■ フィクション(和)
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(円)
ダイジェスト(概要) 表紙
1 神々の山嶺(上)(下) 夢枕獏 集英社文庫 上巻724
下巻800
カトマンズの裏街で深町は古いコダックを手に入れる。そのカメラはJ・マロリーがエベレストに登頂したかどうかという謎を解く可能性を秘めていた。深町はカメラの過去を追う中で伝説のクライマー羽生と出会う。羽生の狙いは何か。山岳小説の新たなる古典!。
2 脱獄山脈 大田蘭三 祥伝社文庫 720 元警官の一刀は人妻殺しの罪で服役中だが、自らの無実と妹の復習を果たすべく、仲間と脱獄を敢行、奥多摩から後立山連峰へと縦走する。壮大な大自然を舞台に愛と友情を描く。
3 桃色浄土 坂東眞砂子 新潮文庫 781 大正中期、四国の隔絶された漁村に異国船が現れる。目的は高価な桃色珊瑚。乱獲の結果、珊瑚は採れなくなって久しかったが、イタリア人エンゾは諦めなかった。そんな姿に海女のりんは惹かれていく‥。
4 誇りある被害者 森村誠一 角川文庫 514 櫛田と清子はお互い結婚を求めない大人の関係だったが、櫛田は次第に清子に愛情を感じ真剣な交際を望むようになる。そんな時、清子の絞殺死体が!。櫛田は独自に清子の過去を追い始める。
5 白蛇抄 水上勉 集英社文庫 260 白蛇は好色淫乱の化身、天の橋立を見下ろす丹後の寺を舞台に、はかなく哀しい愛と悲劇を情感豊に描く。小柳ルミ子主演で映画化されましたね。
6 美徳のよろめき 三島由紀夫 新潮文庫 200 生まれも躾もいい優雅なヒロイン節子にとって姦通とは珍しい宝石のようにしか感得されていなかった‥。「よろめき」という流行語を生んだ作品。
7 痴人の愛 谷崎潤一郎 新潮文庫 260 譲冶は、自分で見出し育て上げた美少女ナオミの成熟するにつれて妖艶さを増す肉体に悩まされ、遂には愛欲の奴隷となり生活も荒廃していく‥。
8 限りなく透明に近いブルー 村上龍 講談社文庫 180 米軍基地に近い街を舞台に繰り返される麻薬とセックスの宴。陶酔を求めて蠢く若者達の心の奥に潜む深い亀裂を醒めた感性と誌的イメージで描く。芥川賞を受賞、三田村邦彦主演で映画化されている。
9 もう頬づえはつかない 見延典子 講談社文庫 200 奇妙な三角関係に陥った女子大生まり子が体の変調を自覚したとき、残酷な「卒業」の季節が訪れて‥。大胆な行動と湿った生理の間に揺れる愛のかたちを爽やかに描く。
10 復習するは我にあり
(上)(下)
佐木隆三 講談社文庫 各260 昭和38年秋、福岡で起こった殺人事件の容疑者は犯罪史上空前の捜査網をかいくぐり、詐欺と殺人を重ねながら全国を逃げ回る。稀代の犯罪者の行動を関係者に語らせつつ、そこから浮かび上がる事件の全貌。小説家の想像を排除し事実をして語らせた迫真のドラマが展開される。直木賞受賞作である。
11 異常者 西村寿行 講談社文庫 500 東京地検検事の妻が白昼、異常者によって拉致され陵辱の限りを尽くされる。遅々として進まぬ捜査に業を煮やした検事は一匹狼の調査屋千年に助けを求める。阿蘇山脈から香港の暗黒街へと苛烈な調査が続く。
12 孤独の賭け
(一部)(二部)(三部)
五味川純平 角川文庫 各220 「あたしの体を200万円の担保と考えて」、優れた才気と体を武器に社会への復讐を図る一女性の孤独な賭けと戦いを描き、色と欲につかれた社会の人間模様を浮き彫りにする。
