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227.黒岳(表大雪/1984M)
雪原に埋もれる石室や光と地形が創り出す陰と陽の白き世界に息をのむ
軋むプラブーツ このところ、北日高山域で初冬の雰囲気をたっぷりと味わってきたが、積雪量もそこそことなり、本格的な山スキーモード突入である。といっても、近間の日勝峠や狩勝峠はまだ30センチ前後のそれなので、楽しむにはやや辛い。そこで今季2度目、定番の黒岳に向かう。前回は先月13日で、その時よりも国道周辺の雪は多く、黒岳スキー場もオープンして2週間ほどが経過している。国道から見える屏風岳やニセイカウシは前回よりも完璧に白さを増している。いつものように層雲峡温泉ロープウエイ駅パーキングに車を止めるが、先客はいない。お天気が久々の好天にも関わらずである。8時20分発の2便には私の他にもう一人お客さんがいて、見ると山スキーで上に向かうようだ。凌雲岳から上川岳への山肌が日を浴びて白く輝いている。5合目・くろだけ駅で入山帳に記帳し、スキー担いでリフト乗場まで歩く。圧雪された綺麗な雪面、靴がキュッキュッと軋む。
若者に引張られ 前回とはうって変わっての冬景色が眩しいくらいである。リフトは9時から運転だが、係員さんが早めに乗せてくれる。前回は40分近くかけて7合目までスキー登高したのだが、今回は僅か10分弱、随分と楽をさせてもらった。7合目で準備をしていると、前述の山スキーヤーが上がってきた。前日のものと思われるトレースを拝借して登り始める。傾斜角のあるそれなので、時々スリップしてしまう。あまりにキツイところは綺麗な雪面に新たなトレースを刻むことになる。前回7合目直上は登山道が大きく窪んでいたが、今回はそれもほぼ埋まり、ブッシュ類もかなり姿を消している。積雪量は2メートル近いのではないだろうか。汗だくになって上がっていると、下からサクサクと上がってくる人が。直ぐに追いつかれパスされるが、帽子もかぶらず、ふさふさとした髪の毛を持つ若者で、オジサンがいくら頑張っても敵わないのは当然かと‥。それでも、若者に引っ張られるかのように上がっていくと、直下で、彼が鮮やかなシュプールを描きながら滑り降りていくのを目にする。「う〜ん、巧い!」と思わず呟いていた。
石室迄足伸ばす 1時間30分ほどで頂上だったが、そこには、好天予報を上回る雲ひとつない大眺望が待ち受けていた。ひとしきり写真を撮った後、時間も早いので石室まで足を伸ばすことにする。ルート上は強風で雪が飛ばされ岩が露出しているので、スキーを担いで降りていく。振り返ると、ピークにはロープウエイで一緒だったスキーヤーの姿が見える。踵を返し登山道を示す鉄杭に導かれつつ進んでいく。石室が見える位置まで来ると、標高差50メートルほどの下降となるが、クラストした雪面はプラスチックブーツ(兼用靴)の踵が食い込まないほどの堅いそれで、ピッケルを出そうかどうか迷ったほどである。慎重に基部まで降り切ると、石室までは150メートルほどの平坦なパウダー雪原である。スキーを黒岳にデポする手もあったが、この雪原の状況が掴めなかったため安全弁として持ってきたが正解だった。踏み跡をつけるのが勿体ないような雪面を直線的に石室に向かう。
濃さ際立つ青空 右手は黒岳と桂月岳を分かつ黒岳沢で、その奥遠くには天塩山地を望むことが出来る。桂月岳は岩やハイマツなどがかなり露出していて、今のところスキーには適さないようだ。条件が良ければと思っていたが全く無理だった。黒岳から20分ほどで石室に着く。石室もバイオトイレも屋根だけが雪面に出ている。積雪は250センチほどだろうか。ふたつの建物は、入口付近だけ雪原との間に隙間があり、下まで降りてみると、石室の強固な戸はしっかり施錠(ナンバーキー)されていた。中でランチでもと思ったが、これまた叶わぬこととなってしまった。御鉢平には地形と太陽が創り出す光と影の世界があるだけである。御鉢を源頭とする赤石川や北海沢がアクセントとなって高層平原に深い襞を刻み、周囲には直線的なシュカプラと対照的なたおやかな山並が取り囲む。何処までも行けそうで何処へも行けない、そんな風景が目の前に広がっている。雲ひとつない青空も一際濃いように感じるのは私の気のせいだろうか。
腰まで埋まる雪 屋根の横で行動食を流し込み帰路に着く。唯一黒々とした黒岳北壁左のニセイカウシュッペ山やアンギュラスの白さが際立っている。登り返しは中ほどまでスキーで上がり、その後はツボ足に。急斜面を登りきると、今度は正面に黒岳を見据えながらの緩やかなそれとなる。右手の屏風、武利、武華と続く山並、そして、クマネシリ山塊に石狩連峰、眺望は全く思いのままである。2〜3メートルほどの西風はあるが、2000メートルの高さではほとんど無風といってもいいだろう。黒岳のピークまで戻るとあとは滑り降りるだけ。早速、シールを外して滑降を開始する。マネキ岩の左を目指して弧を描いていく。雪質はパウダーで、身体は腰近くまで雪に埋まるが、スキー操作は容易である。先行するシュプールはかなり下まで降りているが、登り返しが嫌なので適当なところから、トラバース気味に西に移動する。途中、上を目指すスキーヤーやボーダーを見るが、流石に平日だけにその数は少ない。
山に開眼する前 高度を下げるにつれブッシュが煩わしくなってくる。それをかわしながら滑るのだが、木の枝に引っかかって大きく転倒してしまう。パウダーなのでダメージはなく、これも御愛嬌といったところだろう。15分ほどで7合目まで滑り降りる。丁度、若い女性ボーダー(たぶん、インストラクター)と一緒になり、上の様子などについて話をするが、弾けた笑顔が素敵な人だった。締めくくりは、ゲレンデ独特の圧雪された堅いバーンをフォームを確かめるようにゆっくりと滑る。やっぱり「辛い!」。
5合目・くろだけ駅では、久しぶりに駅舎屋上の展望台に上がってみる。観光客が僅かに2人、絶景に「綺麗!」を連発している。この高さでも、平地では考えられないような景色を目にすることが出来る。私自身、初めてここへ来た時は何時だっただろうか、その印象は完璧に忘れ去っている。もっとも、山に開眼する前で、心の目を閉じていたのだろう。今思えば、惜しいことをしたものである。
■山行年月
2009.12.04(金)
■天気
快晴
■同行者
単独
■山行形態
積雪期登山
■コース:往路/帰路
層雲峡コース
★コースタイム
自宅午前05時55分出発
地点分岐等 時間
RWくろだけ駅 8:35
七合目 8:55
黒岳 10:20
12:40
黒岳石室 11:10
所要時間 2:35
黒岳石室 11:25
黒岳 12:00
12:15
七合目 12:30
RWくろだけ駅 12:35
所要時間 1:10
自宅午後04時30分到着
シュプール 山頂の祠
夏道から凌雲と北鎮 黒い白雲岳
北海沢と北海岳 御鉢と間宮岳
石室を見下ろす 天塩山地
凌雲岳と北鎮岳 雲の平
埋もれる石室@ 埋もれる石室A
シュカプラ 御鉢と青空
輝く北海岳 白雲岳と烏帽子岳
ニセイカウシ遠望 黒岳南面
屏風、武利、武華 登山道から北望
展望台から黒岳 RWから樹氷帯