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263.芦別岳(夕張山地/1726.1M)
ロングコース第三弾はアルペン雰囲気タップリの旧道から新道を一回り
快挙ダシに登山 夕張岳金山コース、十勝岳新得コースに引き続くロングコース第三弾は夕張山地の主峰芦別岳の旧道コース。実はこの山行には訳がある。今春、岳友のOginoさんが増毛山魁の1000メートル以上9座を2泊3日で踏破するという偉業を成し遂げた。彼の快挙をただスルーするのは山仲間ではないとお祝い山行を企画する。が、実態はそれを口実にしたキャンプ&登山で、プランニングも彼自身というお任せコースである(笑)。私の呼びかけに賛同してくれたTorimotoさん、Yokoさんを加えた4名が登山基地となる「太陽の里」に前日集合する。整備がいきとどいたキャンプサイトで、無料というのは驚きだし、ゴミまで受け入れてくれるのだから至れり尽くせりである(分別回収)。おまけに、西奥には屏風岩や芦別ピークを望むことも出来てロケーションも抜群である。七輪で鳥を焼きビールをいただく。懐かしい風情を楽しみながらの会話は自然と弾む。翌日、登山を控えているとは思えないほどの盛り上がりでテントに潜り込んだのは23時近くになっていた。悲しいかな一部、記憶喪失も‥。
緊張する高巻き 当日、二日酔い気味の身体に鞭打ち(私だけかも‥)、朝食を摂りテントを撤収する。新道登山口に車を1台デポし、旧道登山口に向かう。先客の車が1台あるが、入山帳には既に数パーティの名が記入されている。旧道コースには想定外の登山者が入山しているようだ。5時20分、体調を確かめるようにややスローでスタートを切る。青い空と強い日射し、風もないので最初からTシャツ一枚だが、それでも直ぐに汗が‥。ユーフレ川左岸の登山道は何度歩いても好きになれない。旧道分岐まで僅か2キロほどだが、高巻きにはいつも消耗させられ緊張も強いられる。救いは涼しげな流れを左に見ながら歩けることくらいだろうか。右側から流入する夫婦沢は石伝いに渡る。直ぐ下流に架かる丸太橋はいかにも滑りそうで、あれを利用する人がいるのだろうかと思ってしまう。ユーフレ川の迫力あるゴルジュ滝を左に見て鉄梯子を上がるとユーフレ小屋分岐だが、ここは夫婦沢右岸の旧道に入る。
未体験ゾーンへ 私達が小休止していると、年配のご夫婦が上がってくるがいかにも山慣れした感じでサクサクと私達をパスしていく。だが、御主人は山泊でもしそうなほどの重装備だ。以後、相前後しての登行となるが、重装備の理由が判明するのは北尾根に上がるまで待たねばならない。旧道コースの経験があるのは私だけで、他の3人は未体験ゾーンである。私とてもう9年前のこと、微かな記憶を手繰り寄せながら先頭を行く。槙柏山の鋭い山容を右側に見ながら茹だるような暑さの中を上がっていくと、夫婦沢にも雪渓が現れエゾノリュウキンカの黄色が鮮やかに目に映る。ソロソロかなと思って左上に目をやると2本の岩峰が見えてくる。以前来た時はガスって全く目にすることは出来なかった夫婦岩である。小屋分岐から70分ほどで夫婦岩分岐に着く。意外といい感じのペースで、二日酔いも完全に抜けたようだ。このあたり傾斜もやや緩み、登山道側には小ぶりながら様々な花々が咲き乱れている。
皮下脂肪が厚い 少し行くと夫婦岩が全容を現すが、ある種異様な岩塔というべきで、造山活動の不思議を痛感する。それにしても、ほぼ垂直の壁を上がるクライマー達の勇気には敬服するばかりである。傾斜が再び強まるが、そこをクリアすると前方が開けてくる。道端で小休止している登山者達に挨拶をして一登りすると待望の北尾根だ。涼風を期待したがほとんど無風でガッカリ。それでも前方に雪渓があり、そこを通過中のパーティの姿がある。雪渓まで上がり休憩するが、辺りに漂うヒンヤリ感は水数配分の効果があるに違いない。それぞれがレジャーシートなどを出して雪面に敷き、その上にゴロリ。これが何とも冷たくて気持ちいい。冷たさに耐えきれないくらいである。最初に悲鳴を上げたのはYokoさんで、皮下脂肪が厚いと冷たさに耐えられるとかどうとか‥、訳のわからぬ理論がメンバーの笑いを誘う。ちなみに、最も耐えたのはOginoさんで、妙に納得でありました(笑)。
