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224.雌阿寒岳・阿寒富士(阿寒山域/1499M・1476M)
忘れられたピークは穏やかさと荒涼感が混在する不思議な空間だった
遅きに失した感 私の山行歴で実質的な初登山は1998年7月の雌阿寒岳である。野中温泉コースから上がり、オンネトーコースを下降したのだが、思えば、随分と歩いたものである。積雪期にも2回(4月、12月)登っていて、阿寒はいわば庭みたいな場所である。だが、不思議なことに、雌阿寒岳の南隣の阿寒富士は未だそのピークを踏んでいない。忘れられたピークとでもいえようか。そこで、遅きに失した感はあるが初冬の阿寒富士を訪ねてみることにした。
国道241号線からオンネトー湖畔に向かう道路に分け入ると、正面に冠雪した雌阿寒岳が飛び込んでくる。本当は、大雪黒岳で山スキーを目論んでいたのだが、天候があまり良くないので阿寒へ転進した訳で、こちらは読み通りの好天に思わず笑みがこぼれる。薄氷を張ったオンネトー湖の湖面を左に見ながら、登山口となるオンネトーキャンプ地を目指す。ほどなく、薄らと雪化粧した登山口に到着。入山帳に記帳の後、アウター上下にニットの帽子、長靴姿で7時過ぎに登山を開始する。
厄介な装備選択 それにしても、この時期の装備にはいつも悩まされる。ツボのまま上がれるのか、ワカンやスノーシューはどうか。スコップやゾンデ棒、ビーコンは必要か‥。とにかく、下と上の状況が異なるだけに厄介である。今回は、ほぼ、厳冬期の日帰装備でスタートするが、荷がズシリと重い。少し林道を歩いてから登山道に入るが、前日のトレースが有難い。歩き始めは、今季一番の冷え込みもあり寒かったが、ハイマツの森は風もなく直ぐに身体が温まる。100段もあろうかという丸太の階段を上がった所でアウター上下を脱ぐ。やはり、歩きだしは寒いくらいで丁度いいのである。分かってはいるのだが、それが出来なくて‥。凍結した登山道は木の根が剥き出しになり、それを足がかりに上がっていく。積雪量は10センチほどで、登高の支障となるほどではない。この時期としては、歩きやすい方だろう。基本的には、なだらかな尾根登りだが、時々は小さな沢形を越えたりする。
不気味な雰囲気 5合目で登山道左手に小屋が建っている。板壁には「ポンマチ火口下観測局」というプレートが。雌阿寒岳の火山活動観測施設らしい。ふと、「いま大噴火が起こったらどうしょう(?)」などと、リアルに考えてしまった。やがて、前方が少し開けてきて、樹間から阿寒富士の西面が望めるようになる。周囲の積雪量も20センチ近くとなり、登山道にもハイマツが顔を出し始める。枝にはたっぷりと雪が乗り、登山道を覆っている。まるでトンネルみたいである。身体をあずけて押し開こうとするが、びくともしない。ブッシュもひどくて迂回も難しいので、止む無く「ほふく前進」的登高となる。6合目手前でようやくハイマツトンネルを抜け出すと、右手に阿寒富士北西斜面が全容を現す。西面はハイマツで覆われているようだが、北西面から北面はざれの急斜面である。ほとんど何もない白い斜面は不気味な雰囲気すら醸し出している。
低いようで高い 7合目まで上がり、アウタージャケットを着込み、簡易アイゼンを履く。視界も良好であり、何処からでも上がれそうなので、とりあえず、7合目から北斜面を上がることにする。浅い沢地形を3本ほど越えて斜面に取り付く。標高差は300メートル弱、「低いようで高い」というのが印象である。傾斜がきつく、直登は苦しいのでジグを切るが、ざれはズルズルと滑りグリップがイマイチである。所々にあるクラスト雪面はアイゼンがよく効くので、クラスト雪面を選ぶようにして上がっていく。中腹でストックをピッケルに変える。右手麓にはオンネトー湖が望めるが、いつもながらの鮮やかさである。上部に並ぶ巨岩が少しずつ近づいてくる。巨岩の隙間から上へあがると、傾斜は緩やかとなり、その先のピークへと続いている。眩しいほどの陽の光を浴びて9時30分過ぎに頂上の人となる。頂上は意外と平坦で広いが、東面と西面から南面にかけては大きく崩れている。端正な山容というイメージとは裏腹に、荒々しい一面を覗かせている。