13 細雪(上)(中)(下) 谷崎潤一郎 新潮文庫 各220 蒔岡家の四姉妹、鶴子、幸子、雪子、妙子がの優雅な生活を描いている。色とりどりの着物や帯を広げて選ぶ場面、贅沢に着飾った姉妹が連れ添って花見や月見を楽しむ場面など、その美しは特筆すべきものがある。大阪の伝統文化と姉妹の引き起こすトラブル、人物の心理描写も微細でひしひしと胸に迫るようなものがある。
14 春琴抄 谷崎潤一郎 新潮文庫 140 盲目の三味線師匠春琴に仕える佐助の愛と献身を描いて谷崎文学の頂点をなす作品。単なる被虐趣味をつきぬけて、思考と官能が融合した美の陶酔の世界をくりひろげる。山口百恵主演で映画化された。
15 神と野獣の日 松本清張 角川文庫 180 ある早春の午後、Z国から東京に向かって核弾頭ミサイルが誤射された。空中爆破も迎撃も不可能で到着まで43分。真相がTVやラジオで国民に伝えられる。松本清張の数少ないSF作品である。
16 洒落た関係 石川達三 新潮文庫 480 洒落た関係とは「その関係に生活と現実はなく、あるのはただ情事だけ」。風見雪雄と小柳春子の関係を中心に何組ものカップルが登場し、男女の関係の有様を問う。    
17 四畳半色の濡衣 野坂昭如 文春文庫 280 金阜山人の名著「四畳半襖下張」を再録してわいせつ文書販売人の罪に問われた著者が、珍腐山人と号し憤然と記した痛快パロディ。わいせつとは何かを問う問題作。
18 堕落 高橋和巳 新潮文庫 220 満州国建設の夢破れ、孤児院を運営してきた青木隆造は表彰式の席上、思わず涙を流す。その涙の訳は何か、男の破滅への意志。戦後の虚妄を描いた力作。
19 五番町夕霧楼 水上勉 角川文庫 180 卓抜な風景描写、風土描写の中で抒情豊に綴られる娼妓夕子の一生。静かな京都の街に、あまりにもはかなく美しい恋が終わりを告げるかのごとく国宝金閣寺が燃える‥。
20 女の日時計 田辺聖子 角川文庫 300 阪神間を舞台に、古い造り酒屋に嫁いだヒロイン沙美子をめぐる複雑な男女の愛と、姑とのドラマを描く。NHK・銀河テレビ小説で放映された。
21 好色の戒め 駒田信二 文春文庫 320 中国の風流小説「肉蒲団」、そのストーリーを追いながら好色にウンチクを傾ける21話。
22 小説東京帝国大学 松本清張 新潮文庫 480 「国家の大学」として巨大な指導者群を養成し、日本の現代史を動かす原動力となった東京帝国大学は、激動する時代の流れに如何に呼応し抵抗したか、その変遷と功罪を描く。
23 肩ごしの恋人 唯川恵 集英社文庫 630 結婚3回目のるり子とクールな理屈屋萌、性格も考え方も正反対な二人は親友同士。対照的な2人が恋と友情を通してそれぞれに模索する「幸せ」とは何か。直木賞受賞作品。
24 危険な童話 阿刀田高 新潮文庫 400 同級会で40年ぶりに会った男が1500万円もの大金を貸してくれるというがその真意は何か、怠け者の女と結婚した男が女のためにした最後の仕事とは、夢と戦慄の全10編。
25 充たされた生活 石川達三 新潮文庫 280 60年安保闘争を背景に現代人にとっての充実した生とは何かを追求する
26 強力伝 新田次郎 新潮文庫 438 50貫もの巨石を背負って白馬岳山頂に挑む山男を描く
