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194.芦別岳(夕張山地/1726.9M)
剥き出しの岩肌と谷を埋め尽くす雪、青い空に聳える槍の見事さよ
ピリカヌプリで残雪期山行を締めくくり、充電期間突入の予定だったが、1週間も経過するとどうも落ち着かない。そして、連続する好天とくれば予定変更の条件は揃ってしまう。ザックに荷物を詰め込み、向かった先は富良野市山部の自然公園「太陽の里」。狙うはこの時期定番の芦別岳本谷である。
丸太橋は危ない この芦別岳は、ピラミダルな岩峰や岩稜、ルンゼ群から形成され、北海道では数少ないアルペン的雰囲気漂う山である。現地に到着したのが午前4時過ぎ。宿泊施設の駐車場に車を止めて準備するが、羆避けの鈴が鳴らないように気を遣う。先ずは、旧道登山口までの林道歩きで登山はスタートする。勿論、旧道登山口まで車で入ると楽なのだが下山は別ルート。車の回収を考えると、自然公園に置くほうがいいという判断である。静かな林道を歩くこと15分で、旧道登山口に着く。入山帳に名前を書き、登山道を歩きだす。ユーフレ小屋までは距離3キロ、標高差250メートルほどだが、高巻きなどもあって結構辛い。その上、足を滑らせると谷底なんていう場所もあり、朝一のウォームアップとしてはややきつい。下山後の印象ではユーフレ小屋までが最も消耗したと思う。右手から夫婦沢が滝となって流入するところには丸太橋が架かっているが、その上を渡るのはどうもいやらしい。直上を石伝いに渡る。初めて来た時に、静子が「丸太橋は危ないよ」と言ったのを思い出す。轟音をたてる「白滝の滝」を見ると旧道分岐で、ほどなく赤い屋根の石室然としたユーフレ小屋に着く。
岩肌に眩しい緑 小屋はほとんど出ており、周辺の雪も少ない感じである。南奥には青い空を背景に屏風岩が聳えている。恐竜の背のような形状である。ここは右岸から熊の沼沢が流入するが、進むべきは右股ユーフレ川本流である。予想通り雪がないので、左岸の水際や河原を行く。15分も歩くと両岸が立ち始め川は雪に覆われるようになる。そして、本谷の城門ともいうべきゴルジュに行きつく。水音は聞こえるが、雪は厚く問題なく上を通過する。谷を埋め尽くす雪の上には細かい木々の葉や枝が広がり、凄まじい雪崩のエネルギーを感じる。5稜や夫婦岩から派生する尾根に突き上げるルンゼや小沢はどれもビッシリと雪が詰まっているが、真新しい雪崩跡などもなく、雪の状態は安定しているようである。740二股あたりまで上がると、谷は直線的に見通せるようになり、最奥上部に目指す芦別岳の槍が見えてくる。右岸に張り出す各稜、左岸上部にはγルンゼ左股奥壁と夫婦岩、クライマー達にとっては垂涎もののエリアだろう。深い谷にも太陽の日が差し込み、浅いルンゼからの水流が眩しく輝く。荒涼とした岩肌に鮮やかな緑が映える。
下流に登山者が 雪質は適度に柔らかく、ダブルストックの威力もあり、登高は容易である。振り返ると、山部の田園風景が広がっている。ピリカヌプリ山行などと比較すると、何ともリラックスした気分だが、100%それに浸っているわけにはいかない。極々小規模な雪崩や落石が発生しているからだ。左右・前方に気を配りながら、出来るだけデンジャラスゾーンを避けたルートをとる。とりわけ、右岸の各ルンゼを通過する時は疲れていても休まない。2稜辺りだったと思うが、ふと、下流方向を見降ろすと登山者が上がってくるのが見える。最近の山行では登山者と会うことがないので、なんとなく嬉しい気持ちになる。尤も、平日といえどもこの好天、見逃す手はないだろう。1稜末端で小休止。思えば、ユーフレ小屋を出て以来、休みらしい休みを取っていなかった。快調なペース、意外と身体が動いているのかもしれない。いよいよ本谷ルンゼに突入する。傾斜は一段と増し、雪質も少し硬くなるが、アイゼンの出番はない。ストックをピッケルに替え、キックステップをきりながら上がっていく。前回は先行者のそれを拝借したが、今回は自らが先行者であるからそれもない。50歩上がって30秒休む、そんな登高パターンである。
