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217.楽古岳(南部日高/1471.9M)
楽古岳の沢は「ドラム缶」ルートだけではなく北西面直登沢も面白い
沢から楽古岳へ上がるルートとして最も一般的なのはコイボクシュメナシュンベツ川北面直登沢である。源頭に錆びたドラム缶が転がっているあの沢である。私も2004年に遡行しているが、770二股からの高度感ある滝と滑の連続に、感嘆の声をあげたことを記憶している。今回のルートは、同じコイボクシュメナシュンベツ川からではあるが、前述した沢の西側、本流Co690付近から頂上へ突き上げる沢(仮称:北西面直登沢)を遡行することにする。この沢の存在はあまり知られていない。私自身、山仲間のTorimotoさんから聞いて初めて知った次第である。
楽古林道通行止 前夜は上杵臼駐車公園で車中泊。4時過ぎに登山口の楽古山荘へ向けて出発する。国道から楽古林道に入った途端、「楽古林道この先通行禁止」の立看板が飛び込んでくる。林道歩きの長さによっては他山域への転進も考えなければならない。慎重に運転していくと、楽古一号橋から500メートルほど行ったあたりで崩落があり、道路を塞いでいた。道路左手は崖状で崩落防止の金網も設置されているが、少し大きなものになるとそれも無力のようだ。山荘までは500メートルほどだが、駐車スペースが崖の上なのでイヤラシイ。楽古一号橋まで戻り、そこから1キロ歩いて山荘には5時30分前に着く。一息入れた後、山荘横の鐘を鳴らして出発する。前方の朝日に輝く十勝岳を見ながら左岸林道を歩く。5年前に比べると随分と荒れた感じである。朝露でズボンが濡れ、入渓もしていないのに沢靴がグチャグチャになる。羆と接近遭遇した林道でもあり、いつもより多めのコールである。
違うアプローチ Co404で林道は終わるが、その先にも造材道は途切れながら続いているのでそれを使う。造材道が怪しくなっても、広い河原林には明瞭な踏跡があり、Co510付近でようやく入渓することになった。10分も歩くと十勝岳南面直登沢出合530二股でここは右である。渓相の微妙な変化を感じつつ、Co550では左岸に鋭角的に枝沢が流入してくると本流に釜付滝を見る。前回は右岸を手前から大きく高巻いたが、今回は左岸を小さく巻く。ここは最初の1メートルに気を使うが、後はバンドを楽々クリアする。帯状の流れが美しい滑滝を左岸から巻くと、釜付3メートルに行きつき、ここも左岸を巻く。前回、大高巻きし沢身に戻ったのがこの滝の上だった。このあたりから沢はひらけてくるが、右岸は絶壁状となり沢は落石の巣と化す。幸い難しいところもなく、急ぎ足で通過する。Co600で沢はやや右に曲がるがそこに貫禄のある幅広の滝(10M)がある。セオリーは右岸枝沢からだろうが、今回は左岸ルンゼを上がる。
出合から緊張感 すぐに小滝を見るが、河原が少し広がりガレだしてくる。Co650で右岸から20メートルほどの高さを持つ滝が落ちてくる。紅葉の中を落ちる流れもまた美しい。感心する一方で、落石の恐怖と闘い遡行していくと、Co690で左岸に噴き出すような滝の流入を見る。今回遡行する北西面沢の出合である。高さは15メートルほどだろうか。直瀑ではないものの、直登は許してくれそうにない。あっさり左岸から巻き上がる。滝上からは、対岸に50メートルはあろうかという筋状の滝が見られる。770左股の100メートル大滝といい、この沢は中流域の枝沢がいずれも高さのある滝となって流入するのが特徴の様である。滝上は鬱蒼とした感じだが、直ぐに小滝があり、その奥に8メートル直瀑である。左岸から巻くが、以降も階段状の小滝や滑がCo800付近まで続く。振り返ると、主稜線が秋の日射しを一杯に受けていて、暗い沢の中とは好対照である。Co835で15M3段滝、Co865で10M2段滑滝に出会うが、いずれも水際を直登する。
核心通過に安堵 Co885で斜上した流れの奥にほぼ直角に水を噴き出す滝(8M)を見る。左岸から回り込むように巻き上がると、滝の上部も3メートルほどの滑滝となっていた。Co970で右股に入ると、Co985で10メートル近い階段状の滝が現れる。水流が細いので水際を上がるが、水が多い時期などはさぞかし迫力モノだろう。寒いのでレインウエア(上)を着る。特別、濡れているわけでも風があるわけでもないのだが、この時期ともなると沢はやはり辛い。Co1100辺りまで上がると沢もグッと狭まり、とりわけ右岸が壁状に切り立ってくる。落石もあって気を使うが、沢は明らかに核心部を通過した穏やかさであり、自然と緊張感が抜けていく。背後の十勝岳に励まされながら、小規模な滑をヒタヒタと上がっていく。次第に沢形も浅く小さくなってきて、薄い灌木を掻き分けながらの登高となる。細々と流れていた水もCo1345で消失し、同時に沢形も斜面に吸収される。
