トップ  自己紹介  マイソアラ  登山トップ  ギャラリー  ブック  BBS 映画日記 リンク

マイソアラタウンはリンクフリーですが、予告なく閉鎖することがありますのでご了承下さい。

メッセージはこちらまで : uzzso9003@mirror.ocn.ne.jp

copyrigrt(c)2001〜2004 shun1@ikeda All rights reserved

255.トヨニ岳(南日高/南峰1493M)
稜線までのはずも気がつけばトヨニの頂、痩尾根克服し快調なリハビリ山行
ヘルニアと共存 トヨニ岳山行(4月8日)の翌日から身体の調子がおかしい。左側の肩から腕にかけて痛んだり疼いたりするのである。特に、首を動かしたりすると症状が強くなるようだ。多分、寝違いでそのうち治るだろうと放置していたのだが、時間の経過とともに症状が強くなる。数日後に病院に駆け込みMRI検査をすると頸椎ヘルニアとの診断が下る。完治には手術しかないと言われるが、とりあえず保存療法を試みる。3週間ほどで症状は50%ほどに軽減した感じなので、様子見がてら山に向かうことにする。行先は南日高のトヨニ岳。そう、直近の山行で、悪天プラス時間切れでCo1400あたりから撤退した山である。だが、最初からトヨニ狙いだった訳ではない。勿論、候補に入ってはいたのだが、第一候補は野塚トンネル十勝側からの野塚岳であった。トンネル駐車場には20台近い車が止まっており、少し驚きながら準備をしていると拾数名のパーティが野塚へ向かったのである。
悲鳴上げる身体 いつも静かな山旅をしているせいだろうか、この状況は何となく受け入れ難かった。それでトヨニ転進となった訳だが、あくまで体調チェックを主目的とした、いわばリハビリ山行なので稜線まで上がれれば御の字と思っていたことも事実である。ポン三の沢川はすでに流れが露出しているが、靴底を濡らす程度で渡渉できヤレヤレ。初めはトレースに沿って沢中を行く。赤いウエアを纏った縦走装備の登山者が一人先を行く。やがてその登山者は左手(南側)の尾根にルートをとるが、私は右手(北側)のいつもの登高尾根を上がることにする。取付ポイントを探しながら沢を少し詰め、Co700P辺りから斜面に取付く。傾斜は強いが、しっかりとした木立が上まで続いているので雪崩のリスクは低いだろう。ラッセルが深いので、途中からスノーシューを履くが、久々で身体が悲鳴を上げている。南側の尾根を上がる登山者はすでにその背に上がっており、後続の登山者の姿もある。
俊一さんですか 8時35分にようやく尾根の背に上がる。すでに高度は1000メートルほどで、稜線までは高度差にして150メートルもない。トヨニ岳も反対の野塚岳もガス中で、天気は予想以上に悪いようだ。9時過ぎに稜線に出るが、風も強く、「どうするかな〜」と思案していると、稜線南側から前述の登山者がやってきた。簡単な挨拶をして二言三言話していると、「俊一さん?」との声が。サングラスを外したその登山者は何とganさん!。前夜「剣小屋」を利用しているのでおそらく北日高狙いと思っていたが‥。意外なそして嬉しい再会であった。聞けば、稜線2泊で春別山というプランである。こうなると、体調も予想以上にいいので、迷うことなくトヨニを目指すことにする。明瞭なトレースがあり、直ぐに10名ほどのパーティに追いつき彼らをパスする。マウンテック○○さんのパーティで女性主体のそれだった。高いモチベーションと体力、女性は山でも強い!を証明するかのような絵だった。
風でガス飛ぶも 稜線上の雪のつき方は4月8日時点とあまり変わらない印象である。雪庇なども多くが残り、亀裂も露わになってはいない。南日高も今年は雪が多かったようである。1251JPの東コルでスノーシューからアイゼン・ピッケルに替える。直下の僅かな窪地に突然黄色いテントが現れる。「こんなところに‥」と驚きつつ写真でもと思ったが、住人がいたので止める。立派なエビの尻尾に今時期としては厳しい風雪を感じつつ1251JPまで上がる。重装備のganさんが到着する頃には、強風でガスが飛ばされ稜線が姿を現してきた。これで風が収まってくれればいいのだが‥、と話しながらリスタートを切る。軽装の私が先を行くが、すでに明瞭なトレースはなく、後続の登山者が私のトレースを辿るかと思うと、いつものようなアバウトさは厳禁である。気を引き締めルートをとる。岩場の細尾根を越えると傾斜が一気に増してくる。1322Pを過ぎると私的にはこのルート最大の難所が待ち受けている。