27 孤高の人(上)(下) 新田次郎 新潮文庫 各552 周到な計画の下に単独行動を常とする文次郎が友人の願いを聞き彼と初めてパーティを組む。が、彼の計画は無謀で、遂に北鎌尾根に消息を絶つ。文太郎の生涯を通じ「何故山に登るのか」の問いに鋭く迫った書。
28 砂の上の植物群 吉行淳之介 新潮文庫 240 中年の化粧品セールスマン伊木一郎が女性に求めるものは何か。常識を破るショッキングな肉体のふれあいの中に真の性的充足を探る。性の根源にメスを入れた著者の野心作。
29 男と女をめぐる断章 吉行淳之介 集英社文庫 360 簡潔な表現で男と女、人生などの機微をうまく言い表した言葉や文(アフォリズム)を316集めている。米倉斉加年のエロティズム溢れるイラストもいい。
30 伊豆の踊子 川端康成 新潮文庫 320 学生の主人公が孤独に悩み、伊豆への一人旅に出かける。途中、旅芸人の一団と出会い、その中の若い踊子に心引かれていく‥。
31 中国妖艶伝 海音寺潮五郎 文春文庫 540 中国の春秋時代、楚の国に稀代の美女夏姫が連れてこられた時、たちまちにして楚王を魅了する。その行くところ必ず不幸と禍の種になる美貌の女を描いた「妖艶伝」他8作品。
32 さよならの値打ちもない 笹沢佐保 角川文庫 380 海外旅行中の妻がマドリードで殺される。犯人も動機も不明、手がかりを得ようと、夫大作は鍵を握る彼女の旧友を訪ねるが‥。
33 氷壁 井上靖 新潮文庫 629 奥穂高の難所に挑んだ小坂乙彦は切れるはずのないザイルが切れて墜死する。遭難の真相を突き止めようと魚津恭太が単独行を開始する。雄大な自然と都会の雑踏を対比させつつ恋愛と男同士の友情がドラマチックに展開される。
34 銀行消失 山田智彦 講談社文庫 780 長期不況下、巨大化する不良債権に呻吟する金融業界。神話を覆す銀行倒産を予見し、業界再編の極秘プランを描いた迫真の銀行小説である。
35 人間にとって 高橋和巳 新潮文庫 360 人間にとって自己否定、宗教・平和・革命、裁判、差別、経験、死、国家とは何かを論じたエッセー集。全33編を収録している。
36 風に吹かれて 五木寛之 角川文庫 220 「センチュウ派」の筆者の青春を彩った世界、それは赤線であり、引揚げであり、アルバイトであった。これらが単に風俗として忘れ去られるのは辛いという筆者の心情がこのエッセー集の背後にあるという。
37 小泉八雲集 小泉八雲 新潮文庫 360 日常生活、風俗習慣から民話、伝説に至るまで、近代国家への途上にある日本の古く美しい、霊的なものを求め続けた小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の代表作を収録。
38 夜の駐車場 黒岩重吾 角川文庫 540 銀座の売れっ子ホステス英子は女の幸せを捨て、一流クラブを開くことに執念を燃やす。華やかな灯の下、金と肉体ををめぐって展開する熾烈な駆け引き。夜の銀座の生態が赤裸々に描かれる。
39 蜜と牙 勝目梓 講談社文庫 320 義母との愛が深まるにつれて父に対する憎悪は膨れ上がる。禁じられた性と暴力の故に滅ぶ人間を描いた短編集。
40 羅生門 芥川龍之介 新潮文庫 160 陰影に乏しい古典の中の人間心理に現代的な解釈を試みることで自らの主題を生かした「王朝モノ」の第一集。善にも悪にも徹しきれない人間の姿を描いている。他に「鼻」など8編を収録。
41 或る女 有島武郎 角川文庫 460 国木田独歩の恋人がモデルで、恋愛、家族制度、女の経済的独立等の問題をめぐって、自我の開放を求める女性の悲劇的な運命を描いている。
