トップ  自己紹介  マイソアラ  登山トップ  ギャラリー  ブック  BBS 映画日記 リンク

マイソアラタウンはリンクフリーですが、予告なく閉鎖することがありますのでご了承下さい。

メッセージはこちらまで : uzzso9003@mirror.ocn.ne.jp

copyrigrt(c)2001〜2004 shun1@ikeda All rights reserved

266.雌阿寒岳(阿寒山域/1499M)
ステップアップ登山のAKIさんは余裕たっぷり見せつつも下りは少々苦手です
雷とゲリラ豪雨 このところ同じ山を何度も登る機会が多い。勿論、同じ山であっても全く同じ条件などと言うことはない。コースが違ったり、季節によって山の様子は違うし気象条件も異なる。パーティ構成も然りである。そもそも、私自身の体調や気分も違う訳で、登るたびに新たな発見に出会うこともある。今回の山行ではどんな発見があるのだろうか。6月末の剣山山行の後、それまで続いた好天がまるで梅雨空のごとく一転してしまう。悪質なのは不安定な大気で、雷やゲリラ豪雨が頻発しており、ようやくシーズンインした沢行もキャンセルの憂き目となってしまう。気候異変の予兆でなければいいのだが‥。前置きが長くなったが、今回の山行も今年5月の山岳会山行に引き続いての雌阿寒岳。山新人さんのAKIさんを従えての引率登山である。彼女は昨年7月に白雲山・天望山山行で登山デビューしていて、雌阿寒岳が1年振り二座目。セオリー通りのステップアップ山行である。
前日ギックリ腰 この日の天気予報は曇だが、比較的安定していて薄日も射すとのこと。天気の心配から解放されるだけでも儲けものである。平日なので静かな登山を楽しめると、期待しつつ登山口の野中温泉へ向かう。が、駐車場へ着いてみてビックリ。一般の登山客に加え、大型バスで駆けつけたツアーの一団もいて喧騒を見せているではないか。まあ、これも百名山効果ということで受認するしかないのだろう。それよりも、前日ギックリ腰を発症してしまい、そちらを心配しつつ準備を整え歩き始める。登山口のポストに殴り書きしてアカエゾマツの森に踏み入る。少しヒンヤリとして意識せずとも清々しい気持ちになる。腰のこともあり、ゆっくり目のペースで歩くが、他の登山者との比較では速いらしく次々とパスしていく。ほとんどが中高年で、リタイア後に夫婦で登山といった雰囲気のパーティが多い。小沢の左岸の急斜面を地を這う木の根を頼りに上がっていく。例によって汗が噴き出してくる。登山道が小沢の左岸から右岸に変わると先行していたツアーの一団に追いつく。
流石アスリート 森の中は優しい下草が僅かに生えているだけなのでうっかりすると登山道を外れてしまいそうになる。彼らが休憩を入れてくれたお陰で難なく前に出ることができた。AKIさんの足取りも軽く、時にはジョークも飛び出すほどだ。各地のロードレースにも参戦するほどのアスリートだけに雌阿寒岳くらいでは物足りないのかもしれないが、どの世界でも手順を踏むというのは重要だ。上から鈴とともに早立ちの登山者が降りてくる。果たして眺望は得ることが出来たのだろうか‥。3合目の標識を左に見るとほどなく森林限界で植生はハイマツ帯に変わる。日射しを遮るものもなく、無風で高い湿度とくれば体内温度は一気に高まる。北西斜面をトラバース気味にハイマツの廊下を進む。所々にさながら白骨と化した樹木が現れるが、これも火山活動と関係があるのだろうか‥。沢を横断するあたりが地形図999標高点で、5月には残雪で埋まっていたが今はない。4合目の少し上で小休止を入れる。
グラデーション 手製の蜂蜜レモン水を流し込むが、頬を撫でるような微風が心地良い。AKIさんのザックから出る沢山の食べ物に思わず笑ってしまう。これなら遭難しても2〜3日は持つかもしれない。6合目あたりを過ぎると次第にハイマツの廊下は姿を消し、岩場やガレ場の急登となる。右奥には緑から青へのグラデーションのごとく水を湛えるオンネトー湖が独特の存在感を発揮している。更に右に目を転じると樹林帯を切り裂くように国道が直線的に伸び、野中温泉の赤い屋根も望むことが出来る。一方、左奥には薄いガスの中にフップシ岳である。右足元に突き上げる沢形を見ると7合目付近で、沢には地震観測計が設置され、装置の動力源となるソーラーパネルが巨岩に取り付けられている。登山道側を走るケーブルといい、雌阿寒岳が活火山であるという現実を突きつけられた感じである。ふと、下方に目をやると前述のツアーの一団の姿が沢付近に見てとれる。甲高い女性達の声が聞こえてくる。
