トップ  自己紹介  マイソアラ  登山トップ  ギャラリー  ブック  BBS 映画日記 リンク

マイソアラタウンはリンクフリーですが、予告なく閉鎖することがありますのでご了承下さい。

メッセージはこちらまで : uzzso9003@mirror.ocn.ne.jp

copyrigrt(c)2001〜2004 shun1@ikeda All rights reserved

250.南斜里岳(知床/1442M)
眼前に展開される白い山肌と群青色の空は圧巻のコントラストを放っていた
登山は午前勝負 遠征2日目は南斜里岳。しゃり道の駅を4時過ぎに出発する。コンビニで買い物を済ませ、登山口となる国道244号線根北峠に向かう。東の山が次第に影絵のように浮かび上がり、青みがかったスカイラインがハッキリしてくる。山行のタイムプランは登り5時間、下り2時間30分ほどを見込んでおり、6時頃に出ても充分に登頂は可能なのだが、天気予報が快晴でも、午後はガスに覆われたりでスッキリしないことが多い。山は基本的に「午前中勝負」であり、可能な限り早立ちが望ましいと思う。ましてや、今回は初ルートであり、「日の出とともに出発」は必須条件である。装備を整え5時10分に峠を出発する。周囲は充分に明るくヘッデンの必要は全くない。少し古いが、スキーとワカンのトレースがあるのでそれを使わせてもらう。暫く進むが稜線伝いに刻まれたトレースは方向を変えることはない。根北峠からは東斜里岳へのルートもあり、角度から考えてそれらしいと思われた。
ルート選択妙味 私が目指すのは、南斜里岳東尾根の末端で、トレースのまま進むと手前のパンケニワナイ川の通過が難しくなったり、尾根取付付近が急であったりする。800メートルほど行ったあたりで、トレースを離れ南西方向にルートをとる。雪面は固く、同じような景色・針広混交林が広がっている。目印があるようでないので、視界のない時には入りたくない空間である。ほとんどフラットで淡々とした歩みが続くが、右手樹間には丸い山容の東斜里岳が見え隠れしている。朝日を浴びて際立つ白さである。一方、左手には前日登った武佐岳から尖峰あたりの山並が逆光に輝いている。75分ほど行くと、広い尾根はパンケニワナイ川へと落ち込んでいる。帰りの登り返しを出来るだけ少なくするべく、通過ポイントを検討するが、高度にして40メートルほどの下降は避けられそうにない。上流方向にトラバース気味に降りるイメージで、東尾根にはやや北側から取付く。
怖いもの知らず なんと、川筋にはスノモのトレースが明瞭で、雪崩とかスノーブリッジの崩壊を考えると怖いもの知らずという他ない。根北峠にはスノモ乗入禁止の看板が設置されていたが、歩き始めて直ぐにもそのトレースに出会っており、どこか下から入山しているのだろう。ここからは幅広緩斜面が高度にして200メートルほど続く。樹木の疎らな混交林で復路の滑りに期待が高まる。尾根が細くなってくると、その背に樹木の姿はなく、北側にカンバが並び、反対の南側はパンケニワナイ川左股源頭斜面が広がる。こちらもカンバ疎林の垂涎斜面といえそうである。最初の内は傾斜も緩く、尾根の背を直登していくが、次第に傾斜が増してくるとジグ登高に切り替える。だが、雪質は氷化していたり、固い雪面に新雪が10センチほど積もっていたりで、スキーがずり落ちてしまうこと度々である。ただ、背後の視界は大きく開けてくる。とりわけ、海別岳の白さと大きさと平坦さが目を引気付けて離さない。
久々のアイゼン そして、その南側に広がる低山群も知床の奥深さを感じさせる。左側から尾根が合流してくるとCo1150Pで、ここからは、パンケニワナイ川右股を挟んで対峙する尾根の先の東斜里岳が威容を現し、その奥の斜里岳本峰も見えてくる。尾根は一旦細くなり、傾斜もほとんどなくなるが、目の前にはCo1278Pへの急斜面が待ち受けている。スキー登高は苦しいと判断し、Co1170P付近で早めにデポする。替わりにという訳でもないが、アイゼンを履き登高を再開する。雪は固く踏み抜くことはほとんどない。それを軋ませ急斜面を登りきると、再び細尾根の緩斜面となり、ようやく、目指す南斜里岳が見えてくる。正面から右手にかけては、とにかく白い壁ともいうべき頂上群が並ぶ。頂上がやや右に傾いた南斜里岳に始まり、大きく重量感ある1508峰、馬ノ背ピークと最奥の斜里岳本峰、そして、ドーム状の東斜里岳と、圧巻の大景観である。白い山肌と群青色の空のコントラストが見事である。
