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252.ラサウヌプリ(知床山域/1019.6M)
「山は高さにあらず」ラサウは奥深く悠然としており手応え満点の山だった
ヘッデン点灯し 知床遠征2座目はラサウヌプリである。この山の存在を知る人はかなりの知床通であろう。何しろ、地形図にもその名はなく、三等三角点が設置された「1019.6」とあるだけである。ちなみに、国土地理院点の記によると「奥遠音別」が三角点名称である。かくいう私は、昨年(09年4月)遠音別岳に登った際に、南側の海別岳との間に鋭い山容の山があることを知り、後刻ネットで調べてみるとラウサヌプリと呼ばれていることを知った。数少ない山行記録からは、長い林道歩きと尾根のアップダウンに象徴される厳しい登山が容易に想像されたものである。タイムプランは登り6時間、下り4時間で、山中泊こそないものの、今次遠征で最も過酷な山行となる予感も働いていた。それ故、早立ちが肝要であること改めて認識する。入山口は羅臼町峯浜から陸志別川沿いに4キロほど西に入った除雪終点である。午前4時にスタートするが、辺りは暗闇に支配されておりヘッデン行動となる。
キツネの同行者 最初はだだっ広い平坦地の中の道路を行く。スノモのトレースが幾筋も見られ、さながらスノモ銀座といった趣である。気が遠くなるほど直線が続き、道路も側のブッシュがなければそれと気づかないほどである。少し明るくなり、ふと、左に目をやると、同行者よろしく狐君が一定の距離を保ちながら歩いている。私が「お前も一緒に行くゾ!」と声をかけると足を止めて私を見る。何となく可愛げで寂しさもまぎれる。犬と登山をする人がいるが、おそらくこんな気分なのかもしれない。5分ほども一緒に歩いたが、彼は左手に離れて行った。3キロ弱でようやく山中に入り、陸嶺川に架かる橋を渡り、直ぐに左岸造材道跡に踏み入る。当初設定ルートは、右岸林道を終点まで詰めてから陸嶺川を渡渉し尾根に取付くというものだったが、この時はそれがすっかり抜け落ちていた。頭にあったのは、左岸に渡り尾根に取付くということで、自然と左岸を選んでいたのかもしれない。
イエローカード イエローカードものではあるが、このルート選択が結果オーライであったことを知るのは後のなってからである。この造材道跡、暫くはピンクテープの並木道の様相を呈している。登山のコースサインとも思えず、造林目的でもないような気がする。この不思議な光景は突如として消えてしまい、造材道跡も消えてしまう。替わりにという訳ではないが羆の足跡に頻繁に出くわすようになる。いずれも川へ向かっており、水目的の移動のようである。正直、あまり気持ちのいいものではない。へこんだ気持ちを高めてくれたのは川の上流奥深くに姿を現した白いラサウヌプリであった。左岸の下部斜面のトラーバースが延々と続くが、傾斜は緩やかだし河原林も意外と発達してる。何本か沢形を越えたもするがそれは概ね容易である。Co343Pは尾根上にあり、その東の沢には大きな函記号があるが、雪で埋まっているせいかそれほどのものとは思えなかった。
滑落恐怖に耐え 遡行するイメージで沢に斜降してからトラバース気味に尾根に上がる。そこは取付予定の尾根で、本来のルートに合流したことになるが、ここで暫し思案する。この尾根からラサウヌプリ東尾根に上がるのだが、尾根上は起伏がかなりある。特に、稜線手前のジャンクションへはCo752Pから50メートル降りて250メートルほどの登りとなり、見た目にもきつそうなので出来ることなら回避したいところである。ここでこの日2回目のルール違反をしてしまう。東尾根の南斜面をトラバース気味に高度を上げ、ジャンクションの東コルに直接上がるというルート変更である。だが、リスタートしてはみたものの、南斜面の傾斜が強く、緊張の連続を強いられる。雪が安定しているので雪崩の不安はないが、滑落が怖くてエッジングには気を使う。何とかコルに突き上げる沢に入るが、ここもキツイ傾斜で雪がイマイチ不安定である。そこで沢の西側の小尾根を利用することにする。
途中からツボ足 この尾根はジャンクションから南東に派生しており、地形図からは難しさは感じない。ただ、尾根上部に岩塔が見えていてその辺りがどうなっているのか一抹の不安を覚える。小尾根ながら樹木も薄く、そんなに細くもないのでスキー登高したいところだが、固雪の上の柔雪なのでスキーがズルズル滑ってしまう。止む無くCo540P付近にシーデポし、ツボ足登高に切り替える。ブーツ長ほどのラッセルとなるが、スキーよりは効率的に高度を稼ぐ。川を挟んで西側に対峙する小ピーク群が中々の存在感を発揮している。気になっていた岩塔は基部東斜面を楽にショートカット、不安は杞憂に終わる。背後には太平洋が広がり、入山口付近の平坦地も見えているが、奥まで来たことを実感する。右手奥Co752Pの左肩ごしに鋭角的な遠音別岳が見えてきた。ほどなく海別岳も左に望むことが出来るようになる。ここからは、正面にジャンクションを望み、左の海別、右の遠音別という贅沢な眺望を得ながらスッキリとした尾根歩きとなる。この南東尾根、取付から上部は東尾根より優しそうである。
