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257.群別岳(増毛山域/1376.3M)
絶好の登山日和に恵まれた増毛山域デビューでいきなり秀峰群別岳に登頂
魅力に抗し難い トヨニ岳、雌阿寒岳とリハビリ登山も順調にこなし、次は芽室岳西峰あたりにでも登ろうと思っていた矢先、旭川の岳友Oginoさんから増毛山域へのお誘いがかかる。実は、前月(4月)増毛遠征の予定だったが、頸椎ヘルニアで実現しなかった経緯があり、遠くて体調にも一抹の不安が残るが、目指す山が「群別岳(くんべつ)」と聞けば、私ならずとも遠征しようという気持ちになるはずである。この山に夏道はなく、残雪期を逃せば沢遡行しか登頂の方法はない。体調を整え余裕をもって臨みたかったので、前日夕方、登山基地となる浜益に入る。私の住む町から4時間、一人のロングドライブだが、滝川市からの国道451号線は初めて走るルートでもあり楽しく車を走らせる。小さな峠を越えると、前方右手にまだまだ山肌に雪を纏う山々が見えてくる。たおやかであったり、ピラミダルであったり、目を引き付けて離さない。頂上部に雲を抱いた黄金山などは異様な雰囲気すらする。
進む林道の雪解 翌日への高まる期待感を感じつつ、浜益市街地からルートとなる群別川沿いの林道に下見に入る。国道から5.5キロ、標高180P付近で行き止まりとなる。増毛は豪雪地帯なので、林道の状態は厳しいとみていたが、予想以上に奥まで入ることができた。この日は、浜益の海浜公園で車中泊となったが、夕食を買いに行ったコンビニに弁当やおにぎりがほとんどなかったことに驚いてしまった。時間的には最も品ぞろえの豊富なそれなのに‥。止む無く、持参のカップラーメンとドライカレー、そしてビールで夕食を済ませる。
朝、3時30分過ぎに起きると駐車場には5〜6台の車が止まっている。みな釣客のようで、早くも海岸で釣り糸を垂れていた。ふと、窓を叩く音が‥。見ると懐かしいOginoさんで、深夜の内に来ていたとのこと。4時30分過ぎに海浜公園を出て、入山口に向かう。お天気は全道的に好天予報なので、群別にもかなり登山者が入るのではないかとの読みだが、入山口には既に2台の車が止まっていた。
前よりタフかも 私達が準備をしている内に、3人パーティがツボ足で出発していく。私達は、上部でスキーを楽しむ目算で足元は山スキーを選択する。林道の雪も暫くはとぎれとぎれなのでスキーは手に持ったまま。群別川に架かる橋を渡り右岸に移った付近からようやく林道の雪が安定してくるのでスキーを履く(Co220P)。雪は締まっていて、先行するパーティもワカンをデポしている。雪融水で増水する群別川を右に見ながら淡々とした林道歩きが続く。首や肩、腕などヘルニア症状は見られず、快調なペースである。Oginoさんが「ヘルニア以前よりもいいんじゃないですか(笑)」なんて冷やかす。一時は「山はダメかも‥」なんて思ったことを考えると有難いことで、どんなジョークも笑顔で耐えられるというものである。途中、2度ほどスキーの脱着はあったもののCo300Pからは途切れない積雪状態である。結果、3キロ少々の林道歩きをほぼ1時間でクリア、先ずは順調なスターである。
ロケーションが ここからは群別川本流とその支流に挟まれた平坦な小尾根がルートとなる。支流をスノーブリッジで渡るが、前後は流れが露出しているのでイヤラシイ。造材道を辿って尾根の背に上がるまでがやや辛いが、上がってしまえば傾斜は全く緩やかである。このあたりではまだ1メートル以上の積雪があるが、流石に木の根元は抉れるように雪融けが進む。ナラか柏か、樹齢数百年と思われる巨木が現れたりすると、次第にロケーションも良くなってくる。地形図Co609標高点を過ぎると尾根形状が崩れるが、視界は一気に開ける。左は幌天狗の稜線(南西尾根)で、右は奥徳富岳(1346峰)とそこから派生する南西尾根、正面奥に岩塔鋭い南峰従える群別岳である。特に幌天狗は朝日に白い雪面を輝かせ、青空を背景としたスカイラインのダケカンバの美しさは見事である。ただ、地形的にはスッキリ感を欠くのでルートのとり方はやや面倒だ。Oginoさんのアドバイスを受けながらCo610P付近から群別川左沢(増田の沢)に入り、そのままCo800P付近の滝を目指す。
近いようで遠い 沢は完全に埋まっているかに見えたが、ゴウゴウと音が聞こえほどなくぽっかりと流れが現れる。うっかり落ちようものならひとたまりもない。やはり今時期の沢である。少し行くと、こんどは太い木が横たわっている。どうやら左岸斜面から落ちてきたものらしく、雪面にその跡が付いている。前後左右上下に気をつけなさいということか。滝(増田の滝)は大きく露出し、近づき難い雰囲気を放っている。この滝、残雪期ルートの重要なポイントとなっているようで、私達は手前から南尾根に取付く。傾斜はあるが、雪が適当に腐っているので何とかジグを切って上がっていく。私はもうバテバテで、Oginoさんを待たせるシーンが続く。いくら上がっても目指す南峰は近くならない。取付から標高差400メートル、Oginoさん曰く「ここは近いようで遠いんです」と‥。ようやく尾根の背に上がり一息入れる。辿りし方向を振り返ると、石狩湾を挟んで対峙する積丹からニセコ、羊蹄、そして支笏湖周辺の山々が遠望できるようになる。