42 新釈雨月物語 石川淳 角川文庫 500 欲望と執念、愛情と怨念が交錯する近世怪異文学の金字塔「雨月物語」を著者が奔放な想像力と流麗な文体を駆使し、不朽の名作を現代に蘇らせた。
43 真空地帯 野間宏 新潮文庫 400 水谷上等兵は刑期を終え原隊復帰するが、何故彼が無実の罪に問われたのか、誰が彼を陸軍刑務所に突き落としたのか、その核心となるのが軍法会議、すなわち天皇制絶対反対のからくりに集約される。日本軍国主義を批判した書。
44 天才画の女 松本清張 新潮文庫 320 銀座の一流画廊に画を売込みにきた新人画家良子。その斬新な手法と構成が有名コレクターの目にとまり、彼女の作品展は画壇の注目を集める。しかし、彼女の風変わりな制作態度に秘密を感じたライバル画廊の小池が真相を求めて動き出す。
45 愛か情事か 富島健夫 徳間文庫 620 岩口明人は無類の女性好きで多くの女性達と情事を楽しむ。現在の恋人里子と思い出作りに閑静な温泉に出かけるが、そこで、中年社長と若妻の奇妙な夫婦に出会う。
46 誓いて我に告げよ 佐木隆三 角川文庫 340 昭和30年に起こった「丸正事件」を取材し、それを虚構化した長編小説で、汚名を被せられた2人の人物の過去と現在を辿り、その内面の葛藤と痛切な心情を伝える。
47 時代屋の女房(1)(2) 松村友視 角川文庫 各340 大井三又の歩道橋の下にある安さんの骨董品屋に猫を抱いた真弓が現れ、そのままいついてしまう。「都会の流儀」をわきまえて生きる安さんと真弓。安さんの友人の登場で微妙な変化が‥、
48 蒼ざめた馬を見よ 五木寛之 文春文庫 240 極秘に国外での出版を望むソ連労作家の幻の原稿を求めて、レニングラードの夜に暗躍する隆介。彼の周辺には恐るべき政治の罠が張り巡らされていた。
49 けものみち 松本清張 新潮文庫 520 病気の夫を家もろとも焼き殺して行方を絶った民子。疑惑と欲望にかられて彼女を追う久恒刑事は、民子が政財界の実力者鬼頭の女になっていることを突き止めるが‥。人倫の道を踏み外し「けものみち」に踏み入った人間達の悪と痴情のドラマの中に権力機構の裏面を探る。
50 発禁図書館 小野常徳 ワニ文庫 390 明治・大正・昭和と三代に渡って暴れまくった極悪非道の無法本ばかり28編を収録。
51 性的人間 大江健三郎 新潮文庫 280 痴漢をテーマに誌を書こうとする少年と青年Jを主人公に、ゲイや乱交などあらゆる反社会的な性を描き、人間存在の真実に迫る。
52 けものたちの祝宴 西村京太郎 徳間文庫 500 悪女大道寺明子はパトロンの製薬会社社長村上と謀ってフィリピンの権力者ロドリゲスに近づく。明子らの行動に悪事の匂いを嗅いだ村上の秘書矢崎は事件を探るうちに彼らの罠にはめられてしまい、恋人の富佐子までが殺されてしまう。
53 ミステリーの系譜 松本清張 中公文庫 280 現実に起こった事件を辿りつつ、日常生活に潜む不気味で不条理な情熱「恐怖」に迫る。
54 内灘婦人 五木寛之 新潮文庫 360 学生運動の嵐の中であまりにも鮮やかな充実感を味わった霧子は、かつての同志である夫に絶望して、束の間のアヴァンチュールに生の燃焼を求めては、死んだように生きていた。
55 ふたたび渚に 西村寿行 光文社文庫 440 賢吾は沖縄の海で死んだ父の死に疑問を持ち元警備監・関守に相談を持ちかける。が、その後彼らには次々と謎の魔手がのびる。
