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 Vol.39            アイアンマン(2008年/ソニー・ピクチャーズエンタテイメント/125分)
■鑑賞日 2008.10.03(金) ■劇場名 シネマ太陽帯広
■作品データ
■監督 ジョン・ファヴロー
■キャスト トニー・スターク/ロバート・ダウニー・Jr、ローディ/テレンス・ハワード、オバディア・ステイン/ジェフ・ブリッジス、ペッパー・ポッツ/グウィネス・パルトロー、ニック・フューリー/サミュエル・L・ジャクソン、インセン/ショーン・トーブ
■ジャンル アクション
■あらすじ

アフガニスタンで自社兵器のデモ実験に参加したトニー・スタークは、テロ組織に襲われ拉致されてしまう。胸に深い傷を負い、捕虜となった彼は組織のために最強兵器の開発を強要される。トニーは、医師インセンと、装着することで圧倒的な破壊力とパワーを発揮できる戦闘用パワードスーツを敵の目を盗み開発する。そして、それを自らが装着し闘うことで敵地からの脱出に成功する。
奇跡的に生還したトニーは、自らがCEOを務めるスターク・インダストリーズが開発した兵器がテロ組織に使用されている事実をを知りショックを隠しきれない。その償いをすべく彼は自社の軍事産業からの撤退を発表する。そして、助かった命をテロ撲滅に捧げることを決意する。トニーは天才発明家として人工知能コンピュータと最先端の技術を駆使し、新たなパワードスーツの開発に着手する。.それは、腕からのミサイル攻撃が可能な戦闘力、戦闘機より優れた飛行性能を持つ、究極のパワードスーツ「アイアンマン」だった。彼の周囲で恐ろしい陰謀がうごめいているとも知らずに‥。

■コメント

「バットマン」「スパイダーマン」「トランスフォーマー」「ゴーストライダー」‥、最近やたらと多いアメコミヒーロームービー。アメリカには柳の下に何匹もドジョウがいるようで、この映画もまたそうである。鑑賞動機は、ご贔屓のロバート・ダウニー・JR.とグウィネス・パルトロウが出演しているからで、あとはSFXぐらいだろうか。
この映画は、アメリカvsテロ組織の構図が背景にあり、巨大軍事企業のCEOトニーがテロ組織に囚われの身となる中で、自社の兵器で同胞が殺される現実を目の当たりにする。衝撃を受けたトニーが武器商人から真の平和を求める人間へと変化していく様を描いている。そして、本当の敵は、資源や経済のために戦争さえも捏造するアメリカ自身が内包していた、というお話なのである。このことはバーチャルな世界でのそれではなく、現実に指摘され世界の各地で起こっている事実であり、正義の大国アメリカの抱える矛盾である。テーマはシリアスなものだが、アメコミ映画でサラリと表現するあたりは心憎い。難しいことを、目を背けたいことを、誰にでも優しく説く。アメコミといえども、哲学や信条があって初めて深みが増すというものである。
映画の見所はやはり「パワードスーツ」だろう。実に精巧でメカニカル、バージョンアップや装着に至るプロセスはSF少年ならずともスクリーンに釘づけになるに違いない。勿論、パワードスーツを装着した敵とのバトルや飛行シーンもしっかり用意されている。それに、モンスターバイクやスーパーアウディが登場したりで、主人公を一際引き立たせる。
控え目ながらロマンスも用意されている。ヒロインの秘書ペッパー・ポッツとは口づけシーンすらないが、二人がドレスアップして踊るシーンなどはとても妖艶ですらあるし、ラスト近くでトニーが危機に陥った時、彼女の贈った誕生日プレゼントが彼の命を救ったりする。ただならぬ関係を示唆しているようで、互いの秘めたる想いは伝わってくる。
主役トニー・スタークを演じるのがロバート・ダウニー・JR.。この役者さんは、コメディも、ロマンスも、シリアスも、何でもこなせて芸域が広い。他の俳優だったらと考えると、彼の自堕落なキャラが主人公に特別な力を与えている印象がする。一方、ヒロイン役のグウィネス・パルトロウ。「スライディング・ドア」や「恋に落ちたシェクスピア」のような水水しさはないが、抑制された演技の中に大人の色気とコミカルさが感じられる。何より、何処となく東洋的な顔立ちに親近感を覚える。脇役陣も中々豪華で、社の最高幹部ジェフ・ブリッジスと空軍中佐のテレンス・ハワード。前者は腹黒い野心家を、後者は高潔な親友役を好演していた。最後にサミュエル・L・ジャクソンが登場するが、これは全くのオマケ。次回作への布石以外のなにものでもない。
映画は、テーマもリアルタイムでSFXも楽しめ、エンタテイメントとしてそれなりのレベルにあるように思う。そもそも、アメコミ映画というと、私など「B」級というイメージが強いが、アカデミー俳優や人気俳優がこぞって出演するのをみるとアメリカでは特別のステータスを持つようで、日本とはかなり事情が異なるようだ。
さて、内なる敵を打倒した今、新たなる敵をどこに求めるのか。トニーとポッツの関係は進展するのか。パワードスーツはどう進化するのか‥。想像を超える次回作を期待したいものである。

