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204.音更山(東大雪/1932.0M)
屏風岳九滝沢は大函ゲートで門前払 秋葉沢に転進し沢から夏道を周遊する
北大雪の屏風岳は残雪期に南西尾根からピークに上がっているが、沢からはいまだ未踏である。今期中に何とか遡行したいと考えていた矢先に谷本さんから「九滝の沢」のお誘いが入る。今年2月、狩勝山をご一緒したOginoさんも同行するという。お二人にとって屏風岳は、大きな試練と喜びを与えてくれた特別な山で、それだけに思い入れも強いという。若く強い2人が辛酸をなめた山、軟弱な私でも2人の力を借りればなんとかなるだろう、との読みで同行させていただく。
ゲート鍵開かず 例によって週末の天気は思わしくない。この日も曇りマークだが、午後からは下り坂で、僅かだが降雨もあるらしい。どうやら「スピード遡行」を強いられそうで、プレッシャーを感じる。だが、三国峠のあたりからはガスが切れて青空が広がりだす。天気予報がいい方に外れるかもしれないという予感と期待が‥。5時30分過ぎに大函パークに到着。1分もすると見覚えのあるOginoさんの車が入ってくる。6時待ち合わせだが、お互いに30分の早着。これは以心伝心というべきか‥(笑)。早速、ニセイチャロマップ林道・大函ゲートの解錠にとりかかるが、鍵が交換され、解錠番号も変えられているため開かないのだ。30分以上も格闘するが鍵はピクリともしない。入渓点のニセイチャロマップ第一川出合まではおよそ5キロ。急ぎ足で歩いても最低1時間はかかる。登下降時間や天気動向を考えると林道歩きという選択肢はない。悔しいが屏風岳・九滝の沢を諦め、由仁石狩川・秋葉沢から音更山へ転進する。代替プランをしっかり用意するあたり流石の2人である。
野イチゴと羆糞 ユニ石狩岳の登山口にOginoさんの車をデポし、1.2キロほど下流の秋葉沢出合まで移動。7時前に歩きだす。暫くは秋葉沢右岸の造材道を行く。狭い川幅に似つかわしくないほど広い川原だが、なんとなく鬱蒼とした雰囲気である。ただ、お天気がいいので気分は軽やかだ。造材道には比較的新しい羆の糞とともに、赤い実を付けた野イチゴも見られる。造材道が沢の左岸・右岸と切り替わる頃になるとそれはもう判然としなくなり、Co1200付近から本格的な遡行開始である。といっても、川幅はせいぜい2〜3メートルで水量も多くはない。前方に稜線と小ピークが見えてくるが、地形図もないので特定することは出来ない。GPS表示からはポン音更山ぽいがどうだろうか。OginoさんはGPSの他に5万分の一地形図も用意しての行動で、詳細度では劣るものの、広範囲を網羅するメリットは大きい。Co1330二股を右に入り、次のCo1380二股も右をとる。ここまで所々にピンクテープがあり、人の気配を感じていたが、ここCo1380二股では岩につけられた鮮明な矢印に出会う。但し、このサインは左股をさしており、音更山を目指したものではないようである。
優しさ一杯の沢 青い空と強い日射しのもと淡々とした遡行が続く。美しさも厳しさもなく、あるのはただ優しさだけ。こんな沢行も時にはいいと思う。Oginoさんも谷本さんも何処となくリラックスした表情である。沢が南西から南東に緩やかに曲がっていくと沢はスッキリとした渓相に変わってくる。Co1500付近で長さ100メートルほどの雪渓を見る。北に面する沢なので、その先ももしかして雪渓か‥、と思ったがその予想は外れた。冷たい水を飲みながら沢筋を振り返る。ニセイカウシから屏風、武利・武華あたりまでが遠望できる。異口同音に「この好天は終日持ちそうだ」と。水流は雪渓のすぐ上で岩場に消えていく。高度からして、ここが源頭とも思えないが念のため水を確保し岩場を上がっていく。小さめの岩で不安定なそれが多く、足元がグラグラするので少し気を使う。沢筋をそのまま詰めれば、音更山の東の縦走路に出るが、ピーク方向の斜面は膝丈程度の薄いハイマツとガレ、絨毯のごとく山肌に覆われている。先頭を行くOginoさんがそれらを上手に避けたり選択したりしながら、Co1800付近から沢筋を離れダイレクトにピークへ向かう。
