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 Vol.27            アース(2007年/イギリス=ドイツ/ギャガ・コミュニケーションズ/98分)
■鑑賞日 2008.04.16(水) ■劇場名 シネマ太陽帯広
■作品データ
■監督 アラステア・フォザーギル、マーク・リンフィールド
■キャスト 作曲家/ジョージ・フェントン、音楽/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、コンダクター/渡辺謙
主役の動物達/ホッキョクグマ、ザトウクジラ、アフリカ象、ライオン
■ジャンル ドキュメンタリー
■あらすじ
今からおよそ50億年前、巨大な隕石が地球に衝突。その衝撃は深く、地球そのものを23.5度も傾けることに。しかし、この衝突は大惨事となるどころか、“生命の星・地球”の誕生に大きく貢献することになった。この傾斜がなければ、今のような多種多様な地形、美しい四季の移ろいすらなかっただろう。そして、生命が生息するための完ぺきな条件もそろわなかったのだ。映像は、太陽を道先案内人に、極北の大地から始まるかつてない旅路へ踏み出していく。長い冬が終わり、春の訪れとともにホッキョクグマの親子が目覚める。足元で溶けてゆく氷に右往左往しつつ餌を求め歩き出す親子。太陽は、時に恵みとなり、時に脅威となる。生命の旅は、氷の原野の熱い闘い、命を育む熱帯雨林、そしてサバンナの死闘へと続き、熱帯の海から南極で終焉を迎える‥。
■コメント

この映画は、あの「ディープ・ブルー」「プラネットアース」のスタッフが再集結し、5年の歳月、撮影日数延4500日をかけて制作したもので、映画のミニパンフには、「撮影全世界200箇所以上にも及ぶドキュメンタリー史上最大の映像プロジェクト」というコメントが付く。映画は最新の撮影技術を駆使し、動物達の生命のドラマを映し出したもので、前述のパンフには「40人のカメラマンが命を懸けた4500日の真実」とのコピーが躍る。何やら、まゆつばモノの雰囲気も漂うが、その印象が誤りだったことを知るにはさほど時間はかからなかった。
ドキュメンタリー作品は、事実をあくまでも客観的に映像化したもの、と受けとめがちだが、このアースにはシナリオがある。北極から南極に至るナビケートのなかで、各シーンのに登場する生き物たちに確実にドラマが設定され、意図されたストーリー通りに彼等がスクリーン上で振る舞っていく。そもそも、何をもって事実とするのか、何処をどう切り取り、どのように編集するのか。ドキュメンタリーといえども、製作者の意図が反映しないことなどあり得ない訳で、要はその濃淡ということになる。この作品には明確な意思があり、よりメッセージ性の強い内容と言えるだろう。
動物達の生きざまを映像化したこれまでの作品は、どちらかというと「弱肉強食」という自然の掟に目を向けたものが多かったような気がするが、本作ではそれは一部でしかない。どんな動物にとっても、自然は時に厳しく時に優しい。ライオンだって、象だって生きるために必至なのだ。ましてや、肝心の自然環境そのものが変化するとすれば‥。映画は動物達の生態やパフォーマンスを見事なまでに克明に鮮やかに描きだしつつ、地球の温暖化や微妙な環境変化がもたらす危機的状況を想起させる。自然の摂理を説き、地球の奇跡的な美しさをスクリーン一杯に映し出すことで地球環境に関する「いま」の大切さが伝わってくる。
とにかく映像が決定的に奇麗である。青く輝く地球、ヒマラヤの夜空に煌めく銀河、数百メートルも流れ落ちる大滝、乾燥した台地を緑色に染める水、気が遠くなるほどのトナカイの群れや、銀幕を白く埋め尽くす鳥達‥、どのシーンも垂涎ものである。映画パンフにある「史上最大の映像プロジェクト」に異議をはさむ余地はなさそうである。そして、音楽。全ての生き物を育む母なる地球の鼓動ともいうべき荘厳さを感じたものである。コンダクター渡辺謙にも触れておかなければならない。落ち着いた語り口調は自然で心地よいものだったが、字幕スーパー版はどうなのだろうか。
映画のラスト、氷が溶けた北極の海を陸地を求めてあてもなく泳ぎ続けているシロクマの姿にあわせて、彼らがこのまま氷が溶け続ければ、2030年には絶滅するかもしれないというコメントが付く。象もクジラも同じような危機に瀕しているとも‥。そして、「今ならまだ奇跡の星地球を守ることができる」と結ぶ。
動物達の問題は優れて私達人間の問題であり、一刻の猶予もないことを思い知らされる。自分が出来ることから実践しなければならない。折しも、環境問題がメインテーマとなるであろう洞爺湖サミットが今夏開かれる。成果はほとんど期待できないものの、自国のエゴや思惑を徹底的に排して議論して欲しい。
映画そのものの評価としては、動物達の生態と(地球)環境問題とをリンクさせている。安直で深みがないという向きもあると思うが、ことは環境問題、分かりやすさがいい。美しい映像とベルリンフィルの音楽もシナリオあるドキュメントの付加価値を高めている。総じて、肯定的評価としたい。
蛇足ながら、今回は1300円で観ることができた。封切上映を終えているということでの料金設定らしいが、ラッキーというほかない。

