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197.双朱別岳(北部日高/1347.2M)
09年シーズン最初の沢登りは蝦夷梅雨ついてのニセクシュマナイ沢
沢屋達にとって、6月の声を聞くと身体が条件反射のように疼いてしまうという。沢屋のレベルには遠く及ばない私でさえ、気持の高ぶるのをはっきりと自覚できる。だが、09年シーズンは少しばかり様子が違う。とにかく、雨が多く気温も低い。「蝦夷梅雨」ともいわれる天気が続き、特に、週末の悪天はパターン化し、目を覆うばかりである。こうなってくると、ピーカン沢登りなど夢のまた夢で、降らなければいいや、という気にさえなってくる。
川音に沢の匂い そんな訳で、今年最初の沢は、曇空のもと敢行することとなった。選んだ沢は、北日高の1347.2ピーク(通称・林業界の双朱別岳)に突き上げるニセクシュマナイ沢。この沢は、2006年6月に指導者研修で遡行しているが、難易度もそこそこで「面白い沢」との印象がある。勿論、南に面しているため雪渓がないだろう、との読みも働いての選択である。濃いガスに包まれた日勝峠を越えて日高側に入ると、それは少し薄くなり、目指す双朱別岳も中腹辺りまでは望めるようになる。ウエンザル橋を過ぎると国道右に堰堤があり、直下流がニセクシュマナイ沢出合である。堰堤側の駐車スペースに車を止め、沢スタイルに変身する。考えてみると、前年8月の雪盛山以来で、心地よい緊張感に包まれながら入渓する。沙流川本流を渡渉し、右岸から流入するニセクシュマナイ沢に分け入るのだが、石の滑りが酷く、いきなり転倒してしまいそうで気が抜けない。暫くは崖崩れや流・倒木で荒れた渓相である。川沿いに生い茂る蕗、水の音、そして匂い‥。沢独特の雰囲気を満喫しながらの遡行である。
核心部は滝三昧 550二股を右に入り、600二股を右に入ると渓相はようやくスッキリしてくる。次第に岩盤なども現れ、核心部に近づきつつあることを実感する。Co740のF1(2m)は右岸のバンドを上がり、Co770のF2(10m)も右岸の笹を頼りに滝上に出る。幅広の中々美しい滝だ。前回、左のガレにルートをとり、藪を漕いで滝上に降りたことを思い出す。明らかなミスルートで、どうしてあんな選択をしたのか‥。反芻する余裕もなく、Co795でF3(8m)に出会い、ここも右岸を小さく巻く。左岸直登も可能だが、初沢で無理は禁物だ。10分ほどでこの沢最大のF4(20m)が現れ、遡行者の前進を阻む。ほぼ直漠で、直登の可能性は限りなく小さいようだ。躊躇することなく、左岸の草付から灌木帯を大きく高巻く。傾斜があるので少しイヤラシイ。滝上からの観察では2段滝のようだが、高度感はかなりのものがあり、確保なしでは落口まで行く気も起きない。Co810で二股となるが、目指すは水量の多い左股で、直ぐにF5(8m)である。左から小さく巻き上がると、落口の木に残置スリングがあった。ここまでがこの沢の核心部で、あとは可愛らしい滝が2個ほど出てくるだけ。ようやく緊張感から解放される。
ノンスリップ靴 日射しはないがガスで視界が取れないということもない。体感的には暖かいくらいで、気温も低くはないようだ。国道を走る車の音が時折耳に入ってくる。入渓点まで車で入れるこの沢の好アプローチと近さを感じる。910二股では右股をとる。前回は左に入り、早めに稜線に出る選択だったが、バテバテだったことを思い出す。今回はほぼダイレクトにピークを向かう沢筋を選ぶ。水流は一旦伏流となるが直ぐに現れる。その後も消出を繰り返すが、Co1160の水滴を最後に完全に消失する。ここで前年購入した「大同ノンスリップ携帯靴」を履く。沢靴の底に装着するタイプで、沢仲間の谷本さんご推奨のアイテムである。浅い沢形はCo1235あたりで斜面に吸収され、いよいよ藪に突入である。背丈ほどの笹藪(根曲竹かも‥)をかき分けながら登高だが、フェルト底のようにスリップすることはないので、体力の消耗は抑えられるようだ。Co1300まで上がると、笹藪は腰丈程度となり、少し灌木も混じってくる。ほどなく、前方が明るく開け、一漕ぎすると稜線である。下降時のためコースサインを付け、薄い踏跡を辿ること5分で頂上であった。
「一等」三角点 視界は200メートルほどだろうか、風もなく穏やかな頂上風景である。見覚えのある錆びついたドラム缶が懐かしいが、一体何に使用したのだろうか。三角点標石の側に木製の標柱が倒れていて、「一等」三角点と書かれていたのは意外な驚きだった。直下の北側斜面には雪が残り、低山といえどもまだ6月であることを思い知らされる。ゆったりランチタイムの後、下降ルートを検討する。本来なら、南東面直登沢を下りるのだが、この場合、国道を2.5キロほど歩かなければならない。交通量も多く、歩道も無きに等しい国道をである。覆道などもあるので気が進まない。また、南東面なので雪渓が残っていることも考えられる。結局、往路をそのまま降りることにする。稜線の下降ポイントから910二股にコンパスをセットし、滑るように斜面を下る。エゾノイワハタザオだろうか。白い花びらが目に眩しい。810二股を過ぎ、F5からF3までの滝は、遡行時の攻略ルートを忠実に辿る。10日ほど前に再発した腰痛も治まり、遡行時の苦痛が嘘のような下降が続き、順調にF2上まで戻る。
懸垂下降の練習 ここは練習を兼ね懸垂下降で降りることにする。セルフピレイをとり、メインロープを直接、支点となる木にかける。支点は複数とることが原則だが、F2の場合は、太さも強度も1本の木で足りうると判断した。ロープを8環にセットし、少しテンションをかけてみる。安定していることを確認し、左手で制動を効かし右手でセルフピレイを解除する。斜面に垂直に立つイメージで制動を少しずつ緩めていく。下まで降りると、目一杯身体を低くしロープを手繰り寄せる。その後、8環をハーネスから外しロープを回収する。ここまでの一連の作業をスムーズに行うことが肝要だが、久々にしては上出来だと思う。F1の右岸バンドを慎重に降りると、問題となる個所はない。時に流れの中を、時に造材道跡を辿る。出合が近づくと青空も顔を出し、今シーズン初の沢登りを気持ちよく締めくくる。例年、南日高の野塚岳ニオベツ川南面直登沢辺りが初沢となるが、それとの比較ではやや難易度は高いようだ。ハードではあったが、その分楽しめたことで納得の沢旅であった。
■山行年月
2009.06.18(木)
■天気
■同行者
単独
■山行形態
沢登り
■コース:往路/帰路
ニセクシュマナイ沢
ニセクシュ沢出合 600二股の蕗原
F2(10m) F3(8m)
F4(20m) F5(8m)
エゾノリュウキンカ ノンスリップ靴
涸沢 源頭風景
三角点標識 エゾノイワハタザオ
F2で懸垂下降 GPSトラック
★コースタイム
自宅午前4時30分出発
地点分岐等 時間
堰堤 6:40
600二股 7:20
910二股 8:45
8:55
双朱別岳 10:40
所要時間 4:00
双朱別岳 11:20
910二股 12:05
12:15
600二股 13:15
堰堤 13:50
所要時間 2:30
自宅午後5時00分到着