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268.1839峰(中部日高/1842M)
岳友とともに再訪の1839峰は濃いガスに包まれていたが達成感は今季一番
【@コイカク沢出合→上二股→夏尾根頭→コイカク岳→ヤオロマップ岳(BC)】
一瞬逡巡するも 
7月第三週末は翌週月曜が「海の日」と続く3連休なので少し大きな山行をと考えていたが、天気が思わしくない。1年前のトムラウシ山大遭難事故の記憶も蘇り、無理が出来る状況ではない。さりとて、家にジッとしていることも出来ず、戸蔦別川八ノ沢出合あたりをBCに、沢遡行を2〜3本やろうかとプランを練っていたところにTorimotoさんから1839峰へのお誘いがかかる。1839峰には2002年9月に2泊3日で登頂しているが、今回は1泊2日とのこと。体力的な不安もあり、一瞬、逡巡するも、何とかなるだろうといつものアバウトさで同行させて頂くことにする。1839峰未踏のOginoさんも加わり、気心が知れたパーティ編成となる。Oginoさんは、当初2泊3日で大雪・十勝完全縦走を狙っていたらしい。中札内道の駅で合流し、一路コイカク沢出合へと向かう。出合の広場には先客の車が1台、丁度、その主達が出発をしていくところだった。人気ルートのわりには寂しげな登山口である。
こんなところで 先ずは、上二股までの川原歩きである。縦走装備プラス夏靴でザックがズシリと肩に食い込む。今回、テントは若い2人が分担して背負ってくれており、シュラフカバーを寝袋の代用にするなど、荷は軽いはずだが、昨年のヌピナイよりは重い感じがする。それでも、ほとんど平坦な川原歩きなのでそれほど苦にはならない。辛かったのは砂防ダムの右岸高巻きくらいで、少なめの水量とも相まって、出だしは快調なペースである。中間付近あたりで先行するパーティに追いつく。挨拶をしてビックリ!。HYMLのかすみ草さんと、先頭を歩くのはヤマウチさんではないか。TorimotoさんやOginoさんも旧知の仲らしく、互いに「こんなところで‥」と笑みがこぼれる。90分で上二股に到着、ここで沢装備を解き夏道登山スタイルに変身する。予定ではヤオロマップ岳BCなので、「ヤオロの水場」で水を確保するつもりだが、念のためにと3Lほど担ぐ。夏靴を履いた分、僅かに荷は軽くなったようだ。
演歌のテンポで 沢用具をナイロン袋に入れ木の枝に引っ掛ける。ヤマウチさんパーティの到着と入れ替わるように上二股を出発する。8年前は背丈のある笹藪を漕いだ記憶があるが、笹刈りも行われていて登山道はかなり明瞭となっている。1箇所、コースが南西から西に変わり傾斜が出る部分が判然としない程度である。トラバース気味に高度を上げ、尾根の背に乗ると名物「夏尾根の急登」が始まる。玉のような汗をかき息を切らしながら黙々と上がっていく。Co950付近になると傾斜はやや緩むがバテた身体が元に戻ることはない。数日前、NHK「ためしてガッテン」の中で、「膝の角度は110度が一番」とか「登山は演歌のテンポで」といったことが科学的根拠とともに紹介されていた。そんなことを思い出しながら足を運ぶ。尾根の下から何度も「オーイ!」との声が聞こえる。俺達忘れ物していないよね、と互いに装備を確かめる。Co1305Pで小休止の後、夏尾根頭に向けて登高を再開する。
自分の非力痛感 Co1400付近からはキツイ傾斜に加え、尾根も細くなり岩稜帯も現れる。落ちたら怪我だけでは済みそうもないので、重い荷で身体のバランスを崩さないように注意する。そんなこともあってかペースは一段と遅くなる。見るに見かねたのか、Torimotoさんから「何か背負いますよ」と声がかかる。共同装備を何一つ持たないのにこの体たらく、情けないとおもいつつも、好意に甘えることにする。TorimotoさんとOginoさんにそれぞれビール(500ML×2缶)を背負ってもらう。2人の助けを借りて上二股から4時間少々で尾根頭に飛び出す。見慣れた中部日高の稜線風景だが、急登に耐え目にするそれであり何度見ても感激モノである。北の1823峰やカムエクは頂上部をガスが覆うが、勝幌やエサオマンは展望出来るし、南側はヤオロマップや1839峰までほとんどスッキリ目にすることが出来る。コイカクシュサツナイ岳でランチタイムをとり、手強いハイマツとの格闘に備える。
