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207.春別岳(北日高/1491.8M)
衝動的お盆沢行は難易度も適度ながら詰めのルート変更が裏目だったかも
北日高・沙流川水系のパンケヌーシ川や千呂露川沿いの山で沢から登下降したのは雲知来内岳のみで、このエリアはほとんど手つかずの状態である。アプローチも比較的良いことから、時間が許せば極力この山域に入りたいと思っていた矢先のお盆である。本当は家でゴロゴロパターンの予定だったが、ある事情で20日頃まで沢に入れないこともあり、急遽、春別岳の北東面直登沢を遡行し、東面直登沢を下降するプランを思いつく。
渓相に類似点が プランは実行してこそ意味があるわけで、そそくさと沢支度をして3時前には家を出る。十勝はこの日の快晴を約束するかのように東の空が朱色に染まる。だが、日勝峠あたりでは山に雲がかかりはじめ、峠を超えると完璧な曇空となってしまう。出鼻をくじかれた感は否めないが、雨さえ降らなければ遡行するつもりなので、躊躇することなくパンケヌーシ林道へ分け入る。雲知来内沢行時はゲートで一波乱あったので、今回はしっかり合鍵を用意したことは言うまでもない。国道から9.4キロほど入った所が北東面直登沢出合である。準備を整え、林道の脇から入渓するが、流れも細く暗く鬱蒼としている。先日の雲知来内岳もそうだったが、沢は流木に覆われ雰囲気は良くない。渓相には類似点があるようだ。25分ほどでF1(10M)である。ここは右岸を巻いて上がる。左岸からも巻けそうだが、少し傾斜が嫌な感じだ。沢が緩やかに右に曲がり10分も歩くと、今度は15M滑滝(F2)で、扇状に広がる水の流れが美しい。右岸を上がるのが楽しそうだが、単独だから無理はせず、左岸の藪を木の枝に掴まりながら滝上に出る。
100Mに滝三連発 息つく暇もなく、Co720でF3である。ここはゴルジュっぽい地形で、見えているのは正面の丸太がかかった7Mとその上の3M(推測)だけだが、最奥にも水飛沫を上げる流れがあり、どうやら三段滝の様である。迷うことなく、左岸の傾斜のある涸沢から大きく巻くことにする。上から滝の様子を確認したいのだが、20メートル近く切れ落ちた足元を覗きこむ勇気はない。スリップしないように注意しながらトラバースし、滝上に降りる。三段で30メートルほどはあったような気がするがどうだろうか。僅か100メートルも上がらないうちに大物が3連発、この先どんなものが出てくるのか。Co860二股までは等高線も込み合い、V字谷のようなので期待が高まる。だが、沢の上流は濃いガスに包まれ、霧雨も落ちてきた。雨粒になれば撤退だなあ、と思いながらの遡行となる。大物は出てこないが、2〜3メートルの小滝と滑が断続的に出てくる。これはこれで手応えがあり飽きさせない。Co860二股は左右とも同水量だが、ここは左へ入る。背後に望む山並も雲間に見え隠れし、その全容を露わにはしてくれない。
まるで天国の藪 方角的にはペンケヌーシ岳あたりだと思われるが‥。沢は傾斜が増すが、核心部は過ぎた感じのする穏やかな風景が広がる。Co955は二股形状で水量は左1右3、左岸に大岩が鎮座する右股に入る。Co1050二股は水量の多い左に入る。右をとれば春別岳西峰である。Co1100付近でも二股に出会う。左は水流があるが右はない。但し、コンパスは右を差しているのでそれに従う。源頭の常として、地形図に現れない沢形状が頻繁に出てくる。次のCo1135二股を右にとると、Co1190二股では落差15メートルの涸滝が壁のように行く手を阻む。右岸から、木の枝に掴まりながら力任せに上がる。水流のない割には顕著な沢形を淡々と上がっていくと、Co1250で二股にぶつかる。ピーク直登は右と分かってはいるが、沢形は明らかに左の方が明瞭だ。ピークまで標高差約250メートル。濃いガスの中での藪漕ぎは極力避けたいところだ。早めに稜線に上がった方が藪漕ぎは少ないと判断し、当初設定ルートの右をとらず、左に入ることにする。沢形は徐々に浅くなるが、薄い灌木帯なので普段の藪漕ぎからするとまるで天国である。
