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 Vol.25            ライラの冒険 黄金の羅針盤(2007年/アメリカ/ニューラインシネマ/112分)
■鑑賞日 2008.04.01(火) ■劇場名 シネマ太陽帯広
■作品データ
■監督 クリス・ワイツ
■キャスト ライラ/ダコタ・ブルー・リチャーズ、コールター夫人/ニコール・キッドマンアスリエル卿/ダニエル・クレイブ、セラフィナ/エヴァ・グリーン、リー・スコーズビー/サム・エリオット
■ジャンル SF/ファンタジー
■あらすじ 私達の暮らす世界とは似て非なる平行世界のイギリス・オックスフォード。ジョーダン学寮で育てられた孤児のライラは、一心同体の守護精霊ダイモンのパンタライモンや親友ロジャーらと共に、騒がしい日々を送っていた。しかし街では次々と子どもが連れ去られる事件が発生し、親友ロジャーも姿を消してしまう。そしてライラ自身もコールター夫人に連れられジョーダン学寮から旅立つことに。旅立ちの日、彼女は学寮長から黄金色の真理計を手渡される。真実を示すというその羅針盤を手にライラの冒険が始まる。怪しげな美女、空飛ぶ魔女族、気球乗り、そして、よろいグマなど、敵か味方かわからない者たちと出会いながら、北へと進むライラ。だが、旅の行く末には、全世界を巻き込む驚くべき真実が待ち受けていた
■コメント

愛車soarerのブレーキチューンのため3時間ほど時間が空いてしまった。こうなると映画しかないということで、たまたま上映時間がマッチしたのが「ライラの冒険 黄金の羅針盤」である。聞けば、世界的ベストセラーの児童文学が原作とのこと。勿論、私は読んでいないのだが、映画を観終わった後に原作に興味を抱くか、そんな気分でスクリーンに目をやる。
想像の世界とは言うものの、全ての人間が守護精霊を持ち、「教権」に支配される世界。そしてまた、空には魔女が飛び交い、陸地には勇敢なクマ族‥。唯一の希望は「黄金の羅針盤」と一人の少女。登場人物も謎だらけで、なにやら児童向けとは言い難く、立派な大人向けの映画である。
とにかく、続作ありきのストーリー展開で、本作そのもの作品レベルとしては、あまり面白みがないように思う。人間の魂が体外に動物の形となって現れる。それがダイモンで、ダイモンと人間のつながりを断ち切るのはタブーなのだが、教権は支配力の強化を狙い、その分離を企てる。これを阻止できるのは、黄金の羅針盤を読み取ることの出来る少女ライラだけ。それ故、教権達からも命を狙われるライラだが、よろいグマや魔女達の助けを借りながら、さらわれた子供達を助け出す。これが映像化されると意外と淡々とした展開で、盛り上がりに欠ける印象なのだ。ただ、視覚(絵)的には楽しめる。小動物から昆虫まで目まぐるしく変貌するダイモンや、人間の言葉を話す巨大なよろいクマ、ライラを背に大雪原を疾走するその姿、色鮮やかな飛行船、整然とはしているもののどこか不気味な街並み、そして、メカニカルな羅針盤‥など、CGの威力を如何なく発揮している。
キャストは豪華の一言に尽きる。コールター夫人の二コール・キッドマンはじめ、アスリエル卿のダニエル・クレイブ、魔女エヴァ・グリーン(共に「007カジノロワイヤル)、飛行船乗りスコースビーのサム・エリオットと、主役級の俳優が並ぶ。ヒロインのライラ役のダコタ・ブルー・リチャーズは新人で、15000人以上が競ったオーディションの中から選ばれたラッキーガール。抜擢のポイントは「知性と野生を兼ね備えた自由奔放さ」だという。確かに、そんなイメージだが、私としては、賢くはあるが生意気で妙に大人びている、といった印象が強い。ま、こればかりは好みの問題なのだろうが‥。なお、今回も吹替バージョンだったが、抑揚の乏しい台詞も悪印象に寄与していると言えそうだ。、
いずれにしても、本作で抱く様々な謎や疑問は続作で徐々に明らかにされることだろう。その意味では、どちらかというと一作完結タイプの「ハリーポッター」シリーズよりは、「ロード・オブ・ザ・リング」スタイルに近いと言えそうである。
正直、本作の出来は、続作への期待を抱かせるものではないように思う。出し惜しみしたのか、それとも、これで目一杯なのか。それを検証する意味においてのみ続作を観ることになるだろう。