一級国道に昇格 前回の経験から、コイカク〜ヤオロの窓間は濃いハイマツ帯で下りとはいえ相当消耗することが予想されたからである。ストックなど邪魔とザックに括りつけ勇躍リスタートを切る。が、登山道の様子は変わっていた。ハイマツは刈込まれ、身体をハイマツに預けて前進するなんていうシーンは全く出てこない。それが最も濃いCo1560Pとヤオロの窓の間もスンナリ通過する。いささか拍子抜けで、2003年に登頂したTorimotoさんも同様の変化を口にする。非力な私には有難い変化だが、日高の稜線に高速道路並みの登山道が出現してほしくないという思いもある。果たしてだれが枝払いしたのだろうか‥。どこぞの山岳会とも考えられず、Oginoさんの、ツアー関係者によるものという推理が妥当性を帯びてくる。ハイマツ痣が出来そうな枝はほとんど切られていた。ただ、テン場に関しては変化がなく、私が2日目に泊ったCo1560コルは1張だし、ヤオロの窓のそれも2張のままだった。
久々ブロッケン Co1752Pまで上がってしまうともう難所はない。振り返るとコイカクを降りてくるヤマウチさんパーティの姿が見える。彼等は2泊3日のプランで、BCはヤオロの窓なのでもうすぐ着くだろう。ヤオロマップ岳までは多少アップダウンはあるものの、基本的には稜線散歩の世界である。但し、細いところが1箇所あり、風が強い時などは注意が必要である。15時過ぎに二等三角点設置のヤオロマップ岳に到着する。久々のブロッケンが私達を迎えてくれる。とりあえずは、水容器だけを持ってヤオロマップ左沢源頭へ降りる。直下に私が強風を凌いでテントを張った小さなサイトが以前のままあった。懐かしさがこみ上げる。20分ほど下がるという情報を得ていたが、15分ほど(高度にして80メートル)下った所に湧水を見る。それはポタポタと絶えることなく続いている。コップですくい一口飲む。冷たくて美味い!。これほどの高地で水を得られることに感謝しつつ2Lほど汲む。
テント内から39 この貴重な水で歯磨きする人もいて顰蹙を買っておりました(笑)。中々良い絵ではありましたけれど‥。20分弱でヤオロまで登り返し、テン場に向かう。それは1839峰寄りに3分行ったところにあり、一段下がった平坦地で西風は凌げるし、テント内から1839峰が見られるという絶好のロケーションである。時間の経過とともに南北のガスが薄くなり、カムエクが見えてくる。主稜線の盟主に相応しい雄大さであり、長大な南西稜も目を引く。一方、南は1599峰からルベツネ、ペテガリ、神威、ピリカヌプリあたりまで遠望できる。所々にガスを抱き幻想的な雰囲気を醸し出しているが、主稜線上を歩くとなれば過酷な山域となるだろう。カレーとビールで夕食をとりながら山や仕事の話で盛り上がる。20時過ぎにシュラフカバーに潜り込むが、1839峰の上に出ていた月が印象的だった。
【ABC→1839峰→BC→コイカク岳→夏尾根頭→上二股→コイカク沢出合】
濃いガスに風雨 風と時折テントを叩く雨音で熟睡しないまま朝を迎えるが、Oginoさんに「4時過ぎましたよ」と言われなければまだシュラフの中だっただろう。この日は1839峰をピストンして下山しなければならない訳で、早立ちのスピード勝負なのだ。それが4時起きとは‥。速攻で朝食をとりサブザックに荷を移す。レインウエア上下を着込みBCを出たのが5時15分。BC撤収・下山開始を11時に設定してのタイムリミット付の山行である。濃いガスと風、そして雨に打たれながらひたすら支稜を歩く。南斜面はサッシビチャリ沢川源頭だが、所々がお花畑となり気を和ませてくれる。Co1781JPで南から西に進路が変わる。急斜面を一気に100メートルほど下る。登山天気を見て最も気になっていたのは風で、予報では10m/秒を超えていた。予想気温は13度程度で、体感的には2〜3度となる計算である。冬用の帽子と手袋を用意したくらいだが、風は生暖かくレインウエアの下はTシャツ1枚でOKだった。