いつもの単独行 このあたりになると、私は最後尾からバテバテになりながらの単独行(笑)である。先を上がる2人が高みに消え、ほどなくOginoさんが顔を出し「ピークですよ」と。力をもらい一登りするとドンピシャで音更山のピークだった。私達の他に単独の登山者が一人、東大雪らしい静寂に包まれている。西の石狩岳や槍に僅かに雲を抱くニペソツ山、南に横たわるウペペサンケ山、そして、クマネシリ山魁。勿論、雄大な表大雪の山々も露わになっている。7月中旬トムラウシ山で遭難事故があった時、Oginoさんも同ルートを縦走中だった。そのルートを指で辿りながら当時の山の様子を語ってくれる。完全な雨対策を講じたにもかかわらず、下着までずぶ濡れになったという。この状態で長時間強風に晒されたとしたら‥。ツアー登山者を襲った雨風は想像を絶するものであったに違いない。それにしても、彼は2泊3日で旭岳から十勝岳までを歩いている。その体力と気力を少し分けて欲しいくらいである。
辛いブヨ沢下降 少し下がったテン場でランチタイム。ノンアルコールビールで乾杯しラーメンをいただく。側のチングルマ(絹毛)が風にそよぎ季節の移ろいを感じる。復路は、夏道をブヨ沢CSまで行きブヨ沢を下降するプランである。音更山東肩から一気の250メートル下降には膝が笑ってしまう。このルートは2度目だが、ここの急登を考えると西進だけはしたくないと思う。悪天はもとより、強烈な日差しも体力を奪う。時折吹き上げる沢風が何よりうれしい。涼風が何杯もの水に相当するといっても大袈裟ではない。稜線南側(十勝側)は総じて急峻で、石狩岳あたりの沢は雪渓に埋まっているところもある。遡行グレードも高く、私など進退きわまるかもしれない。ブヨ沢CSからは正面にユニ石狩岳を望みながら沢を下る。水は美味しいが蚊はうるさくて、手や顔をあっという間に刺されてしまう。谷本さんの虫除けスプレーで何とか難場を切り抜ける。
更に膨らむ期待 この沢は、石狩側から音更山や石狩岳へのショートカットルートとして定着しているようで、少し滑るが登山靴を少し濡らす程度で済むのはありがたい。ブヨ沼CSから30分も下ると十石峠からの夏道に出会う。ユニ石狩岳西斜面の「大崩れ」から「鳴兎園」へと辿り、静かな樹林帯を抜けるとユニ石狩岳の登山口である。到着時間はほぼ15時、「観光的」登山ではあったが、気が付いてみると8時間にも及ぶ山行だった。
屏風岳九滝の沢がダメになり恐縮するOginoさんだが、私としては充実した山旅であった。屏風の楽しみが更に膨らんだこともある意味嬉しい。より高いモチベーションでリベンジできる機会を待ちたいと思う。そのためにも、大函ニセイチャロマップ林道ゲート鍵番号を入手しなければならない。所轄の森林管理事務所が教えてくれればよいのだが‥。
★ 補足 ★ Oginoさんが語ってくれた縦走中の話が記憶に残っている。彼は初日に、忠別小屋を利用したが、他には本州からの登山者が1組だけの独占状態だった。翌朝、彼等に「快適な小屋でしたね」と言うと、「朝食が出ないから」と不満げな様子だったという。信じられないような言葉に驚くやら飽きれるやら‥。考えたくないが、ツアー登山の参加者達がこんな感覚で大雪を縦走していたとすると、遭難事故は登る前から起きていたといえるだろう。
■山行年月
2009.08.01(土)
■天気
■同行者
Oginoさん、谷本さん
■山行形態
沢登り
■コース:往路/帰路
秋葉沢
ブヨ沢
秋葉沢出合 Co1380二股
雪渓上部から 沢筋とガレ斜面
ガレからポン音更 三角点標識
石狩岳@ 石狩岳A
ポン音更山 絹毛チングルマ
ブヨ沢西コブで ニペソツ山遠望
CSからユニ石狩岳 ガレ場の夏道
羆害の看板か GPSトラック
★コースタイム
自宅午前3時25分出発
地点分岐等 時間
秋葉沢出合 6:55
Co1330二股 8:20
1500雪渓上部 9:00
9:20
音更山 10:40
所要時間 3:45
音更山 12:00
ブヨ沢CS 13:30
夏道 14:00
ユニ石狩登山口 15:00
所要時間 3:00
自宅午後5時55分到着