必死で難所突破 とにかく尾根が一気に痩せてくるのである。両側がスパッと切れ落ちるが、特に日高側は顕著である。長さにすると30メートルくらいだと思うが、細心の注意を払いながら確実な行為を心がける。つまり、確かなピッケル・アイゼンワークとバランスの確保がポイントである。この時はおそらく必死の形相だったに違いない。難所をクリアすると、今度は天まで届くかのようなCo1470Pへの急登である。傾斜は強いが尾根幅があるので気持ちは全く楽である。登りきり辿りし方向を振り返ると、丁度ganさんが難所を通過中である。重装備もあり慎重な行動である。ここまで上がると正面にトヨニ岳が鎮座し、トヨニ北峰やピリカヌプリ、神威岳など、北に連なる山々も見えてくる。そして、シミ一つない東峰南面である。得も言われぬロケーションに身を置きつつ鞍部から最後の登りにかかる。ふと足元に目をやると鳥の死骸が雪面に横たわっている。激しい寒暖の差に対処しきれなかったに違いない。
まだまだ冬景色 緩やかな白い斜面を登りきると東峰が真横に見えるようになる。待望の南峰到着である。「様子見がてら」「稜線まで」‥と思っていたが、気がつけばピークまで来てしまっていたという感覚である。何度も途中撤退した山だが、上がれる時はこんなものである。それにしても、5月GWというのに、南日高は雪はまだまだ多くしかも白い。ほどなくganさんも到着。足元のトヨニカールを見下ろしながら食事をしていると、東峰に登山者の姿を見る。彼らの、シャープな吊尾根を辿る姿は山岳雑誌にでも出てきそうな絵である。およそ30分の滞在の後、ganさんに別れを告げ頂上を後にする。今季の沢同行を約束したことは言うまでもない。登り返しとなるCo1470Pに刻まれたトレースが絵模様のように浮かび上がる。ナイフリッジの通過は下降の方が困難度が増す。雪が詰る豊似川左股沢源頭の穏やかさとは対照的な厳しい稜線である。ここの下降が嫌で東峰経由で降りる登山者もいる位である。
流石GWの賑い 多分に「慣れ」もあるのだろう。さほどの恐怖心もなく冷静に通過する。細い岩稜帯の直上でマウンテック○○のパーティと行き違う。重装備なのでペースが上がらないのは分かるが、それにしても遅すぎる感がある。1251JPを降り切った所でスノーシューに履き替える。雪が腐りトレース上でも踏み抜きは必至であり、スノーシューの浮力は大きなアドバンテージとなる。Co1162P付近で単独登山者と出会い、下降尾根の頭ではテントが一張り。東峰にも5〜6人の登山者の姿が。いつもは静かな山域もGWならではの賑わいである。尾根の背に刻まれた私の往路トレースを忠実に下降する。登高時にはガスの中だった野塚岳もスッキリと望むことが出来る。山肌は白いが、日射しはやはり5月GWのそれである。急斜面の下りはスノーシューにとって苦手なシーンだが、踵から直線的に蹴り込むイメージでスノーシューを雪面に潜らせトラクションを増大させることで、ある程度対応は可能である。
拘り故のご褒美 斜面に対してそれを横に出そうものなら面白いように滑りだす。あくまで縦に踏み出すことが基本である。下降途中に、尾根を横切り沢へ向かう羆の足跡があった。そして、その羆が誘発したと思われる小さな雪崩跡が‥。そんなシーンを目の当たりにしたせいか、最後の50メートルくらいを尻滑りで沢に降りやいなや、踏み抜きも気にせずひたすら下る下る。ともあれ、順調な下降を裏付けるかのように2時間ほどで下山を完了する。リハビリ登山にしては出来過ぎといえるだろう。ヘルニア危機(笑)を克服し、再び山を登れたというだけでなく、ganさんとの偶然の再会もあった。雪のついているナイフリッジを自分の力で踏破出来たのも大きな自信である。それもこれも、トヨニ岳に拘ったゆえのご褒美と素直に喜びたい。
★ganさんが執筆中だった沢登ガイド本が今月(5月)22日に発売開始となる。■タイトル:「北海道沢登り独断ガイドブック」(共同文化社刊) ■価格:2310円(2200円プラス税) ■掲載「42ルート」を地図と写真、文章で遡行方法を紹介 ■これで3冊目の沢本だが、本人曰く「過去2冊と違い、余計なことは書いていません」(笑)とか。ちなみに、私も1箇所登場するそうです。
■山行年月
2010.05.02(日)
■天気
曇のち晴
■同行者
単独
■山行形態
残雪期登山
■コース:往路/帰路
野塚トンネル
ポン三の沢川 稜線1151Pと雪庇
尾根頭から北望 稜線南から登山者
稜線1251JP エビの尻尾
1251JPから北望 1322Pから南望@
1322Pから南望A 痩尾根通過中
1470Pからトヨニ岳 力尽きた鳥
トヨニ岳から北望 トヨニカール
トヨニ岳東峰 南峰へ向う登山者
豊似左股川源頭 浮かぶトレース
登高中のパーティ 美しき雪庇
Co1162Pから北望@ Co1162Pから北望A
Co1162Pから北望B 雪庇上のトレース
登高尾根から野塚岳 GPSトラック
コースタイム
自宅05時30分出発
地点分岐等 時間
野塚トンネル 7:20
稜線Co1115P 9:05
9:15
Co1251JP 10:20
10:35
トヨニ岳 11:55
所要時間 4:35
トヨニ岳 12:20
Co1251JP 12:55
稜線Co1115P 13:45
野塚トンネル 14:20
所要時間 2:00
自宅17時05分到着