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226.十勝幌尻岳(北部日高/1846.0M)
意外な先行者Mさんのトレースに導かれ勝幌ならではの大大眺望を満喫
心強い岳友同行 11月に入り、北日高山域では7日芽室岳、24日伏美岳と定番山行をこなしてきたが、引き続く山といえば当然十勝幌尻岳になるだろう。もっとも、これは私の主観的な関連付けなのだが‥。ただ、登山口まで車で入ることが出来て、それなりに手応えのある山となれば、自ずと山は決まってしまうというのがホントのところである。今回は無類岩山(北大雪)以来、久々にTorimotoさんとご一緒することに。なにせ、ラッセル必至の山行だけに、技術は勿論、羨ましいほどの体力を持つTorimotoさんが同行してくれるのは心強い限りである。
この日は快晴予報で、6時も過ぎると、目指す日高の山々は北から南まで稜線が浮かび上がる。車中で歓声を上げつつ、上帯広、八千代と走り抜けていく。十勝幌尻岳の大きな山塊が立ちはだかるように視界に入ってくる。拓成橋を渡り戸蔦別林道へ入るが、積雪も僅かで走りやすい。
驚きの先行者は 帯広から50分ほどで登山口で、すでに車1台が止まっている。その車を見てTorimotoさんが何やら不審な表情を見せる。車を見まわし、登山ポストの入山帳をチェック。「Mちゃんが入ってる!」という。Mさんは、我HYMLのメンバーで、若くてタフな岳人である。登山者は誰も入っていない、と思っていただけに先行者の存在は意外であったし、その先行者がMさんだったというのはサプライズのなにものでもない。私達より1時間近くも前にスタートしており、私達も彼のトレースを有難く拝借し後を追う。積雪は10センチ弱、丸木橋を2度渡りオピリネップ川左岸を淡々と進んでいく。沢中にまだ日は差し込んでこないがほとんど無風状態で、直ぐに汗ばみアウタージャケットを脱ぐ。ごく緩やかな登りが続き次第に積雪量が増す。オピリネップ川は一部に凍てついた表情も見せるが、流れは露出し沢音も依然大きい。Co900付近でオピリネップ川右沢を渡渉し、夏尾根の末端に取り付く。
有難きトレース 大きく小さくジグを切ること4回、Co1150付近からようやく直登ルートに移る。途中、トレースは夏道を離れ左手沢方向に伸びるが、少し上がると再び合流してくる。夏道といっても判然とせず、僅かなカンと疎らなコースサインだけが頼りなので、それを外れることは珍しくない。もっとも、何処でも上がれる訳で夏道に拘る理由はさほどない。強いてそれを上げるとすれば、下が安定しているということぐらいだろうか。Co1284あたりで傾斜はやや緩み、尾根筋も比較的はっきりしてくるが、積雪量も多くなってくる。膝程度のそれとなり、Co1310でスノーシューを履く。Co1400付近からは傾斜も増し、Mさんのトレースがなければ相当難儀したことだろう。果たして、Mさんがどの辺まで上がっているのだろうか。時々、ホイッスルコールしたり、大声で叫んでみると微かに応じる声が聞こえてくるが、肩あたりまで上がっている感じである。Mさんとて、後ろから私達が上がってきているとは想像だにしないだろう。事後談だが、「早く追いついてきてラッセル交代してほしい」と思ったそうである。
白さ眩しき斜面 Co1500からは夏尾根名物(?)の急登が始まる。肩までの高度差は230メートルほど。水平移動距離360メートルで、傾斜角は35度近い。体感的には壁のように感じるといったら大袈裟だろうか。何度かスリップしずり落ちてしまう。スノーシューの歯も雪中でもがくだけでグリップが得られないのだ。それでも、トレースがあるおかげで順調に高度を稼ぐ。樹間から勝幌東ピークが、反対側には北部国境稜線も望めるようになる。背後には、雪を纏ったカンバの向こうにウペペやニペである。ピークでの眺望への期待が否が応でも高まってくる。北尾根が右から合流すると肩で、左手には勝幌ピークも見えてくる。北東斜面の白さが眩しいくらいである。肩からはハイマツやカンバが煩いので雪庇を利用したいところだが、それもまた成長段階で全幅の信頼は置けない。先を上がるtorimotoさんがスッポリと雪庇に嵌ってしまってからは、尾根のやや西側を上がる。