ズーム作動せず 気が抜けたか途中でストックを落としてしまうも20メートルほど斜面を滑りブッシュに引っかかり止まった。ラッキーだが回収に降りるほど元気がないので帰りの課題とする。ジャンクション直下にザックをデポし空身で上に向かう。地形図からはさほど細いとも思えずアイゼンも置いていく。但し、ピッケルはショルダーする。ジャンクションまで上がってしまうと、傾斜は緩やかとなるが、尾根はグッと細くなる。風でもあれば難所となるが幸いそれもない。目の前に主稜線が迫るが、少し鋭角的で容がいい。ピークもその左奥に捉えることが出来るようになるが、こちらはたおやかな印象である。稜線まで上がってしまうとピークは指呼の距離となる。平坦な頂稜を西端まで進むとそこが待望のピークだった。6時間を予定していたが、5時間30分は上出来の部類である。先ずは、360度の大眺望を目に焼き付けカメラに収める。が、どうしたことかカメラのズーム機能が作動しない。
山も十山十色だ メニュー機能も作動せず、受け付ける動作は電源のオンオフとシャッターボタンだけ。まあ、単焦点レンズでの撮影と思えばいいのだが‥。それにしても山の容というものは不思議である。人間と同じように十山十色なのだ。平坦で大きい海別岳と流麗で天を衝くように鋭い遠音別岳、実に好対照である。翌日登る予定の知西別岳や羅臼岳など、知床連山も遠望できるが、一際目立つのは北のCo879Pの山容である。岩山のごとく雰囲気で荒々しさを感じる。奥には角のような岩塔が黒く突き出ているのが面白い(注)。多分、これにもそれなりの名前が与えられているのだろう。頂上滞在15分で下山の途につく。ザックデポ地まで慎重に下降し、ここで行動食を流し込む。ストックを回収しスキーデポ地まで戻るが、復路の滑りがほとんど期待できないルートだけにやや気が重い。急斜面をトラバースし、取付尾根末端から陸嶺川をスノーブリッジで渡り、当初予定ルートの右岸を降りることにする。
右岸下降で苦戦 林道歩きで楽をしようという思惑である。だが、甘かった。700メートルほど行くと河原が消え右岸は崖になってしまう。一旦、対岸に渡り、崖を過ぎたあたりで再び右岸に戻る。これでOKと思った途端、また崖が‥。結局、再度左岸に渡り、そのまま橋まで戻る。陸嶺川はスノーブリッジの発達した川で良かったが、そうでなければ水の中をジャブジャブなんていうシーンもあったかもしれない。後でJPSトラックを見てわかったのだが、もう少し右岸を行けば林道終点だった。往路では煩わしいと思ったピンクテープだが、復路では、橋近しの嬉しいサインとなった。なお、橋側で右岸林道をチェックしてみたが少し判然としない感じだったので、奥の方は荒廃しているのかもしれない。3キロ弱の平坦な林道、時期が早ければスキーが勝手に滑ってくれるだろうが、それが腐ったいまでは期待すべくもない。高下駄状態にならないだけいいと思うことにしよう。
左岸登下行もOK 振り返ると、ラサウヌプリには少しガスがかかりはじめていた。いい時期に登らせてもらったことに感謝しつつ、13時前に車に戻る。ラサウヌプリは、その深さと悠然とした山容において予想通り手応え満点の山だった。「山は高さではない」といわれるが、なるほど納得である。ルートに関しては、右岸林道の状態にもよるが、左岸斜面も充分に使えるという印象である。それ以降は、取付尾根から東尾根の背を辿りピークを目指すのが雪崩の心配もなく安全だと思う。
下山後は、標津町の公衆浴場へ行ったものの15時からの営業で汗を流せず。近くに適当な温泉もなく、我慢してウトロまで走ることにする。だが、温泉地のウトロでもホテルの日帰入浴は16時くらいからで驚くばかり。ようやく営業中の〇〇〇荘を探し当て湯を頂く。この日は人気ナンバーワン「道の駅シリエトク」で車中泊とする。
(注)ネットで調べてみると「ラサウの牙」と呼ばれているとのこと。
■山行年月
2010.03.31(水)
■天気
晴のち曇
■同行者
単独
■山行形態
積雪期登山
■コース:往路/帰路
陸嶺川・南東尾根
羆の足跡 ルートの左岸斜面
ラサウヌプリ@ ラサウヌプリA
沢から712P 南東尾根取付
対峙する小ピーク 南東尾根@
尾根から麓方向 右奥に遠音別岳
南東尾根A 左に海別岳
東尾根 南東尾根B
尾根頭直下 頂稜の偽ピーク
辿りし南東尾根 ラサウ南面
頂上直下 辿りし頂稜
遠音別岳A 海別岳A
879峰と岩塔 細い頂稜
尾根のデポザック GPSトラック
コースタイム
標津ポー公園03時出発
地点分岐等 時間
除雪終点 4:00
4:55
Co343P 6:15
スキーデポ 7:20
ザックデポ 8:40
ラサウヌプリ 9:30
所要時間 5:30
ラサウヌプリ 9:45
スキーデポ 10:25
Co343P 10:50
11:55
12:15
除雪終点 12:55
所要時間 3:10
シリエトク18時到着