優しいハイマツ 暫くは灌木を漕ぐが、Co1370位でそれを抜け出すと、前方にはハイマツの斜面が広がる。十勝岳から北へ連なる山並が一望のものとなり、辿りし沢筋がクッキリと浮かび上がる。楽古岳北西斜面の輝くカンバが印象的である。それにしても、ピークまで残り100メートルほどもハイマツを漕ぐことになるとは正直気が重い。右手のハイマツ帯側に上まで続く岩場があるので、それを使おうかとも思ったが、ハイマツ帯を横切るのも一苦労である。結局、ピーク目指してハイマツ帯を直登してみることにする。何やら、ハイマツの背丈が低そうな感じなのである。それは、予想通り天国のハイマツ漕ぎともいうべきものだった。膝下程度のハイマツは、さながらクッションのごとき易しさで私を迎えてくれる。予想外のフィニッシュに気を良くしつつ、ほぼダイレクトでピークに飛び出す。例の「ドラム缶」ルートは、東側の縦走路に出るが、今回遡行した沢はピークドンピシャであり、気分は勿論こちらのほうが断然いい。
気になる小楽古 だが、それまでの好天が、登頂と同時に少しだけガスってくる。競争するかのようにカメラのシャッターを押す。ただ、東側・十勝平野は安定していて、広尾の街や海岸線まではっきりと見て取れる。十勝岳はピーク付近の雲が中々取れないが、相変わらずの重量感である。遠くに神威岳が見えるが、考えてみると、ピリカヌプリ沢行からまだ10日間しか経過していないのだから、我ながら懲りない人間だと思う。南側では、隣のポン楽古岳が気になる。メナシュンベツ川からの西面沢を目で辿ってみるが、深くて急峻な沢筋である。今季は無理だが、来シーズンには何とかしたい一本である。山頂ラーメンを予定していたが、寒いし時間も早いので夏道から下山を始める。Co1317から尾根取付までの下降は標高差800弱、沢靴にスパイクソールを履いたので何とか凌げたが、そうでなければキツイ傾斜で滑りまくったことだろう。
夏道下降も辛い だが、本当に辛かったのは沢に降りてからだった。山荘までの約2キロの遠いことと言ったら‥。途中で「いい加減にしろ!」と泣きが入ったくらいである。ピークから1時間50分で何とか山荘に到着。ようやく、山荘の玄関でゆったりランチタイムである。おにぎりプラスラーメンはいつものメニューである。どこも虫だらけなのはいただけなかったが、それさえ我慢すればやはりあずましいのである。締めくくりは1キロの林道歩き。車が通らないせいもあるのだろうか、道の真ん中に羆の落し物が(2か所)あり、夥しい鹿の爪跡である。道路が彼等にとって快適空間とは思わないが、人や車はやはり邪魔者に違いない。
明日から10月、寒さに耐えたとしても、沢登りを楽しめるのは後1週間ほどだろう。沢納めを何処の沢にするか、そんなことを考えながら帰路のハンドルを握る。
★ 補足 ★ 今回遡行した北西面直登沢だが、北面沢のような凝縮された面白みはない。だが、690出合からCo900付近までは8メートル前後の滝や滑などが次々と出てきて、それなりの手応えはある。巻きは概して容易だが、微妙なシーンもあり侮れない。特筆すべきは、最後のハイマツ漕ぎで、その優しさは北面沢にない心地良さである。地味な印象ではあるが、「!*」評価が妥当だろう。
■山行年月
2009.09.30(水)
■天気
■同行者
単独
■山行形態
沢登り
■コース:往路/帰路
コイボクシュメナシュンベツ川北西面直登沢
夏道(楽古山荘C)
★コースタイム
前夜上杵臼駐車公園泊
地点分岐等 時間
楽古一号橋 5:05
楽古山荘 5:30
Co530二股 6:15
Co600滝 6:50
690直登沢出合 7:15
楽古岳 10:10
所要時間 5:05
楽古岳 10:50
尾根取付 12:10
楽古山荘 12:40
13:20
楽古一号橋 13:40
所要時間 2:50
(0:40)
自宅17時05分到着
Co550付近@ Co550付近A
Co550付近B Co570滝
CSの流れ Co600滝@
Co600滝A Co650右岸大滝
Co690北西面沢出合 出合の滝
対岸の大滝 出合直上の直瀑
Co835の3段滝 Co885の斜漠
沢から十勝岳 輝くカンバ
辿りし沢筋 三角点と赤ヘル
北望 東望
楽古岳南面紅葉 下降尾根の紅葉
山荘から十勝岳 GPSトラック