女性の対応能力 辟易ものではあるのだが、他人と容易にコミを図り、積極的に登山を楽しもうというアクティブさには驚くばかりである。単に「元気だ」などといって一蹴出来ない強さが感じられる。男達には到底真似できない対応力というべきだろう。8合目を過ぎると再びガレ場の急登が始まる。遠くに見える9合目標識を指さしながらAKIさんにルートを示す。左手の大きな岩壁と今にも転がり落ちそうな岩石斜面、体力的にも精神的にも最も辛いところだが、AKIさんを励ましながらそこを登りきる。登山道を少し外れるとそこはもう火口壁で、足下に大きく抉れた頂上火口が広がり、濁黄色の赤沼と白煙上げる噴気孔が目に飛び込んでくる。AKIさんに「縁まで近づかないで!」と声をかける。自分では何とも思わないが、人がそうするのを見ると危なっかしくてつい声をかけてしまう。ましてや、弟子ともなれば尚更である(笑)。小休止の後、火口壁を時計回りに上がっていく。
アルペンチック 左手には剣ヶ峰や噴煙とガスに煙る阿寒湖がぼんやりと見えてくる。右手ルンゼのCSを横目で見ながら一登りするとそこは待望の頂上だった。登山口をスタートして2時間後の登頂。タイムプランより30分以上早いにも拘らず、余裕さえ見せるAKIさんはやはり健脚である。頂上は日射しもなく風もあるので肌寒い。アウター(上)を着込み少し下がった岩陰でランチタイム。いつものメニューで1時間まったりする。遅れて到着したツアーの一団が加わると頂上は大賑わい。エーデルワイスを奏でる女性もいて何となくアルペンチックな山頂光景となる。それにしても、ピークでの楽しみ方は人それぞれである。下山ルートも野中温泉コース。往路を慎重に下るが、登りでは全く弱点を見せなかったAKIさんが遅れがちになる。特に、9合目から8合目あたりの岩場では足の運びがぎこちない。本人も不安を口にするので、下降時における身体の動きについて先生然としてレクチャーする。
豊かな阿寒の森 ところが、教える先生の方がスリップする始末で「これは悪い例」などと言い訳にならない言い訳をする。それでも生徒の飲み込みは速く、以降、顕著に遅れることはなくなる。淡々とした下降だったが、3合目を過ぎアカエゾマツの森に入って間もなく、色鮮やかな苔を目にする。豊かな阿寒の森を象徴するかのようで暫し魅入ってしまった。樹林帯の急斜面を下りきると前方が明るく開けてくる。輝くアスファルト道路が視界に入ってくると登山口で、入山帳に下山時刻を記入し、無事に引率登山を終える。今回の山行、AKIさんは下りで少し苦戦したものの、全体としては余裕ある動きを見せてくれた。体力的には中級のレベルにあると言ってよく、次回の山行はより難易度の高い山にチャレンジすることになるだろう。どの山にするか、先生としても頭を悩ます日が続きそうである。
■山行年月
2010.07.09(金)
■天気
曇一時晴
■同行者
AKIさん
■山行形態
夏道登山
■コース:往路/帰路
野中温泉コース
登山ポスト 地震観測施設
一合目付近 アカエゾマツの森
エゾルリソウ ハイマツの廊下
オンネトー湖 巨岩のソーラーP
8合目上の岩場 9合目付近
9合目から頂上方向 ルンゼのCS
濁黄色の赤沼 阿寒湖方向
台座風山頂標識 メアカンフスマ
メアカンキンバイ ゴゼンタチバナ
白骨化した樹木 色鮮やかな苔
露出する木の根 GPSトラック
コースタイム
自宅06時20分出発
地点分岐等 時間
登山口 8:20
森林限界 8:50
七合目 9:40
雌阿寒岳 10:20
所要時間 2:00
雌阿寒岳 11:20
七合目 11:40
森林限界 12:20
登山口 12:45
所要時間 1:25
自宅15時30分到着