 Vol.28            NEXT(ネクスト)(2007年/アメリカ/ヒューマックスシネマ/95分)
■鑑賞日 2008.04.30(水) ■劇場名 シネマ太陽帯広
■作品データ
■監督 リー・タマホリ
■キャスト クリス・ジョンソン/ニコラス・ケイジ、カリー/ジュリアン・ムーア、リズ/ジェシカ・ビール、スミス/トーマス・クレッチマン、アーヴ/ピーター・フォーク
■ジャンル SFアクション
■あらすじ
両親の死後から予知能力を持つに至った男、クリス・ジョンソン。だが、彼に見えるのは、たった2分先の未来だけ。しかも、それは自分に関わる未来のみ。その才能を隠しながら、クリスはみすぼらしいラスベガスのクラブでマジック・ショーを行う日々を過ごしていた。
そんなある日、いつものようにカジノでルーレットに興じていた時、クリスは一人の男が銃を乱射し、カジノの金を奪い去る予知をする。それを阻止したクリスだが、逆に警察から追われる身となってしまう。友人が国外逃亡を勧めるも、未来のビジョンに現れた運命の女性との出逢いに賭け国内に残るクリス。一方、前々からクリスの予知能力を本物ではないかと疑っていたFBI捜査官カリー・フェリスはこの事件で彼の能力は本物と確信する。そんな折、LA史上最悪の事件が勃発。テロリストグループがLAに潜入、核爆弾をどこかに仕掛けたというのだ。カリーは、この大量殺戮を防ぐため、クリスの予知能力に目をつけ、事件解決に利用しようとする。自分の能力を利用され、縛られるのを嫌うクリスだが、予知通り出逢った運命の女性リズがテロリストグループに捕らわれてしまったことから、この史上最悪の事件解決へと力を貸すこととなる…。
■コメント

「物事が起こる前にそれを知る」ことができれば‥。誰しも、予知能力を身につければ人生は一変する。TVなどでも、予知とか霊視とかを扱うことが度々あるが、ほとんどはトリックだったり、協力者がいたりで、超能力とは無縁である。だが、科学で理解できない何かがありそうな気もする。ナマズの地震予知ではないが、人間には私達がまだ気づいていない能力があるのかもしれない。
このネクストは、予知能力を持つ主人公が、その能力を生かして国家的危機に立ち向かうというものである。とにかく、この映画は、アクション映画の真髄ともいうべき「テンポ」がとてもよく、軽快B級のお手本のようである。主演のニコラス・ケイジのキャラもピッタリで、「リービング・ラスベガス」「コレリ大尉のマンドリン」「シティ・オブ・エンジェル」など、ラブストーリーでいい味を出していたが、このところの「ゴースト・ライダー」「ナショナル・トレジャー」「60セカンズ」などを観るにつけ、アクションスターとして定着した感がある。それも、恋に強く頭脳明晰なそれとしてである。
映画のポイントは、自分のことに関してのみ「2分」先まで予知できる、ことである。何故、そんな能力を身につけるに至ったかは例によって省略されている。付け加えれば、主人公は、FBIからもテロ組織からもその能力ゆえに追われるのだが、この発端も定かにはされていない。気がつくと追われているのである。彼は予知能力を駆使して次々と危機を脱していくが、予知をどう映像化するのか興味があった。崖を巨木や大岩の追われながら下る場面や銃弾を瞬時にかわしたりするのはお手のもので、そこには寸分違わぬ予知が働く。テロ組織を船に追い詰めるシーンでは、主人公が分身して捜索にあたる。面白くはあるがが、こんなのアリ(?)と思ってしまった。さらに、例外もあって、運命の女性に関しては、かなり先まで予知できてしまう。予知通り彼女に出逢ったシーンで、どうキッカケを作るか様々なパターンをイメージしている。これなど、予知と予測が組み合わされた能力というべきだろう。
さて、ストーリーは、主人公の予知能力で核テロリズムの危機を脱するはずだったが、最後に大きなどんでん返しが待ち受けていた。この展開には注文がつきそうな気がする。2分先までしか予知できないはずなのに、「間違えた!」と言って、時空の旅に出るニュアンスなのだ。恋人リズに「いつか必ず戻る」と言い残して‥。しかし、アメリカ映画的ではあって、完全に続編を意識したエンディングなのである。
あとは、ジュリアン・ムーア。常に賞レースに顔を出す実力派女優さんだが、きびきびとしたFBI捜査官が似合っていた。「ことの終わり」「ハンニバル」「めぐりあう時間たち」など、演技派の印象が強いが、こういう役どころもこなせるあたりはさすがに幅があるという感じである。
それから、エンドロール。普通は下から上へ流れるのだが、本作は上から下へ流れる。「時間」が重要な意味を持つ映画だけにちょっとしたアイディアではある。エンドロールが流れる時間は長くて、ほとんどの人が席を立つ。黒いスクリーンに白文字が延々と続くのでは無理もない。もう少し魅力的なものにすれば状況は変わるだろう。例えば、ダイジェスト風に映像をまとめるのはどうだろうか。映画も反芻できるし印象も損ねないはずである。とにかく、一考を要する課題ではある。
映画としての深みとか重厚感とは全く無縁で、求めるべくもないが、気楽に楽しめる作品であることは間違いない。もし自分に予知能力があったら何に使うか。競馬、競艇、競輪、宝くじetc、ギャンブルしか発想出来ない自分が情けない。でも、これとて「2分」という条件付きではなす術なし。どうやら、手に余る能力は身を滅ぼすだけのようである。