 Vol.26            エンジェル(2007年/イギリス フランス ベルギー/showgate/119分)
■鑑賞日 2008.04.10(木) ■劇場名 CINEとかちプリンス
■作品データ
■監督 フランソワ・オゾン
■キャスト エンジェル/ロモーラ・ガライ、セオ/サム・ニールハーマイオニー/シャーロット・ランプリング、ノラ/ルーシー・ラッセル、エスメ/マイケル・ファスヴェンダー
■ジャンル ドラマ
■あらすじ 1900年代初頭の英国。16歳のエンジェルは田舎町で小さな食料品店を営む母親と2人で暮らしている。彼女は貧困と周囲の嘲笑を背に、一心不乱に上流社会の生活を夢見る。その憧れを実現するべく、大時代的なロマンス小説の執筆に情熱を傾けていた。やがて自らの出自さえ書き換えてしまうほどの類い稀な想像力と文才で一気に人気作家への道を駆け上がる。幼い頃から憧れていた豪邸パラダイスを買い取り、ノラという有能な秘書までも得る。そして、ノラの弟で、駆け出しの画家エスメと知り合い、遂には結婚する。作家としての地位、愛する人との結婚生活‥、自分の望むものを全て手に入れ、幸せをかみしめるエンジェル。だが、迫り来る戦争や時代の風潮によって、彼女の幸せな生活も長くは続かなかった。次から次へと彼女の前に立ちはだかる過酷な現実の先に、彼女はどんな人生のシナリオを描くのか‥。
■コメント

この映画は、小説家のヒロインが歩むドラマチックな生涯を描いた作品で、本格的な女性映画(こういう区分がいいかどうかは別として)である。私が観た日は男は私だけで、あとは女性ばかり。流石に女性映画と思ったら、この日は木曜日「女性サービスデー」で、1000円で観られる日だった。思わず笑ってしまったが、鑑賞後の感想としては、正しく女性に観て欲しい一本だった(男性が観ても勿論いい)。
多感な時期の体験や想いは強烈で、その後の人生に大きな影響を与える。ヒロイン・エンジェルも貧困から抜け出したい一心で小説を書く。憧れのパラダイスに住むために。その強い意志と夢が彼女を一流の小説家にする。だが、誰しもがこういくとは限らない。彼女には物書きとしての資質が備わっていたのだろう。見所は、彼女が成功を収めてからの傲慢さであり、エゴである。この辺り、ロモーラ・ガライという女優さんが実に良く演じており、観ていて蔑視したくなるほどだった。そんなエンジェルが2人の人間と出会うことで、彼女の人生は大きく揺らいでいく。一人はエンジェルを崇拝するノラで、もう一人は画家のエスメ。二人は姉と弟なのだが、関係は冷え切っている。ノラはエンジェルに全てを捧げ献身的に尽くすが、その様は同性ながら「愛」なのだと思う。だが、エンジェルは、どこか彼女を見下しているのである。ハネムーンのお土産の香水プレゼントのシーンは象徴的だった。これと全く反対の関係がエスメとのそれである。エスメはエンジェルを最初から軽蔑しているが、エンジェルは彼を愛し、全てを捧げる。エスメが描いたエンジェルの肖像画が披露されるシーンがあるが、若く美しいはずのエンジェルが、醜く下品に描かれていたのだ。エンジェルの虚構が暴かれた瞬間で、エスメは彼女の本質を見抜いていたのだ。それなのに二人は結婚する。当然ながらこんな結婚が長続きするはずもなく、悲劇的な結末を迎える。私など、エスメ逃げ出せばいいのにと思ってしまうが、そうはならない。そこにあったのは、打算かそれとも哀れみか‥。救いは、エスメが愛した女性にエンジェルが会いに行くシーンがあり、そこで彼女はその女性に自分にないものを見て、ようやくエスメの想いを知る。映画の中で、彼女の小説が舞台劇として上演されるシーンがあるが、皮肉にも、そのエンディングと映画のエンディングが符合するのである。エンジェルは、小説を書くように、自分の人生までをも書き換えてしまったと言えるだろう。
端的に表現すれば、高慢な女の哀れな一生を描いているのだが、順風満帆な前半は辟易したが、傷つき奈落の底へ落ちて行く後半は、同情とも共感とも言えない不思議な感情を覚えてしまった。映画の中でも、往年の女優シャーロット・ランプリング演じる出版者の妻ハーマイオニーが同様の台詞を話す。人間の本質とか魅力などというものは、苦境に陥った時にこそ現れるのだろう。深みのあるストーリー展開だと思う。
音楽も映像もとてもいいのだが、いただけなかったのは、ミエミエ合成シーンである。ロンドンでの馬車シーンや、ハネムーンでの観光シーンなどは見苦しかった。精巧なCG全盛の今、これはないだろうと思ってしまった。キャストでは、前述のシャーロット・ランプリングの外、サム・ニールが出版者役を、エスメ役のマイケル・ファスヴェンダーが放蕩な画家役をそれぞれ好演していた。