ISO感度800とは 直下カンバ帯で降りてくるMさんと出会い、互いに再会を喜び合う。ノントレース単独ラッセル5時間少々で登頂を果たしたという。昨年12月、私は同じ条件でCo1500位までしか上がれなかったことを考えると、羨むべき体力といえる。見た目ほっそりとしたタイプなのだが‥。カンバ帯を抜け出すと、視界を遮るものはなく、西側には国境稜線に連なる山々が一気に露わになる。2〜3メートルほどだろうが、流石に風は冷たくフードを被らずにはいられないほどの寒さである。クラストした雪面にスノーシューの歯を軋ませ最後の登高に耐えると、見覚えのある十勝幌尻岳のピークである。Torimotoさんと握手し登頂を喜び合う。登山口から5時間弱を要したが、ノントレースなら最低プラス1時間はかかったに違いない。何はともあれ、暫し眺望を楽しみ、カメラにおさめる。が、カメラの露出がおかしい。部分測光モード設定なのだが、どのアングルでも異常に白く飛んでしまうのである。悴む手で設定を確認してみると、ISO感度が800にセットされているではないか。慌てて100にセットしなおして撮影を何とか終える。
これこそ大眺望 それにしても大眺望とはこういうことを言うのだろう。いくら快晴といっても、どこかに必ず雲がかかっているものである。だが、北から南の楽古岳まで全く明瞭なのだ。ドーム容の1839峰、鋭鋒カムエク、札内と札内JP、エサオマン3ピークが作り出す絶妙なトライアングルバランス、極僅かな雲に浮ぶ幌尻岳、戸蔦別、1967、ピパイロ‥、主稜線から適度に離れた位置にある勝幌ならではの贅沢な眺めである。どんな絶景でも、強烈な寒さは私達が頂上に長居することを許してはくれない。東側の窪地で行動食を獲り、30分弱の滞在でピークを後にする。肩までの下りは北尾根の全景が目に入る。08年の正月、闇をついての頂上アタックが思い出される。自覚症状なしの凍傷をおったのもあの山行だった。肩からの下降では、途中でスノーシューを脱ぐ。あまりの傾斜で浮力のある分、スリップもしやすいからだ。ツボ足では難儀するかと思ったが、意外とスムーズに動くことが出来た。何より、雪がクッションとなって、膝や腰に対する負担をかなり和らげてくれたようで、足腰の疲労感がほとんど感じられないのである。
思わず車を止め もう一つはオーバーグローブの効果である。登高時からニットの手袋が少し濡れていたのだが、そのまま使用していたら、下降時に手が冷たく悴んで我慢できない。肩を降り出して直ぐにオーバーグローブをはくことに。防風・保温効果は抜群で、直ぐに手袋の濡れは乾き、手に暖かさが戻ってきた。横着せずに、もっと早めに着用していればと反省したものである。尾根取付からは倒木の処理に少し手間取るものの、1時間ほどの理想的なクールダウンをこなし14時25分に登山口に戻る。Mさんのトレースは勿論だが、Torimotoさんという強き岳友の存在がなければ、今回も途中撤退の可能性はあったように思う。彼等に感謝である。
帰路、ルームミラーに日高の山並が映る。朱に染まる空とシルエットとなって浮かび上がる稜線。その美しさに車を止め、しばし見入る。この日、その1点に自分が立ったことに満足しつつ‥。
★補足★ 今回、私はスノーシューで、Torimotoさんはワカンだったが、ほぼパウダーの雪質における浮力はスノーシューに分があるようだ。ただし、極端に傾斜のある地形はワカンの方が高いグリップを得られるようで、山域の地形特性により選択するのが理想的である。スノーシューでも「登山タイプ」に分類されるようなモデルは、勝幌、伏美あたりではアドバンテージを発揮することは間違いなさそうである。
冬靴は冬靴:伏美岳で冬山専用登山靴の必要性を痛感したが、今回は数年前に購入したColumbia製の冬靴を使用してみた。価格もリーズナブルで(2万円弱)低山ハイキング用としての購入だったので、山はほとんど未使用状態。だが、防水性、保温性ともにオールシーズンタイプよりは優れていて、「安価といえども冬靴だなあ」ということを実感したものである。
■山行年月
2009.11.29(日)
■天気
快晴
■同行者
Torimotoさん
■山行形態
積雪期登山
■コース:往路/帰路
オピリネップ夏尾根
★コースタイム
自宅午前05時05分出発
地点分岐等 時間
登山口 6:50
夏尾根取付 8:05
Co1284p 9:20
稜線肩 11:15
十勝幌尻岳 11:45
所要時間 4:55
十勝幌尻岳 12:10
稜線肩 12:20
Co1284p 13:05
夏尾根取付 13:30
登山口 14:25
所要時間 2:15
自宅午後04時10分到着
丸木橋のつらら 初冬沢風景
尾根取付付近 稜線肩直下
肩直下から北日高 肩登高中のTさん
眩しい新雪斜面 成長途上の雪庇
肩上から頂上 雪煙上がるTさん
三角点 国境稜線@
国境稜線A 国境稜線B
国境稜線C 深く険しい山並
十勝平野 札内・エサオマン
カムエク 撮影中のTさん
北尾根全景 GPSトラック