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205.雲知来内岳(北日高/1241.1M)
優しい北東面沢を楽しみスリル満点な東面沢と格闘する一石二鳥の沢旅
「今年の日高は残雪が多い」との情報があちこちから聞こえてきて、標高の高い山に突き上げる沢や、北や東に面する沢に入るのは二の足を踏んでしまう。そうなると、日高では北か南の沢、それも、ピーク標高がせいぜい1300から1400ぐらいの山になる。そんなセオリー(?)に基づき選んだ沢は、北日高でも北端に近い雲知来内岳である。この山は西側の雲知来内沢から一度上がっているが、今回は東側の2沢を登下降するプランである。。
身体を引きずる 遡行沢の北東面沢も下降沢の東面沢も、2キロほどの短い沢なので早立ちの必要はないとみて、いつもよりは遅めに家を出る。ただ、アプローチとなるペンケヌーシ林道にはゲートがあり、鍵がかかっていれば3キロほどの林道歩きがあるので、のんびりドライブとはいかず、ついアクセルを多めに踏んでしまう。そのゲートといえば、ニセイチャロマップ大函林道ゲートで苦い経験をしたばかりだが、こちらのゲートは鍵がかかっておらずすんなり北東面沢出合まで入ることが出来た。幸運に感謝しつつも、帰りに閉まっていたらどうしよう、と一抹の不安を覚える。だが、歩き始めると直ぐに忘れてしまった。初めは左岸の造材道跡を歩き、Co540付近から沢に入る。川原はほとんどなく、いきなりV字谷だが流れは細い。倒流木が多いのは沢形状と無関係ではないだろう。モチベーションが上がらず重く感じる身体を引きずるように上がっていくと600二股で、ここは水量の多い左に入る。右股奥に10メートルほどの滝が見える。680二股は右岸から浅い沢が流入していて、正確には三股だが、ここは中股を選択する。
直瀑に手足出ず 荒れた沢が落ち着きだすと滑が現れて、それは760二股まで続いていた。目指すは右股だが、10メートル直瀑には手も足も出ない。左右の巻きも許さず、暫し地形図とにらめっこする。結論は、左股を少し詰めて、傾斜の緩むところで左岸尾根を乗越すという選択である。滑を100メートルほど上がり笹藪の左岸尾根を乗越す。このあたり、左股も右股も細尾根を挟んで並行して流れていて、容易に沢身に戻ることが出来た。ただ、エゾアジサイの斜面なので、痛めないように下降には気を使ったものである。二股まで戻り滝の偵察とも思ったが、下降は別の沢だし、肝心なのはこれから上と思い直し遡行を再開する。何が出てくるか、ワクワクしながら上がるも何にも出てこない。そうこうしているうちに核心部と思われる高度を過ぎてしまう。935二股を左、995二股、1050二股を右、続く1070二股を左、最後の1125二股を右に入る。直ぐに、水流も沢形も消失し笹藪に突入する。コンパスを合わせ、ひたすら背丈ほどの笹藪と格闘する。30分ほどで頂稜北に上がり、そこから15分近く笹を漕ぐと待望の頂上だった。前回は見ることが出来なかった三角点標識もしっかり確認する。展望もなく、おまけに風もないので熱が身体にこもる感じである。頭から水をかぶり少しクールダウンする。行動食をとりながら20分ほど休み下降に移る。
優しい沢が一転 東面沢も渓相に変化はないだろうと気楽に笹藪を漕いで行く。北東面沢と似たような源頭風景を半ば尻滑りしながら降りて行くと、Co1050で沢形にぶつかる。既に水流はあるが、その流れを巨木が塞いでいる。どれほどの時間が経過したのだろうか。それには苔とキノコが繁殖し、ある種異様な光景である。命ある樹木が朽ち果てていくプロセスを見ているような感覚にとらわれる。Co900付近の二股まで下がると水流は増してきて、Co850で小滝が現れる。ほどなく滑が出てきて、これは北東面沢より面白いかもしれないという予感を抱く。その予感は当たった。Co800からは沢が細かく蛇行し、両壁が立ってくる。左岸はハングした巨岩で、暗く、さながらゴルジュといった雰囲気の中、3〜5メートルほどの滝が5段6段と続くのである。初めこそ小さく巻いて降りたが、そのうち行き場を失い右岸を懸垂でまとめて降りる。背丈ほどもある巨岩が転がる沢を少し下ると今度は10メートルの直瀑に出会う。此処も巻けないので右から懸垂。引き続く10メートル2個は左左、すだれ状の8メートルは左から試すも右、直後の10メートルは左をそれぞれ懸垂で降りる。私の沢経験では、「ここは絶対に懸垂下降」という場所はそう多くはない。1本の沢でこれだけ選択肢がないというのは初めてである。
