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261.夕張岳(夕張山地/1667.8M)
悪評高い金山コースは静寂に包まれ中々どうして趣き豊かな山旅となった
長くつまらない ユウバリソウやユウバリコザクラといった固有種を持つ花の百名山・夕張岳。2000年に大夕張コースから上がってはいるのだが、その日は生憎の小雨模様で、覚えているのは、頂上で霧雨に打たれながらおにぎりを腹に詰め込んだくらい(笑)。いわば、登頂という実績を積んだだけの山行だった。いつの日か再訪したいと考えていたが、今回、ようやくその機会を得た。但し、ルートは「長くつまらない」という悪評高い金山コースを選択する。大夕張側はアプローチの林道がまだクローズしていることもあるのだが、多くの登山者が敬遠するルートを歩いてみたいという天邪鬼的志向が頭をもたげたようだ。金山の市街地からトナシベツ林道に入るが、国道側に登山口標識があったはずなのだが見つからず少し右往左往する。比較的状態の良い林道を10キロほど走ると登山口である。好天の日曜日なので先客がいるかと思ったが誰もいない。もっとも、午前4時過ぎでは時間が早すぎるかも。
朽ちた丸太標識 ここはトナシベツ川にエバナオマントシュベツ川が流入する出合で、登山道はその中間尾根に開削されている。標高差1300メートル、歩行距離10キロとくれば早立ちは必須条件である。エバナオマントシュベツ川にかかる橋を渡り登山はスタートする。夕張岳登山口と書かれた丸太の標識は下部が朽ちかかっている。不人気なコースを象徴しているような印象だ。沢は増水し水も濁り気味、雪融水を集める今の時期は流石に沢に入りたくない。沢音を聞きながら5時前にスタートを切る。Co750付近までは尾根の背を辿るが、登山道は幅広くとても歩きやすい。良く見ると、足元には小ぶりながら高山植物が花を咲かせ、つい何度も立ち止まってしまう。地形図では尾根上に登山道が付けられているが、実際は少し違う。Co750からCo1050あたりまでは直下斜面を北へ南へ行ったり来たりしながらトラバースを繰り返している。そのため小さな起伏は解消されじわじわと高度を稼ぐことになる。
マッターホルン ただ、北側斜面のトラバースルートはがいして道幅が狭く、うっかりすると滑り落ちそうになるので登山靴のサイドエッジを意識して効かせる。Co750辺りは丁度尾根の背を辿るが、側の木に「頂上まで7500m」とあり先の長さを思い知らされる。絶望感を軽減し緊張を和らげてくれるのがミヤマスミレの群落で、行けども行けども咲き続いている。もう一つは北側の視界が開けることで、Co950まで上がると、吉凶岳の左手に夕張マッターホルン(1415峰)がその黒い山肌を見せるようになる。天を衝くかのような山容に見惚れてしまう。それにしても、「吉凶岳」とは良くぞ付けたものだ。少し進むと、今度は右後方に十勝連峰が高く浮かんで現れる。どうしてどうして中々の眺望である。北側斜面だけに残雪が登山道を覆うこともしばしばだが、ルートロスした時は尾根の背を目指すとほとんどの場合、それは見つかる。ロープだけが雪面に出ている急斜面をキックステップで登りきると直ぐに地形図1108標高点で、前方に全くピラミダルな小夕張岳とそれへ続く道路のような残雪が現れる。
巨大な山魁出現 右奥に微かに見えるのは夕張岳だろうか‥。膝下程度の新緑が登山道脇に並び本当に雰囲気がいいが、右足元はスパッと切れ落ちていて、トラロープが張ってある所もある。慎重に急登に耐えると小夕張岳であった。ここまで2.5時間ほど、ペースは予想以上にいい。西側には、カンバの樹間から巨大な山魁ともいうべき夕張岳が姿を見せる。あまりの大きさで遠近感が鈍化してしまいそうになるが、そこに至るルートを目で追ってみると近いようで実は遠いのが分かる。南東方向奥には日高山脈が朝日に輝いている。このアングルから見るのは初めてで、山座固定が難しい。小休止の後、登行を再開するが、ここからはアップダウンを繰り返す。先ずは100メートル近く下がり、次いで50メートルほど上がる。再び下がるが、登山道は次第に雪に埋もれてしまう。完全に雪下に隠れればいいのだが、中途半端に出ていたりするので少し厄介だ。地形を見ながらおおよその見当をつけて歩く。