険しき鋭峰群が 1稜側壁に沿って、ルンゼが真南に方向を変えると稜線は近い。谷底から吹き上げる風が強いのでアウタージャケットを着込む。傾斜が緩むと、ほどなく目の前に旧道登山道が現れる。ポントナシベツ岳を右手に眺めながら、ジグを切ってピークを目指す。あまりにアッサリで拍子ぬけした感は否めないが、午前10時に待望の頂上に到着する。風は強いが文句なしの眺望で、特に、南に伸びる夕張山地の豊かさを実感する。1400メートル前後の山の連なりだが、夏道もなくて山頂を極めるには困難を伴う鋭峰が多いと聞く。近い将来、足を運んでみたい山域の一つである。足元には本谷が深く刻まれ、麓には農繁期を迎えたモザイク模様の大地が広がる。そして、その北東には十勝連峰から表大雪の山並みである。深夜、車を飛ばしてきた甲斐があったというものである。20分ほどして前述の登山者が上がってきた。挨拶を交わし、早いランチタイムの後、下山の途に就く。
中途半端が恐い 新道コースを降りるのだが、雲峰山付近の露出する夏道を目標に、直下の雪面を一気に滑り降りる。本谷を挟んで対峙するXルンゼが明瞭に浮かび上がり目を引く。雲峰山から夏道は完全に雪の下である。これ幸いとばかりに、直線的に半面山を目指す。半面山を過ぎると雪もかなり融け、夏道も所々出てくるが、こんな状態が一番いけない。道が完璧に雪の下なら、適当にルートをとれるのだが、それが中途半端に出ているものだから、つい当てにしてしまう。で、道が雪に覆われると右往左往してしまうのである。今回も、覚太郎分岐付近では地図とコンパスのお世話になったぐらいで、最悪、ルートロスなんていうケースもあるに違いない。結局、完全に夏道が出たのはCo850くらいからで、あとは何も考えずにひたすら下降を続ける。登山道の有難味を思い知る瞬間だが、この新道コースはダラダラとした下りが本当に長く続く。ボディブロウのようなジワジワとした疲れを足腰に感じる頃、ようやく新道登山口に降り立つ。思わず、「いや〜長かったァ」と呟いていた。
汗臭いドライブ 山行を反芻しながら、炎天下のアスファルトをザック担いで歩く。苦痛な状況に違いないが、目的を果たした達成感がそれを快感に変えてくれる。充実した山行ならばこそである。帰路、車で登山口まで行き入山帳に下山時刻を書入れる。私の他にも4パーティが本谷に入っており、人気の高さがうかがえる。ゴルジュの雪も厚く、今月一杯くらいは登山者で賑わうに違いない。ただ、不満が一つ。近くに適当な温泉がないことで、この日も金山湖の「保養センター」まで汗臭い身体のままドライブする羽目になってしまった。「ハイランドふらの」もあるが、方向が逆なので‥。
■山行年月
2009.05.20(水)
■天気
快晴
■同行者
単独
■山行形態
残雪期登山
■コース:往路/帰路
ユーフレ本谷
新道
小屋と屏風岩 ルンゼ左股奥望
本谷から頂上@ 本谷から頂上A
夫婦岩 Aルンゼ
稜線から本谷@ 稜線から本谷A
芦別岳頂上 夕張山地
雲峰山 新道からXルンゼ
半面山直下 GPSトラック
★コースタイム
自宅午前2時00分出発
地点分岐等 時間
太陽の里 4:25
旧道登山口 4:40
ユーフレ小屋 5:55
6:05
740二股 6:40
1稜末端 8:25
芦別岳 10:00
所要時間 5:35
芦別岳 10:50
雲峰山 11:10
半面山 11:25
11:50
覚太郎分岐 12:10
新道登山口 13:10
所要時間 2:20
自宅午後5時55分到着