威圧感溢れる沢 このあたりの緊張感は久々で、必死で降りたというのが正解かもしれない。その下でも滝が出てきたがここは右岸を巻いて降りた。とにかく、Co830からCo600あたりまでは滝滝滝で、ロープなしでは絶対に降りられないだろう。僅かに差し込む光で黒光りする岩肌は迫力に満ちていて、その威圧感たるやこちらが完全に圧倒されてしまった。メモをとったり、写真を撮ったりする余裕がないのだ。この山行記もあいまいな記憶をもとに書いているので正確性には欠ける。GPSのトラックも核心部のそれは誤差が大きく、これほど飛んだのも初めてである。535二股まで降りるとようやく緊張感から解放される。出合付近と思しきパンケヌーシ川右岸の高みが目に入ってきてホッとしながら歩いていると、今度は高さのある砂防ダム3連発で、泣く泣く左岸を巻く。しかし、そこを抜けると目の前には沢に架かる橋が飛び込んでくる。下降終了点の林道にようやく辿りついた瞬間である。11時過ぎに下降を開始し林道着が14時。僅か2キロ弱の沢下降にこれほどの時間を要するとは、全く想定外であった。
バイルとゲート この東面直登沢を遡行するとしたら6時間近くはかかるかもしれない。私が登下降した雲知来内岳3沢の中では文句なしに難易度は一番高い。「山谷」的グレードでは、中級レベル相当という印象である。締めくくりは1.5キロの林道歩き。東面直登沢の余韻に浸りながら20分ほどで車まで戻る。泥だらけになった装備をチェックしているとバイルがないことに気づく。535二股ではザックに付いていたのでそこから車までの間に落としたらしい。買って間もないのでもったいないが探しに行く気が起きない。というのも、林道のゲートが気になっていたのである。東面沢出合で奥に向かう北電の車を見かけたのだが、もし、ゲートに鍵がかかっていた場合、あの車の戻りを待てば出られる、という目算が働いていたのだ。急いで後始末をして、戻りの車が来ないうちに東面沢出合まで行ってみるが発見できない。諦めて帰路につくが、私の胸騒ぎが残念ながらズバリ的中し、ゲートにはしっかりと鍵がかけられていた。ここの鍵はダルマ式で合カギが必要なタイプである。
30分間待つのだ 大函ゲートのようなダイヤル式なら色々試してみることもできるが、それは不可能である。連続して林道ゲートにしてやられた感じがして苦笑してしまった。幸い、携帯は通じるので顛末を娘に知らせ、後は戻るであろう北電の車をジッと待つことにする。食料はあるし、最悪、明日になれば誰か来るだろうというアバウトさである。これも携帯が通じ自由人ならばこそである。私の読み(?)は当たり、ものの30分と待たないうちに例の車が戻ってきた。訳を言って一緒に出させてもらう。気のいいおじさんが、「入る時はどうしたの」と聞くので、開いていたと言うと「そうかい」といって笑っていた。無許可入林を咎められるのではないかと思っていただけにラッキーという他ない。思わぬ「落ち」が付いてしまったが、東面直登沢の強烈な印象は少しも損なわれるものではない。次回は、早立ちして東面直登沢を遡行したいと思う。勿論、ゲートの鍵を用意して、春別岳とかパンケヌーシ岳、芽室岳、ルベシベ山などをついでにやるのもいいプランである。そうすると3泊か4泊か、自由人故の沢旅になりそうである。
■山行年月
2009.08.04(火)
■天気
■同行者
単独
■山行形態
沢登り
■コース:往路/帰路
北東面直登沢
東面直登沢
下流域滑@ 下流域滑A
760二股滑 下流域滑B
760右股滝@ 760右股滝A
エゾアジサイ 三角点標識
頂上風景 東面沢源頭
朽ちる巨木 820付近の滑@
820付近の滑A 連瀑@
連瀑A 巨岩帯
核心部の滝@ 核心部の滝A
核心部の滝B GPSトラック
★コースタイム
自宅午前5時15分出発
地点分岐等 時間
北東面沢出合 7:30
Co760二股 8:25
1125二股 10:00
雲知来内岳 10:45
所要時間 3:15
雲知来内岳 11:05
Co900二股 11:40
Co740二股 12:40
林道 14:00
北東面沢出合 14:20
所要時間 3:15
自宅午後5時35分到着