西奥にあの崕山 ここで前述したご夫婦が到着する。御主人は流石にバテ気味だが、聞けば2週間近い南アルプス縦走を計画しており、重装備はその訓練だという。疑問は解けたが、対照的なのは奥さんの軽装で、ご主人には大いに同情したものである。登行を再開する頃になると、夫婦岩付近がら北尾根にかけてガスに包まれ出す。やはり天気は悪化傾向にあるようだ。北尾根からの槍を見たいという一心で北尾根最大の150メートルほどの急登に何とか耐える。少し靄った感じではあるが、北側から西側にかけては概ね視界を得ることが出来る。西奥に岩肌が荒々しい崕山が見えるが、広範囲の地形図を持ち合わせていないので、アバウトな山座固定にならざるを得ない。北側には北の峰や富良野西岳から御茶々岳あたりまでのピーク群が並び、やや西に中天狗など1200から1300メートルクラスの山である。そして、前方右には中岳と手前に連なる幾つかのコブがガスの中から浮かび上がる。
芦別登場に歓声 Co1457Pの手前辺りで10人ほどの学生パーティをパスする。私達より75分ほど早く登山口を出ており、かなりスローペースのようだ。Co1457Pからは一旦高度を下げ、登山道は残雪に覆われる。先行する単独者をパスすると、いよいよ私達がこの日の先頭パーティとなる。雪渓をキックステップで上がる。一瞬ルートロスするが、地形図やGPSの指示を踏まえおおよそのあたりをつけて進むと登山道に出会う。旧道全体で戸惑う部分はここだけである。ここを上がりきると傾斜が緩み、前方に目指す芦別岳のピラミダルな山容が視界に入ってくる。4人の口から期せずして歓声が上がる。ガスっていたので眺望には不安があったが、薄いガスに僅かに覆われている程度でその凄みは充分に伝わってくる。そして、ピークに近づきつつあることも実感する。だが、Co1579Pへの急登に耐えたはいいが、直ぐにまた50メートルほど下がる。これでもかというほどのアップダウンが繰り返される。
精神論説く師匠 思わず弱音を吐くYokoさんだが、師匠のOginoさんが言葉巧みに元気づける。客観状況に変化はないが、心の持ちよう一つで苦痛の度合は変化するらしい。極めて精神論的ではあるが、それもまたありかなあと思う。立ちはだかる壁を上がると、今度は北尾根名物キレットが登場する。それは直線的に続くというのではなく、蛇行しながら起伏を伴って断続的に現れる。恐怖で足が竦むというほどではないが、ガスの中から現れる奇怪な岩塔群なども相まって気持ちのいいものではない。風があったりするとより慎重な行動が求められることになる。いわんや、ブッシュ類が全て雪の下となる積雪期の通過など、想像するだけでも恐怖である。だが、登山道はエゾノツガザクラやチングルマで賑わい、左足元から稜線に突き上げる沢源頭はお花畑が多く、シラネアオイとかキンバイソウが小規模な群生している。「ヤオロの窓」みたいな所もあり危険ゾーンではあるが、反面、気が和むシーンも続く。
尻滑りで本谷へ 遥か遠くに見えていたピークが次第に近づいてくると、左足下には見慣れた本谷源頭で、Torimotoさんは5月末にここを上がったばかりである。それにしても、横から見るとその傾斜は絶壁である。「よくもこんなところを‥」と思わずにはいられない。ユーフレ本谷の先に目をやると麓・山部の田園風景がのどかに広がる。傾斜が緩むと目の前には芦別岳のピークがドーンと迫ってくる。頂上手前のピーク東斜面に開削された登山道を進んでいくとお花畑の鞍部だが、ここにはまだ残雪があった。ピークを見上げると登山者の姿がある。一気に登頂とも思ったがここで小休止して暫しクールダウン。OginoさんとYokoさんはシートをお尻に敷いて滑りを楽しむ。少し方向を間違うと本谷へ真っ逆さまで、数百メートルの滑落となる。Torimotoさんと私は心配するやら爆笑するやらで大忙しの時間となる。気合を入れなおした後は、いよいよ頂上アタックである。私の経験上、ここは大変そうで意外とあっけなく上がれるとの印象があったので、Yokoさんに「15分で上がれますよ」と。