56 蟹工船 小林多喜二 新潮文庫 180 海軍の保護の下にオホーツク海で操業し、暴利をむさぼる蟹工船の内部で国策の名により全ての人権を剥奪された未組織労働者のストライキの扱って帝国主義日本の一断面をえぐった作品。
57 ひび割れた虹 堺屋太一 文春文庫 500 198X年秋、アメリカは日本に対して、輸入制限通告を突きつけてきた。反米感情は日本国内でも高まっており、日米協調路線は終焉を迎えようとしていた。
58 女狐 栗本薫 講談社文庫 340 「お前、私と相対死しておくれでないか」、女の一言が男を出口なしの恋の地獄へ落とした。大店の若内儀・お艶との心中の仕損じから人足・伝次は非人に落ちる。
59 白と黒の革命 松本清張 文春文庫 440 米国在住のイラン商人がふと漏らした言葉をヒントに、イラン革命の真相を追ってテヘランに乗り込んだ男の身に危機が迫った。パーレビの白い革命とホメイニの黒い革命、激動するイランで彼が見たものは何か。
60 犯罪の回送 松本清張 角川文庫 560 北海道の北浦市の市長が上京中に失踪し数日後に絞死体となって発見される。捜査陣は政敵早川議員に疑惑を向けるが、直後早川の溺死体が沖合いに浮かぶ。事件の真相に地域開発としての埋め立て計画が‥。
61 愉楽の園 宮本輝 文春文庫 524 水の都バンコクの運河のほとりで恋に落ちた男と女。めくるめく陶酔の果てに二人はどこへ連れ去られていくのか。
62 カルネアデスの舟板 松本清張 角川文庫 260 教授の職を追われ故郷へ身を引いた恩師を訪ねた玖村は、大学への復帰を恩師に依頼される。師弟の立場の転倒から生じた密かな優越と侮蔑。しかし、玖村の密かな愉しみはふとしたことで覆される。
63 魔道犯科帳 木屋進 春陽文庫 460 三人のたくましい行者達の手で金剛教の懲戒の刑が無惨にもお勢以という女に加えられていた。そのお勢以が懐中に人形鉾の独鈷をもって水死し永代橋の杭に引っかかっていた。南町奉行同心法眼暮之介がさっそく探索に乗り出すが‥。
64 私も燃えている 円地文子 角川文庫 540 若き物理学者香取が動かすナイフに焼肉の血が滲むのを見て官能の妖しい騒ぎを覚える中年女流作家宇女子。その香取を交通事故で突然失ってしまう。漠たる白い夕霧の中で彼女の胸に去来するものは何か。
65 塩狩峠 三浦綾子 新潮文庫 320 結納のために札幌に向かった鉄道職員水野信夫の乗った列車が塩狩峠の頂上にさしかかった時、突然客車が離れ暴走し始めた。信夫は飛びつくようにハンドブレーキに手をかけたが‥。
66 人間の壁
(上)(中)(下)
石川達三 新潮文庫 各360 昭和31年頃、鳩山・石橋・岸と続く自民党内閣によって教育基本法の形骸化が画策される。その矛盾は教育現場にも現れ、組合運動に無関心だった尾崎ふみ子も退職勧告を受けたときから組合の存在意義を知る。組合運動を通して彼女は妻に死なれた一人の教師を慕うようになる。 
67 やがて笛が鳴り僕らの青春は終わる 三田誠広 角川文庫 300 小さい頃から身分の違いを越え奇妙な友情で結ばれた手塚と阿木。同じ大学で学び後半年で卒業し、夫々1人立ちする。大学生活最後のラクビーの試合、ノーサイドの笛が鳴ればそこで彼らの青春は終わりを告げる。「どうしても勝ちたい」と彼らは思う。
68 震える舌 三木卓 新潮文庫 200 朝、粥をすくったまま食べようとしない幼い娘を2人の大人がジッと見つめる。病気の予兆がはじまり激しい発作が襲いはじめる。
