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209.久山岳(北部日高/1411.7M)
全道交流登山会でコースガイドの任務に「やっぱり緊張の連続でした」
毎年開催される全道交流登山会が今年は十勝を舞台に開催された。主催は北海道山岳連盟だが、主管の十勝山岳連盟が計画から準備、管理・運営の一切を担うことになり、私のような不真面目な会員にも動員要請がかかることになる。何しろ、自由人だけに無碍に断るわけにもいかずお手伝いをする羽目になってしまった。1日目は親睦・交流会が、2日目は登山がそれぞれメインである。
山は元気の源だ 初日は午前中に会場設営やミーティングを行うが、汗もかかないうちに終わってしまう。午後になると、全道各地から岳連会員が続々と到着するが、その数280名あまり。貸切バスで会場入りした室蘭や苫小牧など、胆振地域に多数の参加者を見る。やはり、日常的な山岳会活動の活動状況を反映しているようだ。意外と厳格な開会式の後、少し早目の懇親・交流会が始まる。札幌南区藤野に拠点を置く「遊悠倶楽部」の皆さんと一緒にジンギスカンを食する。その最中に、指導者研修でお世話になった先生2人にバッタリ。もう3年も経過するが、相変わらず颯爽とした先生達を見るにつけ、山は若さと元気の源の様に思う。同じ山岳会に籍を置く若いI君と山の話をアレコレするが、山に対する意欲やひたむきさは見習うべきものがある。人様に教えるほどでもないのだが、知識や技術、経験など伝えることが出来ればと思う。単独山行のアドバイスやら沢登りの話などし、9月中旬の沢遡行を約束する。21時過ぎに懇親会会場の後始末を行い、22時前にシュラフにもぐりこむ。
林道利用で短縮 2日目は本番の登山である。コースはA伏美岳、B芽室岳、C剣山、D久山岳、E新嵐山の4コース。私の担当は、Dコースの久山岳だが、一番多い100名近い参加者に少々驚いてしまう。この山は、芽室岳から東に伸びる支稜上のピークで、山の知名度も低く、ガイドなどで紹介されるケースも稀である(「北海道夏山ガイド」ぐらいか)。伏美岳や芽室岳、剣山には登っている方が多く、未知の魅力が参加者を多くしたといえるだろう。かくいう私自身、この山に上がるのは初めてで、ガイドとして参加する資格の有無を追及されると反論の余地がない。参加者を4グループに分けて、私はD班(19名)のサブリーダーで最後尾を歩くことになった。ちなみに、ガイドはリーダーと私の2人だけである。数少ないガイド本では、剣山神社が登山口とされていて、私の準備もそれに基づいたものだったが、地形図にない林道を利用することで取付尾根の北Co610付近まで車で上がることができる。距離にして4.5キロ、1時間近くはショートカットしたことになり、嬉しい誤算と言うべきか。
宗教色が濃い山 簡単な打ち合わせの後、C班に続いて出発する。5分ほどでコースは南から西に進路を変えるが、ここで東からの神社コースと合流する。ここからは北東尾根の背を忠実に辿るが、周囲はカラマツの疎林である。緩やかな傾斜の登山道は笹が刈り払われ歩きやすい。予報では好天のはずだが、高曇りで日射しは僅かである。D班の平均年齢は私ぐらいで、女性が半分近くいる。スタイルや装備、歩き方など、皆さんそれなりのレベルにあるのでガイドが殊更気を使う必要はなさそうなので一安心である。地形図683標高点を過ぎ、カラマツが姿を消すと「広場」に出る。ここで小休止。直ぐ手前にはこくわの木がありめずらしいことに実を付けていた。子供の頃はそこかしこで見られたが、今はほとんど稀である。登山道を管理しているのは剣山神社近くの宗教団体で、この久山岳も信仰の対象となる聖なる山である。この広場には「日蓮釈迦如来」の札がかけられ、石碑も建てられている。ここからコースはやや右に折れる。地形図では明瞭な尾根だが、実際には尾根の背を歩いている感じはあまりしない。広葉樹などが繁茂するせいだろうか。
脱落者Gを担当 増す傾斜に比例するかのように身体が汗ばんでくる。周囲にはミズナラの巨木が見られるようになる。順調に登高を続けていた我Dパーティだったが、Co780付近で2名が遅れだす。この場合、一般的にはその人達をパーティの前部(先頭の直後)で歩いてもらうが(全体のペースは当然落ちる)、それでもなお遅れる場合は別グループとしての対応が必要になる。今回、遅れだした時点で当事者達には、パーティについていくという意識は乏しいようで、事情を聴くと「マイペースで上がる」という。今次交流登山には、参加組織の自己管理というルールがあり、軽微な負傷や僅かな遅れなどについては、当該組織内で対処する確認があった。基本的に事態の把握は任務の内だが、私達ガイドが付き添う必要はない。それでも遅れが大きすぎるので、リーダーに言って、私が後続グループにつくことにする。ここに至り、私のガイド登山も波乱を帯びたものになってしまう。70歳くらいの登山者のペースが超スローで、肩で息をしながらの登高が続く。ストレスを感じないと言ったらウソになるが、私が70歳で彼ほど行動できる保証はない。やさしい気持ちでのんびり上がる。