苦しみを喜びに 大袈裟ではなく、雲ひとつない青空とため息が出るような眺望なのである。但し、これは単なる序章で、以後、高度を上げるにつれ感嘆の声を上げ続けることになる。右手の奥徳富岳が端正な山容を見せるようになると南峰は近い。疲労困憊ながらも南峰基部に到着、スキーをデポしてアイゼンを履く。ここからは本峰とのコル目指して傾斜のある南峰東面をトラバースする。先行者のトレースを辿るが、滑落も雪崩も怖いシーンなので慎重にならざるを得ない。コルまで上がると、南署寒別岳や浜益岳も視界に加わる。目の前には群別岳本峰がすっくと佇み、外連味のない100メートルほどの急登が待っているだけである。登高中の登山者が雪面のシミとなって移動していく。「苦しみを喜びと感じつつ」一歩また一歩と、斜面に足跡を刻む。最後はやや北側から回り込むように三等三角点のある頂上に立つ。歩き始めてから5時間30分、病み上がりの私としては上出来のコースタイムである。
優しいが厳しい 頂上には先着した5人の登山者がいたが、一様に満ち足りた表情だったのが印象的である。先ずは、じっくり増毛の山々を観察する。主峰の暑寒別は堂々と鎮座し、南暑寒も小ぶりながら存在感がある。意外だったのは、東隣の奥徳富岳の雄大さである。全体の印象としては、平均標高も低く、たおやかで優しい雰囲気である。ただ、どことなく秘めたる険しさも感じる。何より、日本海からダイレクトに流入する寒気、雪と風は日高の比ではないだろう。GWに2泊3日で増毛山域1000メートル以上9座踏破を成し遂げた強者Oginoさんも、厳冬期は入山する気が起きないという。増毛山域への拘りや山行実績では他の追随を許さない彼でさえそうなのだ。知床のラサウヌプリでも感じたことだが、山は高さだけではないということか‥。それにしても、夕張山地から十勝連峰、大雪連峰、天塩山地、そして利尻山までが遠望できるのである。風もなく、これほどの大眺望に恵まれるのはめったにないこととOginoさんは言う。
苦労した甲斐が 幸運に感謝しながら、内心「晴れ男復活かも‥」と。気がかりなこともあった。余計なお世話とお叱りを受けるかもしれないが、山頂で一緒になった登山者で長靴スタイルの方がいた。それなりの心得や自信はあるのだろうが、急変しやすい春山を考えると装備としては疑問符がつくのではないだろうか。
超まったり1時間以上の大休止の後、下山の途につく。見れば見るほど奇怪な山容の黄金山に感心しつつ往路を辿る。スキーデポ地まで戻りスキーを履く。知床遠征以来のスキーで、少しドキドキする。南峰基部を滑りだすが、思った通り雪はベタつかず適度なスピードを得ることが出来る。思わず上がる歓声とこぼれる笑顔、苦労してスキーで上がった甲斐があったというものである。左沢大滝を意識して降りていくが、雪面が歪んでいるので首に負担がかからないようにバランスをとりスピード調整を図る。転倒したりすると大変なことになる可能性があるからだ。
不満の温泉休業 登高時90分も要した所が僅か5分、スキーのアドバンテージは圧倒的である。沢では30分も先に降りたパーティをパス、ブッシュ類がやや濃い小尾根取付付近の下降に少し苦労したものの、1時間少々で林道終点に戻ることができた。緊張が緩んだせいか膝がガクガク、こんな感覚は久しぶりである。高温で林道の雪融けを危惧したが、往路同様Co220P付近まではスキーを使えたのはラッキーだった。最後は余裕のシートラで締めくくり、2時間で下山を完了する。憧れの群別岳を最高の条件で登ることが出来、つくづく幸運に恵まれたと思う。誘っていただき、山行をリードしてくれたOginoさんに感謝するばかりである。今回の登山は、私の増毛山域デビューであり、リハビリ登山でありながら楽しく充実した山行ともなった。「次回は沢から」との約束も得て、いいことずくめの増毛遠征となったが不満が一つ。汗を流そうと立ち寄った浜益温泉が臨時休業だったこと。汗臭い身体のまま富良野まで走る羽目になったがこれには閉口した。ま、これもいい思い出だが‥(笑)。
■山行年月
2010.05.15(土)
■天気
快晴
■同行者
Oginoさん
■山行形態
残雪期登山
■コース:往路/帰路
群別川林道・南尾根
小沢の渡渉点 小尾根から群別岳
樹齢数百年の巨木 幌天狗の稜線
群別岳 奥徳富岳と尾根
群別川左沢 群別川左沢下流
増田の滝 南峰への斜面@
稜線のダケカンバ 南峰への斜面A
背後の登高ルート 幌天狗
遠い南峰 南峰直下
奥徳富岳 南暑寒別岳
南峰東面トラバース コルから群別本峰
浜益岳 南峰と南西尾根
山頂標識 暑寒別岳
本峰から南峰 GPSトラック
コースタイム
浜益海浜公園車中泊
地点分岐等 時間
入山口(Co180P) 5:10
林道終点 6:10
大滝 8:25
南峰基部 9:55
群別岳 10:40
所要時間 5:30
群別岳 11:50
南峰基部 12:05
大滝 12:25
林道終点 13:05
入山口(Co180P) 13:50
所要時間 2:00
自宅20時35分到着