視界は回復せず 主稜線の登山道と比較すると灌木に覆われ、時には岩登りや木登りといったシーンもあるが、こちらも刈込が入っていて、前回よりは格段に歩きやすくなっていた。そのせいもあるのだろう。1時間で吊尾根中間点のCo1702コブまで到達する。状況によっては途中撤退も視野に入れていたが、少なくともタイムプラン上の問題はなさそうである。小休止の後、手足を総動員した登行を再開する。一旦下りダラダラ登り返すと前峰で、本来ならここから1839峰の雄姿を目の当たりにすることが出来るはずなのだが、ガスは依然として濃く視界はせいぜい20メートルくらいだろうか。コルまで30メートルほど下り、少し行くと見覚えのある岩壁が現れる。以前はここにロープがぶら下がっていたが今はない。灌木やハイマツの枝を掴んで身体を持ち上げる。ここを上がると後は緩やかな登りがピークまで続くだけ。ハイマツの刈込道を抜け出すとやさしい草原に高山植物が咲き乱れる頂上である。
コーラで登頂祝 勿論、初登頂となるOginoさんに先に上がってもらう。BCから2時間5分は予想を上回るペースで、スタートの遅れをとり返したことになる。山頂には石が数個積まれているだけで、標識も何もない殺風景なそれである。8年前は山名の刻まれた木製札が2枚土の上に無造作に置かれていたが、おそらく風で飛ばされたのだろう。晴天時なら北に1823峰とその奥にカムエク‥。その光景をイメージしながら頂いたコーラを流し込む。炭酸と甘みが何ともいえず美味しい。視界は得られずとも、ずぶ濡れになりながら登頂した山行として深く心に刻まれるに違いない。およそ15分の滞在の後、帰路に着く。前峰付近で前述のヤマウチさんパーティと行き違うが、その数は3人に減っていた。悪条件で途中から2人が引き返したという。ここまできての途中撤退はさぞ無念だろうが、個々のそういう判断がパーティ全体を救うことになる。山岳事故の原因や形態は様々あるが、登山者自身が置かれている状況を把握し・次善の策を講じることで大方の事故は回避出来るのだと思う。実際には難しいことだが、常にこのことを意識したいものである。
危険ゾーン脱出 BCに戻ったのが9時25分で、雨中をついてテントを撤収。9時50分にはテン場を後にする。主稜線に出ると幾分西風が強くなるが、所謂、突風はないので身体のバランスはとりやすい。ラクダの背のような起伏に耐え、Co1752Pからヤオロの窓に降りると、テントとツェルトが1張ずつ。Oginoさんが声をかけると中からヤマウチさんとかすみ草さんが顔を出す。彼等も下降気味の天気を気にしており、39組の帰着時間によっては今日中の下山もしくはBCの移動を考えているようだ。条件が悪い時にどう適切な判断を下すのか、リーダーの真価が問われるが、経験豊富なヤマウチさんなら誤りは犯さないだろう。Co1560コルから160メートルの登り返しは辛かった。何度も小休止をとりながらなんとかコイカクに上がり、12時過ぎに夏尾根頭に到着する。暑さバテがない分、スピードアップが図られたようだ。ここまで下がればデンジャラスゾーンはほぼ脱したも同じで、緊張の糸をやや緩める。
