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253.知西別岳(知床山域/1317M)
知西別登頂で知床山域の主要なピークを制覇、区切りの山行は樹林帯で苦戦
初陣ボリエール 知床遠征3座目は知西別岳である。前日のハードなラサウヌプリ山行の疲れに加え、夜半の降雨でモチベーションが上がらない。しかし、天気は穏やかに推移するとの予報でもあり、ここで日和ったのではわざわざ宇登呂まで来た意味がない。気持ちを奮い立たせ出発準備をするが、足元を何にするか暫し悩む。森林限界から上は明らかにスキーにアドバンテージがあるが、そこに至る尾根は樹林が混んでいたり、尾根が細かったりでスキーは苦戦を強いられるとの情報もある。結局、下部樹林帯の移動を重視し、スノーシューを選択する。そして、登山靴は今季購入した積雪期用「BOREAL」で、勇躍デビューとなった。登山は宇登呂スキー場からスタートする。周囲には鹿避けの高い鉄柵が張り巡らされ、専用の入口から中に入る。鹿といえば可愛いイメージだが、映画「小鹿物語」を持ち出すまでもなく、彼等の樹木や農作物に及ぼす害は深刻なものがある。
有難きトレース 異様な雰囲気は免れないものの、こういった構造物がなければ人間と動物達が共生できないという環境に悲しさと不安を覚える。さて、スキー場には上に向かうツボ足トレースがある。山仲間からの情報によると、HYMLの大御所Saさんが前日知西別岳に上がっているという。おそらく、彼のトレースに違いない。ツキに恵まれた感じである。私もCo229.2Pの三角点まではスノーシューを手に持ちツボで上がるが、早くも汗が滴り落ちる。ここからスノーシューを履くが、尾根幅こそ広いが小さな起伏もあり樹木は予想通り密集している。ツボの他にスキーのトレースもある。登りはともかく、下りは難儀することだろう。ツワモノというべきである。スノーシューは埋まることなく快適な登高が続く。少し締まった湿気ある雪質なのでスノーシュー向きといえるだろう。1時間少々で北西尾根Co450Pに出て、ルートはここから南東へと進路を変える。
横滑りしまくり 東側の視界が大きく開け、羅臼岳をはじめとする知床連山が薄い雲を抱いたその姿を現す。尾根は細くなり、その背よりやや西側の直下斜面を歩くシーンが多くなる。左右の方向にはめっぽう弱いスノーシューなので、横滑りしまくってしまう。むしろ、ツボの方がいいだろう。Co575Pでは眺望の障害となる樹木は一旦姿を消す。目指す知西別岳もあくまで高くそして遠い。正面にCo770.1Pが立ちはだかるが、その右には遠音別岳が特徴的なピークを覗かせる。勿論、知床連山も視界から外れることはない。ここでルート観察をおこなう。素直にルートをとれば南のCo770.1Pの南斜面に取付くことになるが、いきなりの240メートルの登りは苦しいし、その後のアップダウンも避けたいところだ。で、Co575Pの先の鞍部から浅い沢を経て平坦な尾根を上がるというのが当初設定ルートで、Co770.1P経由よりも効率的でショーカットとなる。
絶妙ルートどり 目でそれを追ってみると、前日のSaさんのトレースが斜面に刻まれている。絶妙なルートどりは流石にSaさんである。Co575Pから20メートルほど下がるが、もうスキーのトレースを見ることはなく、替わりにワカンのトレースとなる。森林限界から上こそスキーの独壇場のはずだが、シートラしたのだろうか‥。鞍部から東側の浅い沢に降りて、そこから平坦な尾根に上がる。取付付近は樹林帯となっていてテン場にはうってつけの場所である。Co600P辺りが森林限界で、そこを抜け出すと白一色の平坦な景観が広がる。目印となるものや緊急避難出来るような場所はほとんど見当たらない。尾根形状すらはっきりとしなくて、視界の効かない時は登山続行をためらうに違いない。背後を振り返れば、宇登呂の港と洋々たるオホーツクが広がっている。水平線上に浮かぶ白い筋は去りゆく流氷だろうか。ピークにダイレクトにコンパスをきりその指示に従い淡々と上がっていく。