雪が覆う樺の平 遂に、Co1276Pで5分ほど藪漕ぎとなり、GPSの助けを借りてルートに戻る。慌ててコースサインを付ける。前方に雪に覆われた急斜面が現れ、青空に映えるカンバを目標にキックステップで上がっていく。背後の小夕張岳よりようやく高くなったかなあという感じである。急斜面を上がりきると、夕張岳北面基部まではダラダラとした登りが続く。雪面と登山道を交互に歩くが、このあたり「樺の平」と呼ばれるだけあって、とにかく背の低いカンバが群生しており、その中を潜るようにして上がっていく。露出した登山道には羆の古い掘り返しなどもあり、雪が解ける開花期の頃には羆達の出没も頻繁になるのだろう。夕張岳北面基部あたりではすでに高度も1500メートルほど。芦別岳や鉢盛山、崕山、1457峰、そしてマッターホルンと、夕張山地北方面は完璧に見渡せるようになり、西側には大夕張コース周辺の小ピークなども視界に入ってくる。頂上まで雪が続いていればショートカットしてピーク狙いだが、途中で切れているので夏道を行く。
立派な鳥居と祠 だが、基部のトラバースは傾斜が強いことに加え、雪も付いているので気を使う。コンパスの指示に従い雪面を移動していくと、ポッカリと口を開けたように登山道が現れる。回り込みを終えると、右下には分岐のある吹き通しが見えてくるが、降りるのが勿体ないので稜線上のハイマツを漕いでダイレクトに登山道に出る。ピークまでの高度差は100メートル。普通なら苦もないそれだが、9キロ近くを歩いてきた身には辛い登りである。掛け声をかけ自らを鼓舞すること15分、立派な鳥居と祠に出迎えられ無人の頂上に立つ。羊蹄・ニセコから日高まで、グルッと360度、遮るもののない大眺望は群別岳以来である。暫し見惚れつつカメラに収める。どの山域も山肌の白さを薄れさせつつあるが、増毛の白さは別格で、降雪量の多さを物語っているようだ。高さでは大雪・十勝であり、長大さでは日高、小規模ながら険しさで芦別山魁といったところだろうか。
復路最大の試練 勿論、大夕張コース方面の前岳を中心とするピーク群や奇岩・ガマ岩等、頂上台地が一望できる。今月中旬以降には林道ゲートも解放されるらしく、高山植物目当ての登山者で賑わうに違いない。重量感ある頂稜南肩1602Pを眺めながら岳友達に恒例の写メール送信。おそらく悔しがることだろう。40分近い大休止の後、山頂神社に安全祈願をして下山の途につく。基部から小夕張岳の手前辺りまではほぼフラットな地形に加え、残雪もあるので視界の効かない時などはルートロスの可能性もあるが、天気が崩れる心配は全くなく、緊張感を持続するのが難しいくらいである。だが、小夕張岳への登り返しとなると、余裕は何処へやら、頻繁に小休止を余儀なくされる。それでも、ニペソツ山の天狗岳へのそれに比べると可愛いものだ。そうやって自分を納得させ復路最大の試練を乗り切る。小夕張岳からは下降するだけ。鈴をリズミカルに鳴らしながら早足で山道を下る。
少し飛ばし過ぎ 長いトラバースを終え、尾根の背に出ると南からの涼風が心地良い。少し飛ばし過ぎたせいか、Co750付近からの一気の下りでは右足大腿四頭筋に違和感を覚える。スローダウンして様子を見るが次第にそれは薄れるようなので安堵する。ゴウゴウとした沢音が聞こえ、登山口看板が見えてくると山行もフィナーレを迎える。コース長から3時間以上はかかると見ていたが、3時間を切っての下山完了だった。このコース、小夕張岳ピストンの登山者もいるらしいので、もしかすると誰かと会うのではと思ったが、ニペソツに続いて私一人の山旅となった。さて、悪評コースを歩いてみての感想だが、長くてアップダウンもあるので辛いそれではあるが、それなりに眺望もあり、数は少ないが可憐な高山植物に出会う機会もある。驚いたのは、登山道の状態で、幅広で歩きやすく入山者の数が少ない割には荒廃していないことである。管理されている皆さんの愛情とか熱意が伝わってくるようだ。健脚者向きではあるが、趣きのあるロングコースというのが私の印象である。
★登山道で出会った花々達→ミヤマスミレ、ヒメイチゲ、リンネソウ、エゾキスミレ、エゾイチゲ、ツバメオモト、シラネアオイ、ムラサキヤシオ‥。
■山行年月
2010.06.06(日)
■天気
快晴
■同行者
単独
■山行形態
夏道登山
■コース:往路/帰路
金山コース
登山口標柱 静かな登山道
距離標識 1415峰
十勝・大雪遠望@ 小夕張岳
ロープ場 小夕張岳標識
小夕張から夕張岳 鞍部から夕張岳
鞍部から芦別岳 十勝・大雪遠望A
樺平から夕張岳@ 樺平から夕張岳A
芦別岳方面 基部トラバース
基部から西方向 山頂直下の神社
山頂から芦別方面 山頂から南肩
大夕張C方面@ 大夕張C方面A
新緑の登山道 GPSトラック
不明(調査中) リンネソウ
ミヤマスミレ エゾキスミレ
ヒメイチゲ ツバメオモト
エゾイチゲ シラネアオイ
コースタイム
自宅01時30分出発
地点分岐等 時間
登山口 4:50
小夕張岳 7:15
7:25
Co1415P 8:50
夕張岳 9:50
所要時間 5:00
夕張岳 10:25
Co1415P 10:50
小夕張岳 11:50
12:00
登山口 13:20
所要時間 2:55
自宅16時55分到着