69 青年の環(一) 野間宏作 岩波文庫 850    
70 橋のない川(一)〜(七) 住井すゑ 新潮文庫   故なき差別の鉄の輪に苦しみ、しかしなお愛を失わず、光を掲げて真摯に生きようとする人達の物語。大和盆地の小村、小森。誠太郎と孝二は貧しい暮らしながら温かな祖母と母の手に守られて小学校に通い始める。長い苦闘の始まりであった。
71 水の炎 松本清張 角川文庫 540 野心家の夫との生活に心満たされぬ信子は大学の通信教育を受け、独身助教授浅野を知る。彼女の知的な美しさに心惹かれて愛を告白する浅野。その想いの激しさに信子はたじろぐが、夫はなぜか2人の接近を画策する。
72 夕暮れまで 吉行淳之介 新潮文庫 220 パーティで知りあった佐々と杉子。中年男と若い娘との奇妙な愛が繰り広げられるが、結末はあっけなく訪れる。人間の性の秘密を細密に描き上げた作品。
73 女のかたち 吉行淳之介 集英社文庫 360 天使のささやきにも聞こえる恋人の口が、恋心醒めればウルサイ器官となる。永遠に未知なる物、女体にメスを入れ虚構を剥ぎ、権力と機能を語り、時には女の浅はかさを嘆く。
74 点と線 松本清張 新潮文庫 240 列車時刻表の駆使、リアリスティックな状況設定。推理小説界に「社会派」的新風をもたらした。心中事件の裏に潜む恐るべき陰謀、鉄壁のアリバイの前に立ちすくむ捜査陣‥。
75 黒い雨 井伏鱒二 新潮文庫 320 一瞬の閃光に街は焼け崩れ、放射能の黒い雨の中をさ迷い歩く人々。原爆病に蝕まれていく姪との忍苦と不安の日常を無言のいたわりで包みながら、悲劇の実相を人間性の問題として鮮やかに描く。
76 渡された場面 松本清張 新潮文庫 280 四国の県警捜査一課長の香春はある同人雑誌の小説の一場面に目を止める。そこには香春が担当する殺人事件の被害者宅付近の様子と酷似する描写があった‥。
77 ノンチャンの冒険 柴田翔 新潮文庫 240 上京し女子短大に籍を置くノンちゃんに子供が出来る。父親は哲学者で、「世界が暮れ落ちる今、僕らは旅たつ」と呟き家を出てしまう。生むべきか、生まざるべきか。
78 残りの雪 立原正秋 新潮文庫 640 夫の失踪、理由なき別れに苦しみ無為不安の日を送る里子の前に40代の会社社長坂西浩平が現れる。二人の愛は古都鎌倉の四季の移ろいの中で激しく美しく燃え上がる。
79 花の降る午後 宮本輝 講談社文庫 720 天折したレストランオーナーの夫は店に掲げた「白い家」の額の裏に、妻に宛てた驚くべき告白の手紙を隠していた。絵の作者の高見の登場により、新しい恋と店を死守しようとする典子の闘いが始まる。
80 四季・奈津子(上)(下) 五木寛之 集英社文庫 各300 奈津子は将来を約束された北九州の安住の地を棄て、恋人までも捨て東京へ、そしてロサンゼルスへ飛び立とうとする。自立を求める若者達の人々との出会いや心の遍歴を描く。
81 砂の器(上)(下) 松本清張 新潮文庫 上巻280
下巻360
蒲田駅で男の扼殺死体が発見される。手がかりは被害者の東北訛りとカメダという言葉しかない。捜査は難航し遂に捜査本部が解散する。老練刑事の執念の捜査により貴重な事実が判明し始めるも、第二、第三の殺人事件が発生する。脚光浴びる新進芸術家と彼の暗い過去を追う老刑事の艱難辛苦を描く。
82 銀嶺の人(上)(下) 新田次郎 新潮文庫 上巻476