上二股まで夏靴 夏尾根は無風かと思いきや、主稜線上と変わらぬ強風で、それに煽られないように慎重に細い岩稜帯を下る。眼下の上二股付近は晴れているようで上とは大違いである。Co1305Pで大休止。ラーメンを流し込むが、お腹が満たされると心までもが満たされる。少しシャリバテ気味だったのかもしれない。Co1305Pを出る頃には雨も上がり、15時前に上二股に降り立つことが出来た。再び沢装備になり川原歩きが始まる。往路では気がつかなかった巻道がいたるところに出来ている。登山靴を僅かに濡らす程度で上二股まで行けてしまうのではないか、ふとそんな印象すら抱いてしまうほどだ。心なしかコースサインも増えたような気がする。最後の試練はやはり砂防ダムの右岸高巻きで、僅かな登りなのに息が上がっていた。ピラトコミ山東面沢が左から流入してくると山旅もエンディングが近い。蕗原と化した造材道を上がると登山口で、予定の17時を5分ほど回っていた。「お疲れさまでした」と、互いの労をねぎらう言葉にも満足感が感じられる。
次回こそギブを 私自身、冒頭に記載したように不安があったことは事実である。だが、TorimotoさんとOginoさんという強者にサポートされて2日間21時間に及ぶ山行に耐えることが出来た。2人に感謝したい。何より有難かったのは、私のペースで歩かせてもらったことで、これとて彼らの配慮であろう。仲間に恵まれるというのはこういうことを指すのだと思う。残念ながら、今回は「ギブアンドテイク」のギブの部分が欠けていた。次回はそれを補えるような力をつけたいものである。もっとも、年齢的なこともあり体力的な上積みは期待できないが、軽量化やパッキングの工夫等で私自身が余力を持つことで補完できるのではないかと思う。ともあれ、2日目こそ悪天に見舞われたものの、それもまたいい思い出で、心は達成感で満たされていたことは言うまでもない。
帰路、忠類道の駅「ナウマン温泉」で汗を流すが、脚にはそれなりにハイマツ痣ができている。日高登山の証で少しだけ誇らしげな気持ちになる。補足すると、ダニにも横腹を食われました(笑)。
★1839峰に登頂した2日目(18日)はOginoさんの○○回目の誕生日だった。本人も忘れていたらしく、奥様からのメールで思い出したようだ。誕生日に日高の奥深い鋭鋒に登るとは、偶然にしては出来過ぎた印象である。やはり、彼は生粋の山男であり、何より山に愛されているに違いない。オメデトウ!

☆Torimotoさんのブログはこちらです→
http://blogs.yahoo.co.jp/esuke_t
■山行年月
2010.07.17(土)
   07.18(日)
■天気
17日/晴、18日/雨後曇
■同行者
Torimotoさん
Oginoさん
■山行形態
沢歩行・夏道登山
■コース:往路/帰路
コイカク岳夏尾根
コースタイム(1日目)
自宅午前4時00分出発
地点分岐等 時間
コイカク沢出合 5:40
上二股 7:10
7:50
Co1305P 10:00
10:20
夏尾根頭 12:00
コイカク岳 12:15
12:40
ヤオロの窓 13:20
ヤオロマップ岳 15:05
所要時間 9:25
易しいコイカク沢 涼しげな砂防ダム
上流の函 上二股の笹道
ピラトコミ山 夏尾根から上二股
夏尾根頭方向 尾根頭から1839峰
コイカク岳 北大ケルンと1839
夏尾根頭 ヤオロマップ遠望
変貌した登山道 コイカクとOgiさん
Co1560のテン場 ヤオロの窓
近づくヤオロ ヤオロ左沢源頭
ナナシ沢源頭 ヤオロ北の細尾根
ヤオロ岳三角点 主稜線北望
ブロッケン ヤオロの水場
水確保中のToさん ヤオロ直下のテン場
テン場と1839峰 稜線南望@
稜線南望A 1823峰とカムエク
1839峰 支稜南面の花畑
1839峰頂上風景 GPSトラック
ミヤマキンバイ ハイオトギリ
チングルマ マルバシモツケ
イワブクロ エゾツツジ
コースタイム(2日目)
地点分岐等 時間
BC 5:15
Co1702P 6:15
1839峰 7:20
7:35
Co1702P 8:15
BC 9:25
所要時間 4:10
BC 9:50
ヤオロの窓 10:50
コイカク岳 12:05
夏尾根頭 12:15
Co1305P 13:10
13:50
上二股 14:50
15:20
コイカク沢出合 17:05
所要時間 7:15
自宅午後08時30分到着