傾く三角点標識 傾斜が強まりスリップはするが枝に掴まり上を目指す。左手が明るくなり、手の届く位置に尾根が見えだしてきた。Co1400付近の稜線に上がり、そこからは尾根の背を忠実に詰めていく。相変わらず灌木のブッシュだが、予想に反してやや濃い。それでも所々獣道を拝借してスピードアップを図る。ハイマツはほとんどなく、右足元の植生も同様だ。これなら、1250から右に入ってもさしたる困難はなかった可能性大である。ピーク手前で傾斜はなくなり、やや右に灌木を漕ぐと狭い頂上である。一等三角点らしいが、標識は大きく傾いている。視界は200メートルくらいだが、時折、ガスが切れて下まで見通せたりする。水分を含んだ灌木漕ぎで全身ずぶ濡れ状態。風でもあろうものなら寒くてジッとしていられないところだが、幸いそれはない。木の枝に付けられた赤いテープ、側に咲くコガネギクの黄色が鮮やかだ。行動食を頬張り20分ほど休んだ後、下山の途に就く。東面直登沢を下降予定だが、雲知来内東面直登沢の例もあるので楽観は許されない。
超幸運な腕時計 往路を少しだけ戻り、コンパスをセットし適当なところから沢に降りる。直ぐに笹藪の中の沢形に出会う。灌木などには切り込みなども見られ、北東面直登沢よりも人の気配が感じられる。Co1220で突如として水流を見る。水際の灌木の枝にはコーステープも。少し日射しも出てきて、これだけで気分が明るくなる。見下ろすと下山口の二の沢出合付近の対岸の高みが視界に入ってくる。安心したのもつかの間、時計がないことに気づく。少し前に腕に絡みつくブッシュから無理やり手を抜いたのだが、その時に落ちたのだろうとあたりを付け戻ってみるとあった!。高度計やコンパス内臓のものなので安くはない。幸運に感謝である。Co1070で滝(5M)が現れ、右岸から巻いて降りるが、降口には残置スリングがあった。Co960付近には三段20メートルがあり、ここも右岸を巻いて降りるが、傾斜があるので気を使う。このあたり左岸が崩落しており、巨岩が沢を埋めている。そんなに古いものではないのでヒヤヒヤしながら下降となる。
登頂狙い東面沢 何とか通過するとCo910二股で、右から沢が合流してくる。今度は流木が沢を埋める。二股直下で滑滝っぽい5Mを左岸から巻き降りる。Co860の滝(5M)はさくさくと降りられそうな気がしたが、実際に試してみるとやはり怖い。あっさり左岸を巻く。この滝を過ぎると、小さな滝は出てくるものの、巻くようなものはない。階段状の流れをひたすら降りるだけである。短い沢なので、傾斜は平均きついようだ(斜度26度位)。傾斜が緩まると川原林も出てきて、すこしうす暗くなる。そこを抜け出すと、前方に日射しを受けて輝く林道があった。ザックをおろし、暫し休息をとる。この東面直登沢は滝なども出てくるが、巻き道もあり難しいものはない。ピーク直下まで沢形があり、藪漕ぎもやさしいので登頂狙いオンリーならこの沢だろう。沢が短いというのも嬉しいはずだ。そんなことを思いつつ、1.3キロほどの林道歩きでお盆沢行を締めくくる。
★ 補足 ★ 今回の沢行にはもう一つの目的があった。雲知来内岳東面直登沢で落としたバイルを見つけるというもので、車のシートにナイロンをかぶせ沢装備のまま出合まで運転する。鈴と羆撃退スプレーだけを持って、足元に気を配りながら砂防ダム左岸を越えていく。砂防ダムの笹斜面と思っていたが、そこにはなかった。下降ルートを思い出しながら535二股まで上がる。もう少し上がってなかったら諦めようと、右股を50メートルほど行くと流れの中にそれはあった。少し錆が付いているが、私の来るのをジッと待っていたのかと思うとモノながら可愛くなってしまう(笑)。
思えば、その後、登山ショップにバイルを買いに行ったのだが、品切れだった。もし、現品があれば迷わず購入し、当然捜しにも来なかっただろう。そう考えると、このバイルは私の手元に戻る運命だったに違いない。ああ、良かった。
■山行年月
2009.08.15(土)
■天気
■同行者
単独
■山行形態
沢登り
■コース:往路/帰路
北東面直登沢
二の沢東面直登沢
F1 F2
F3 Co840の滑
Co900付近 955左岸の大岩
Co1020付近@ Co1020付近A
Co1190の涸滝 狭い頂上
傾いた標識 頂上のコガネギク
Co960の滝 Co900の滑滝
Co860の滝 GPSトラック
★コースタイム
自宅午前2時50分出発
地点分岐等 時間
北東面沢出合 5:40
F1 6:00
Co860二股 7:00
Co1050二股 7:55
稜線 9:25
春別岳 9:50
所要時間 4:10
春別岳 10:10
Co1220源頭 10:40
Co910二股 11:25
二の沢出合 11:55
所要時間 1:45
自宅午後4時20分到着