落ちるなら左だ 左手の眺望も開けてくるが、標津岳やサマッケヌプリ山などに加え、摩周湖と周囲の壁のごとき外輪山が目を引く。摩周岳も900メートル足らずの山とは思えない悠然とした雰囲気を漂わせている。しかし、魅力的な景観とは別に、迫りつつあるピークへの急斜面がプレッシャーとなってくる。極端に細くはないが、両側はキツイ傾斜で頼るべきハイマツも頭部を雪面にもたげている程度である。どちらへ落ちても大変だが、左側の方が下に岩場や深い沢がなく、「落ちるなら左だ」なんて妙な発想をする。急斜面の取付きでストックをピッケルに替え、ザックもデポする。アイゼンとピッケルを確実に雪面に食い込ませ、三点確保の要領で上がっていく。高度にして50メートルほどなのだが、久々の緊張感である。以前の私ならおそらく足が竦んで上がるのを断念したかもしれない。これまた、この間の経験がものを言ったシーンであろう。
斜里へのルート よく見ると、足元の雪面には小さなエビの尻尾が出来ていて、強い風雪を物語っている。南斜里岳の北東壁などはそれらがコブのような雪面を形成している。左側から2本の尾根が合流してくると傾斜は緩み、北西方向に進むこと5分で待望の頂上だった。比較的平坦な頂上だが、油断は禁物である。ピッケルを雪面に突き刺しセルフピレイをとりながら写真を撮りまくる。新たに、屈斜路湖と藻琴山が眺望に加わるが、興味の中心は専ら斜里岳本峰へのルートである。細い稜線を辿り1508Pの直下東斜面をトラバースし馬ノ背ピークに向かう。だが、ここはナイフリッジなので私的には辛いものがある。雪が安定し雪崩の不安がなければ、鞍部1376Pから夏道にトラバースし、あとは夏道をそのまま上がるというのが良さそうである。順調に行けば南斜里岳から2時間もあれば登頂出来ると思うがどうだろうか‥。距離的には、根北峠から東斜里岳を経て本峰に至るルートが近いが、これは結構難しそうである。
険しき東斜里岳 見た目、ルートとなる東斜里岳の東尾根は傾斜が強く、ロープ確保も必要な印象であり、頂稜も狭そうである(これは北東側から見るとよくわかる)。ここをクリアしてもその先に馬ノ背ピークであり、クライミングテクニックやシステムロープワークの心得がなければ踏み込むべきでないと思う。時間も早いので1508Pまで足を伸ばすことも考えたが、萎えたモチベーションを再度アップするには至らなかった。南斜里岳で充分に満足すべき、ということだろう。30分ほどの滞在の後、下山の途につく。登りより緊張するのではないかと思った急斜面の下りは意外と楽に降りる。気を使ったのはアイゼンの歯をウエアや紐に引っかけないようにすること。私も失敗経験があり、今回の場合はタダでは済まないからだ。ザックデポ地まで降りてしまうと、難所らしい難所はなく、サクサクとスキーデポ地まで戻る。Co1150Pからはパンケニワナイ川左股源頭の斜面を滑り降りる。
足腰が持たない 足腰が耐えられれば、コースサインの回収がなければ、一気にパンケニワナイ川の渡渉ポイントまで標高差530メートルの大滑降である。それは魅力的だが、例え、コースサインの回収がなくても足腰が持たないだろう。しかし、休み休みでも充分に滑りを楽しみパンケニワナイ川に降り立つ。尾根への登り返しは、シールを出すのが面倒でそのまま斜め階段登りで突破する。尾根の端でようやく短いランチタイム。いつものおにぎりと、オレンジとバナナのデザートを食した後、行動を再開する。平坦と思えた尾根だが、やはり緩やかな下りのようで、ここでもまたスキーが勝手に滑ってくれる。30分ほどで根北峠まで戻ることが出来た。
帰路、札弦付近までは、斜里岳の東面から西面をズーッと左に見ながらのドライブで、山の美しさと雄大さを痛感する。ただ、予想通り、上空には薄い雲が現れている。2日間の遠征、首尾よく2座を制した満足感に浸りつつ、道の駅「パパスランドさっつる」で温泉を頂く。
■山行年月
2010.03.19(金)
■天気
快晴
■同行者
単独
■山行形態
積雪期登山
■コース:往路/帰路
東尾根
朝日溢れる樹林 武佐・尖峰方向
樹間に東斜里岳 東尾根@
獣の足跡 東尾根A
東尾根から東方向 海別岳@
東斜里岳@ 1278Pの奥に南斜里
南斜里と1508P Co1458Pへの登り
小さな鋭鋒南斜里 直下鞍部から頂上
海別岳A 難所の急斜面
頂上風景 大きい1508P
本峰への稜線 摩周湖遠望
屈斜路湖遠望 東斜里岳A
パンケニワナイ川@ パンケニワナイ川A
1278付近から東望 1150垂涎大斜面
「緑の回廊」看板 GPSトラック
コースタイム
斜里道の駅午前4時出発
地点分岐等 時間
根北峠 5:10
パンケニワナイ川 6:25
Co1150P 8:05
Co1278P 8:50
南斜里岳 9:40
所要時間 4:30
南斜里岳 10:05
Co1278P 10:30
パンケニワナイ川 11:15
東斜里岳東尾根Co660P 11:35
11:55
根北峠 12:25
所要時間 2:20
自宅午後05時30分到着