山頂賑す旧道組 直下の淡青色のエゾルリソウに元気をもらいながらジグを切って重い身体を引きずり上げる。Yokoさんに初登頂の栄誉を譲り、12時過ぎ、無人の頂上に立つ。登山口をスタートして6時間45分、旧道の長さを思い知らされた瞬間だった。南隣のポントナシベツ岳や新道コース沿いの雲峰山、半面山、屏風岩といった小ピーク群が新たに視界に加わるが、]ルンゼを含めこちらは見慣れた光景というべきか。ランチを頂いていると、旧道コースからの登山者が次々と登頂を果たす。新道コースから上がってくる人もいて、芦別の頂上がこれほど賑わいを見せたのは初めてである。狭い頂上、長居は無用とばかりに下山を開始したのが13時。直下の残雪をグリセード紛いで滑り降りる。傾斜があるため方向を誤るとヤバイことになるので、ここで尻滑りは厳禁である。雲峰山から見ると、芦別岳は北尾根からのアルペン的雰囲気は姿を消し、どっしりとした岩山然と変貌する。
試練忍耐の新道 槙柏山と夫婦岩を彫分かつ夫婦沢から起伏ある北尾根をグッと見渡す。その長大さに納得する。雲峰山から半面山直下「熊の沼」まで続く残雪帯は絶好の尻滑りエリアである。緩やかに見えた傾斜だが、加速は強烈でコントロールするのが難しいくらいである。童心にかえって奇声を上げ続ける(笑)。だが、降りきった所に昭和31年発生の旭商生事故の慰霊碑が建立されている。登山は楽しいものではあるが、常に死と向き合った活動であることも思い出させてくれる。若すぎる命、何とも痛ましい(合掌)。半面山からは変化のない淡々とした下降が続く。登山道には石が転がり膝には辛いシーンだがここは忍耐あるのみ。やがて、登山道から石が消え周囲は針葉樹の林に変わってくる。十勝連峰の方から雷音がするが、ここに至っては全く気にならない。眼下に「太陽の里」の赤色の屋根や四角い貯水池が見えだしてくると新道登山口は近い。暗かった林に前方から光が差し込み、ほどなく、アスファルトが眩しく輝く。3時35分、無事に下山を完了、10時間に及ぶ山旅のエンディングである。
★「太陽の里」に並んだのはテント3張りとツェルト1張り。Torimotoさんが、訓練を兼ねてツェルトをチョイスしたのだった。いつもザックに忍ばせていくが、テント代わりに使用したことはない。ビヴァーク時の使用は勿論だが、その有効活用を図ることで軽量・快適な山泊縦走も可能となるだろう。私も家の庭あたりで訓練ツェルト泊してみようかなあ〜。

☆Torimotoさんのブログはこちらです→http://blogs.yahoo.co.jp/esuke_t
■山行年月
2010.06.20(日)
■天気
晴後曇
■同行者
Torimotoさん
Oginoさん、Yokoさん
■山行形態
夏道登山
■コース:往路/帰路
旧道コース
新道コース
ゴルジュ滝 激流
夫婦沢 タチツボスミレ
夫婦沢の雪渓 エゾノリュウキンカ
夫婦沢から夫婦岩 北尾根から夫婦岩
北尾根1457P 中岳方面
崕山方面 ツバメオモト
ピラミッド遠望 カラマツソウ
キレット付近 迫る芦別岳頂上
チングルマ イワウメ
シラネアオイ 鞍部から芦別岳
エゾルリソウ メアカンキンバイ
ポントナシベツ岳 頂上
Bルンゼの雪崩跡 雲峰山から芦別岳
]ルンゼ ムラサキヤシオ
エゾアジサイ? GPSトラック
コースタイム
前日太陽の里テント泊
地点分岐等 時間
旧道登山口 5:20
ユーフレ小屋分岐 6:35
北尾根 8:35
Co1457P 10:00
Co1579P 10:50
芦別岳 12:05
所要時間 6:45
芦別岳 13:00
半面山 14:00
覚太郎分岐 14:30
新道登山口 15:35
所要時間 2:35
自宅19時45分到着