半島の背に立つ ピーク左方向にイヤラシイ雲が出ていて気になるが、急激に発達する様子もない。左手に容の良いピークが見えているが、知床峠と知西別岳間の山となれば天頂山であろう。雪面はクラストしていて、Saさんのトレースも不明瞭となるが、ハイマツの吹溜り帯では再びそれと出会う。彼もまた直線的に進んでいるようだ。点在するハイマツにコースサインを付けながらの登高だが、用意してきたテープが底をついてしまう。頂上近くなるとハイマツも姿を消したので、今度は雪面にコースフラッグを立てる。傾斜がやや強まり尾根が少しずつ狭くなってくる。といっても平坦なままなので頂上直下という雰囲気がしない。例によって、ザックをデポしトレイルランさながらの速さでピークに向かう。たおやかな丘陵地といった趣の高みを奥まで詰めた所がピークだった。東側足元は急激に落ち込み、その先に目を転じれば大海原が広がっている。半島の背に立つ自分を感じる瞬間である。
私は晴れ男かも 主稜線に連なる山並をじっくりと眺めるが、羅臼岳の大きさは圧巻で畏敬の念すら抱いてしまう。峠から南西ルンゼを上がるルートもあるが、その高さとキツイ傾斜は私の力の及ぶところではない。何しろ「靴の底が見える」ほどの傾斜らしい。知床峠まで極端な起伏もなく、2時間もあれば行けるのだろう。GW前には横断道路も開通し、このあたりも峠から足を伸ばす登山者で賑わうに違いない。一方、反対側には遠音別岳である。前日、南側から眺め、今日は北側からである。こちらからの方が「知床の怪鳥」という名にふさわしい山容だが、その流麗さにおいて基本的に山の表情に差はない。前年、あの槍の先に立ったと思うと誇らしげな気分にすらなる。前日登頂したラサウヌプリが小さいながらも白く輝き、その奥に海別岳である。毎日目にできるのも好天ゆえであり、もしかすると、Torimotoさんの言うように私は「晴れ男」なのかもしれない(笑)。
成果大知床遠征 15分の滞在の後、宇登呂の港めがけて下山を開始する。コースサイン等を回収しながら降りる。何事もない時は面倒な作業となるが、これが力を発揮する条件をイメージすると贅沢は言えない。Co575Pまで一気に降りてここでショートランチ。知西別岳に別れを告げ、ここからはツボ足で下降する。急斜面の下りとトラバース的な歩行はスノーシューでは苦しいからだ。だが、気温上昇で雪は急激に腐り、何度も何度も踏み抜いてしまう。Co450Pを経てCo229Pのスキー場までの尾根歩きは下りといえども喘ぎ喘ぎのそれだった。下りに要した時間が3時間05分。苦戦を物語る何よりの証拠であろう。下山後は2日続けて〇〇〇荘で湯を頂く。温泉に浸かりながら知床遠征を反芻する。知西別岳登頂で、知床山域の名だたる山々のピークに立ったことになり感慨無量である。何より、狙い通り知床3座の登頂を達成したのだから満足感も一入である。道の駅「シリエトク」でご褒美の食事を摂り、3時前に高揚した気分のまま帰路につく。
■山行年月
2010.04.01(木)
■天気
晴のち曇
■同行者
単独
■山行形態
残雪期登山
■コース:往路/帰路
ウトロ・北西尾根
鉄柵の出入口 スキー場下部
Co229P三角点 混んだ樹林帯
キツツキの新居 Co450Pから連山
Co770.1P 遠音別岳@
Cp575Pから北望 奥に知西別岳
刻まれたトレース 尾根からCo575P
天頂山 平坦な尾根上
遠い頂上 大きい羅臼岳
頂上から知床連山 遠音別岳A
頂上直下から下部 遠音・ラサウ・海別
遠音別北西尾根 復路の知床連山
スCo229Pから港 GPSトラック
コースタイム
シリエトク05時出発
地点分岐等 時間
ウトロスキー場 5:30
Co450P 6:40
Co575P 7:20
Co900P 8:30
知西別岳 9:40
所要時間 4:10
知西別岳 9:55
Co900P 10:25
Co575P 11:10
11:30
Co450P 12:10
ウトロスキー場 13:00
所要時間 3:05
自宅18時25分到着