 Vol.40            P.S.アイラブユー(2007年/アメリカ/ムービーアイ・東宝東和/126分)
■鑑賞日 2008.10.29(水) ■劇場名 シネマ太陽帯広
■作品データ
■監督 リチャード・ラグラヴェネーズ
■キャスト ホリー/ヒラリー・スワンク、ジェリー/ジェラルド・バトラー、パトリシア/キャシー・ベイツ、ダニエル/ハリー・コニックJr、デニース/リサ・クドロー、シャロン/ジーナ・ガーション、ウィリアム/ジェフリー・ディーン・モーガン、キアラ/ネリー・マッカイ
■ジャンル ラヴ・ロマンス
■あらすじ

最愛の夫ジェリーを脳腫瘍で突然亡くしたホリーは失意のどん底にいた。電話にも出ず、家に引きこもるホリーの元に、母親のパトリシアをはじめ、妹・親友・ジェリーの友人たちが訪れる。散らかり放題の部屋にいる変わり果てたホリーの姿に一同は呆然とする。その日はホリーの30歳の誕生日。そこへ贈り物が届く。箱を開けてみると、ジェリーからの“ハッピーバースデイ”のメッセージ入りのケーキとテープレコーダーが入っていた。不審を抱きながらもジェリーからの思わぬ贈り物に、喜びと驚きを隠せないホリー。次の日から、ホリーのもとへジェリーからの消印のない手紙が届くようになる。その手紙の最後は必ず、あるひとつの言葉で締められていた。「P.S.アイラヴユー」。ある時、ホリーは、ジェリーの指示で、友人たちとジェリーの故郷アイルランドを訪れる。最初は楽しんでいたホリーだが、あることがきっかけで孤独感にに襲われる。どうしようもない寂しさを母に向かってぶつけるホリー。ジェリーはもう、この世にはいない。手紙は永遠には続かない。そして、ついに最後の手紙がホリーの元に届けられる。ホリーにとって、そこからが本当の新たな人生の幕開けだった‥。

■コメント

深まる秋、少しロマンチックな気分に浸るのもいいだろうということで劇場に足を運んだ作品である。ストーリーは予告編などで予習済みだが、この手の映画でヒラリー・スワンクがどんな演技を見せてくれるのか気がかりだった。と言うのも、「ボーイズ・ドント・クライ」「ミリオンダラー・ベイビー」「ブラック・ダリア」等々、彼女は癖(個性の強い)のある女性を演じるケースが多いからだ。ミスキャストに終わるのか、それとも、彼女の新たな魅力が見られるのか、興味津津でスクリーンに目を向けたものである。
物語は、愛する人を突然亡くした失意のヒロインが、死んだはずの夫からの手紙で次第に立ち直っていくというものである。別れは誰にとっても辛く苦しいものだろう。立ち直る秘策などなく、多くは時間の経過を待つしかない。ヒロインもまた例外ではないはずだった。が、「手紙」が状況を一変させる。死んだはずの夫から届く不思議な手紙である。その内容がリアルタイムで、生前にまとめて書かれたと考えるには不自然である。観ながらアレコレからくりを考えるが答えが見つからない。10通目、最後の手紙でそれが明らかになる。常識的にはあり得ない話で一笑に付すところだが、愛する人との死別という現実を受け入れられないでいるヒロインにとって藁にでも縋る思いで受けとめたに違いない。手紙に導かれ立ち上がるホリー、スクリーンにはフラッシュバックのようにジェリーとの出逢いから結婚生活までが描かれる。ただ、ジェリーの闘病生活は全く描かれない。この辺りの展開はどうかなあと思うのだが、あくまでも「手紙」が重要な意味を持つことを思い起こせば挿入の必要はないのかもしれない。そして、そこを描くことにより手紙のネタもばれてしまうという事情もある。
そして、展開を解く重要な鍵が親子関係である。そもそも、ヒロインの母親は二人の結婚に否定的である。自分と娘を捨てた夫と似たようなジェリー、娘もまた自分と同じような運命を辿ること許せず、つい反目しあう。つまり、愛するが故の母子の確執が背景にあるのである。テーマに重いものはあるが、気分的には明るく楽しめる。それは主として、ホリーや彼女の二人の親友の描き方にコミカルな面があるからに違いない。クラブで男を漁るデニースの振る舞いなどは実に面白い。リサ・クドローという女優さんは変人役がとても似合う。また、傷心旅行の旅先で簡単にセックスするホリーなんていうのも正直で等身大である。
やがて映画は手紙のからくりを明らかにする。ああ、やっぱりかという感じだが、深い親の愛を感じたのは私一人ではないだろう。親子の対立が融解するのも自然の成り行きというものである。
ヒラリー・スワンクのヒロイン役はどうだったか。彼女のキャラとともに、所謂、美人系ではないだけに少し苦しいかと思ったが、全くの杞憂だった。スタイル抜群、とてもキュートで愛すべき女性を好演していた。カラオケで歌声も披露するというオマケも付き、私の中で彼女の好感度は確実にアップした。もっとも、これはオスカー女優に対して失礼と言うべきだろうか。そういえば、母親役のキャシー・ベイツもオスカー女優。夫ジェリー役のジェラルド・バトラーは女性に大人気の俳優さんらしいが、どことなく中東系の顔立ちで少々違和感が。でも、歌でのパフォーマンスには惹かれるものがあった。
失意から立ち直ったホリー、彼女に想いを寄せるダニエルと結ばれるかと思いきや、そんな単純な展開ではなかったのもいい。エンディングで母子で尋ねるジェリーの故郷アイルランド。初めて見せる母の笑顔がホリーにとってどれだけ価値のあるものだったか想像に難くない。