序でに雌阿寒も 北に対峙する雌阿寒岳の大きく荒涼とした火口と活発に活動する2か所の噴気口。そして、南東斜面に刻まれた雪で埋まる何本もの沢筋などが目を引く。遠く南東方向には、オホーツクの海原が鈍く輝いている。およそ10分、眺望をカメラにおさめ、登路のやや東側を降りる。地形図記載のルートに近いはずだが、ざれ斜面にその痕跡を見つけることは難しい。20分近くかけてコルまで降りる。雪化粧したハイマツが美しい。今回は、阿寒富士が目的だったので、そのまま下山してもいいのだが、時間も早いので雌阿寒岳に上がることにする。歩きやすいところを適当に選びながら高度を上げていく。硫黄臭が強まり、噴煙で視界が極端に落ちたりもするが、煙はたちどころに霧散し青空が広がる。火口壁まで上がると、巨岩の奥に一際高いピークが見えるようになる。左足下に火口を望みながら反時計回りの緩やかな登りで、途中で阿寒湖畔コースが右から合流するが、ルート標識のエビの尻尾が立派である。
輝きを増す雪面 凍結したざれ斜面は、アイゼンの侵入を許さず、一歩毎に強い衝撃が足に走る。出来るだけ雪面を選んで歩く。阿寒富士からおよそ1時間、プチ縦走2座目の頂である。スパッと切れ落ちる足元は、覗きこむのも怖いくらいの深さと険しさで、さながら熱地獄とでもいえようか。一方、反対の東側には、剣ケ峰や噴煙上げる中マチネシリ火口、阿寒湖に雄阿寒岳、黒々としたフップシ岳‥。ゆったりとした景観は好対照である。南側には、白い噴煙と対をなすように白い阿寒富士が静かに佇んでいる。復路は、6合目まで阿寒富士の北東面から西面を終始望みながらの下降となるが、日射しが高くなり、雪面に僅かな輝きが増したように見える。北東斜面寄りに、夏道が白い筋となって浮かび上がるが、それは計算したようなジグ道だった。また、ピーク直下の巨岩も、まるで横一列に並べたよう不自然さが感じられる。6合目付近まで降りると、風もなくなり穏やかな冬景色に変わる。ここでようやく行動食を口にする。
スキーには不適 冬ともなれば、森林限界から上でランチタイムなどということはほとんどない。穏やかといっても、無雪期とは比べようもない厳しさがそこにはある。最大の難関、ハイマツトンネルを潜り抜けると、もう気を使うところはない。淡々と下降を続け、12時30分過ぎには登山口に戻る。
阿寒の山域にまとまった降雪がなかったので、必要性はないと思ったが、一応、スキーも用意はした。だが、山を歩いてみて、例え、適度な積雪量があったにせよ、6合目付近までの混み合った針葉樹の森はスキーには適さないことを確信した。特に、下りは相当に難儀すること間違いなしである。森林限界から上も、ブッシュはないが風もあり、雪質は期待できないと思われる。野中温泉ルートも同様の傾向にあり、結局、この山域の積雪期の移動手段としてはワカン、もしくはスノーシューということになるだろう。
■山行年月
2009.11.20(金)
■天気
■同行者
単独
■山行形態
積雪期登山
■コース:往路/帰路
オンネトーコース
★コースタイム
自宅午前05時15分出発
地点分岐等 時間
登山口 7:10
七合目分岐 8:40
阿寒富士 9:35
9:45
雌阿寒岳 10:50
所要時間 3:40
雌阿寒岳 11:00
六合目 11:40
11:55
登山口 12:35
所要時間 1:35
自宅午後03時10分到着
登山口案内板 丸太の階段
地震観測施設 阿寒富士北西斜面
七合目標識 取付斜面
オンネトー湖遠望 斜面上部の巨岩帯
阿寒富士三角点 平坦な頂上
雌阿寒岳全景 阿寒富士東斜面
雌阿寒岳南面 雌阿寒岳南噴気口
雌阿寒岳火口全景 頂上直下
頂上風景 フップシ岳
剣ケ峰と雄阿寒 東面とジグ道
復路の阿寒富士 GPSトラック