の途につく。木の階段があったり、石が露出する登山道は一段と抉れた印象である。沢靴のままの下降だが思ったよりも歩きやすい。
登らせてもらう 15時を過ぎているのにも空身で上がってくる人もかなりいる。子供も大人も、外人さんもいる。山の世界も自由化が進んだというべきか。ともあれ、お天気さえ良ければ特別の装備も必要とせず、90分ほどで頂上に立てるのだから嬉しい話である。そこで平地では味わえない喜びを感じてもらえればと思う。しかし、簡単に上がれてしまうということは大きな危険をも孕んでいる。これは自戒の念を込めてなのだが、「登らせてもらった」という謙虚な気持を忘れてはならないと思う。1時間少々で五合目まで降りて、後はロープウエイで楽をさせてもらう。下山後はお決まりの「黒岳の湯」で汗を流す。露天風呂から見上げる岩塔群と青空、沢行のエンディングとしてはこれ以上の贅沢はないだろう。1週間後は再び大雪の沢ポンクワウンナイを予定しているが、今度はツワモノ揃いのパーティ編成である。皆さんに迷惑をかけないように遡行したいものだが、V字沢なので雪渓の処理が正直怖い。
■山行年月
2010.07.25(日)
■天気
小雨後晴
■同行者
Oginoさん
■山行形態
沢登り
■コース:往路/帰路
白水沢
夏道・層雲峡コース
メロンの滝 Co950付近
Co1100P付近 Co1100付近の温泉
Co1130の小滝 Co1280二股
Co1340P付近 25M大滝
大滝と右岸ルンゼ 大滝上から北望
大滝上から上流 埋め尽くす雪渓
開いた雪渓 Co1680Pから下流
Co1700から源頭 Co1750付近の流
凌雲岳と源頭 Co1810二股付近@
緩やかな流れ Co1810二股付近A
桂月岳 凌雲岳東面の雪渓
二股から石室方向 凌雲岳
北鎮岳の雪渓 GPSトラック
コースタイム
自宅04時35分出発
地点分岐等 時間
しらみずはし 7:10
入渓点Co900P 8:10
Co1370P大滝下 10:25
Co1810二股 12:35
所要時間 5:25
Co1810二股 13:40
黒岳石室 13:55
黒岳 14:10
14:40
黒岳七合目 15:20
黒岳五合目 15:45
所要時間 2:05
自宅19時55分到着