時には下り優先 Co930で右手から尾根が合流し、コースも西から南西に進路を変える。登山道にも巨岩や謂れのある樹木が次々と現れてくる。当然のように、それらには立派な名が付けられている。例えば「母の胎内」「父の胎内」「石松安産岩」「大蛇の通り道」「根性の松」「屏風岩」といった具合である。そこを通過するたびに、その名を読み上げ、感心したり笑みを浮かべたりする。単調な登りにはちょっとしたアクセントにはなっているようだ。周囲がダケカンバ林に変わる辺りからは、先行していたA班B班が登頂を果たし降りて来るのと行き違う。彼らが待ってくれるのはいいが、何しろ20名ものパーティなので、ちょっとしたプレッシャーである。登り優先とはいいつつも、今回ばかりは、下り優先の方が現実的といえるだろう。私もそうだが、ルールの応用という面に弱さを抱えているようだ。尾根形状が斜面に吸収されると前峰は近い。C班と行き違うと10分弱で前峰だった。そこには「10分で山頂」という標識があり、頂上方向からは登山者達の声も聞こえてくる。
芽室岳の印象が スタート時間がタイムプランより早い分、時間には余裕があるので山頂まで行ってもらうつもりだったが、2人はここから下山するという。彼らの判断を尊重し、私はピークに向かう。直下鞍部で久山コースの統括リーダーHさんが待っていてくれる。9時50分、Dパーティの待つ頂上に立つ。剣山同様に狭い頂上だが、鞍部にザック類をデポしているせいで、何とか全員が立てている。最初に上がりDパーティの到着を待っていた無線責任者のIさんは「寒い」を連発する。風もなく穏やかだが、流石に山は秋の気配である。剣山と同じ東側からの北日高の眺望、いつ見ても、何度見ても心惹かれるが、西の芽室岳の何とピラミダルなことか。見る角度により山の印象が随分と違うことを実感させられる。滞在およそ10分、「ホシガラスの会」が作製した山頂標識に見送られてピークを後にする。下降のポイントは、前峰からのキツイ下りでスリップしないことぐらいなのだが、とかくアクシデントは気の緩む下りや、なんでもないところで起きるもの。気持ちを引き締めて下山の途に就く。
縦位置フラット 私の前を下る登山者が2度スリップするが、事なきを得てホッとする。急な下りの場合、どうしても腰が引けて足(登山靴)の運びが斜面に対して横向きになってしまう。ソールのグリップパターンは横に切ってあることが多く、尚更滑ることになる。極力、重心を低い位置に維持し、足(登山靴)を斜面に対して縦向きフラットに置くことを心がけるべきなのだ。後は、ブッシュや木の枝などを上手に利用するのも手だろう。途中2度の休憩をはさみ約2時間で登山口まで戻る。前峰から下山した2人も無事に下山し、滞りなく山行を終える。この世界、「何もなくて当たり前で何かあったら大ごと」である。ガイドとしてはようやく緊張感から解放された瞬間である。私自身、そんなに気を張っていたつもりはないのだが、終わってみると疲れがどっと出てしまった。嵐山CSに戻り、車中で仮眠のつもりが、うっかり寝過ごし、閉会式を欠席してしまったのもその現れであろう。
★ 補足 ★ この山は宗教団体が維持・管理に当たっていると前述したが、「ホシガラスの会」創設者が、それ以前から登山道の整備などに当たり、同会設立以降は会の事業として引き継がれている。現状は、両者が協力して登山道の手入れをしているというのが正確なところである。
■山行年月
2009.08.30(日)
■天気
■同行者
道岳連会員19名
■山行形態
夏道登山
■コース:往路/帰路
新林道コース
本部会場 開会式
十勝岳連ワッペン カラマツ林を行く
名称不詳 急登開始
安産岩父の胎内 前峰標識
山頂から1967峰 GPSトラック
★コースタイム
嵐山CS5時00分出発
地点分岐等 時間
登山口 6:40
広場 7:05
前峰 9:40
久山岳 9:50
所要時間 3:10
久山岳 10:00
前峰 10:10
広場 11:30
登山口 11:55
所要時間 1:55
嵐山CS12時35分到着