下巻514
女性で初めてヨーロッパ三大壁に挑む淑子、新婚山行をドリュー西壁に試みる美佐子。2人の仕事を持った女性が岩壁登攀に青春をかける。対照的な女性登山家の姿を通して、何故山に登るのかを問う。
83 男女の交点 富島健夫 光文社文庫 600 愛と肉体の欲求の乖離が顕在化する中で、男と女の心の探りあいが続く。巧みな語り口で織成される現代の性の物語。
84 桃尻娘 橋本治 講談社文庫 380 主役は現役女子高生榊原玲奈。彼女達の風俗をイキのいい毒舌体で捉え、猥雑のきわみに不逞な抵抗精神をのぞかせる。
85 春泥尼抄 今東光 新潮文庫 440 尼寺に身を置きながら仏門制度に抵抗し、情事を重ねる春泥尼。その生き方は厳しい戒律に閉じ込められた女性の主張であった。が、ひそかに慕情を寄せていた初恋の人との再会で彼女の生き方が変わっていく。
86 泥の河 宮本輝 角川文庫 220 立山連峰を望む北陸の富山市を舞台に、熱を秘めた青春期の少年の心の動きと、いたち川のはるか上流に降るという蛍の大群の乱舞をあざやかに叙情的に描く。
87 向い風 住井すゑ 新潮文庫 320 戦死の公報を受け墓まで立てていた夫がシベリヤから帰還する。家を絶やさないためにと言い寄られ、既に義父との間に子をなしていたのに‥。農地改革の嵐に揺れる農村を舞台に力強く生き抜いてゆく女性像を創造。
88 楢山節考 深沢七郎 新潮文庫 220 雪の楢山へ死に赴く老母おりんを、孝行息子の辰平は胸の張り裂ける思いで捨てに行く。残酷であってもそれは貧しい部落の掟だった。
89 光匂い満ちてよ 立松和平 新潮文庫 320 女を抱く、ゲバルトを行使する、けれどもまだ何か足りない。溢れる青春の激情に行き場はないのか。奔放な生活感情のおもむくままに過酷な内ゲバに参加し誤って人を殺してしまう若者の魂の慟哭を描く。
90 佐川君からの手紙 唐十郎 河出文庫 340 1981年6月、パリで実際に起こった邦人人肉事件をテーマにその謎に迫った書。犯行者との文通、面会、数々の奇怪な出来事との遭遇などを通してカニバリズム=極限の愛に迫る。
91 僕って何 三田誠広 河出文庫 280 田舎から東京の大学にやってきた「僕」。受験勉強しか知らない母親っ子の僕がセクトの争いや内ゲバに巻き込まれ警官に追われたり、年上の女性と同棲させられたりしている‥。現代の青春の旅立ちを溢れるユーモアで描き出す。
92 女ざかり 丸谷才一 文春文庫 540 美しい女主人公・弓子は大新聞の論説委員だが、書いたコラムがもとで政府から圧力がかかり、その職を追われそうになる。彼女は恋人や友人、家族を総動員して反撃に出るが‥。
93 人間失格 太宰治 新潮文庫 140 生きる能力を失い、なりゆきに任せ廃人同様に生きる男の手記。それはこの世を去るに際して、これまで胸底にひた隠していた自分の正体を書き残した陰惨な自画像でもあった。
94 もっともっと自由を‥ 石川達三 新潮文庫 360 性の完全な自由を実現したピルは女性達を何処へ導くのか。性の解放を謳歌し、自分では自由だと信じながらも、次第に彼女達の心に拡がっていく空洞を追求する
95 天使を誘惑 高橋三千綱 新潮文庫 220 本当は一途に思っているのになぜかいつも傷つけてしまう。でも恵子は傷ついてもなお優しい微笑を忘れずに僕を見つめ包み込んでくれる‥。貧しくとも愛の巣作りに真剣に取り組む2人。二人に優しく寄り添い愛の形を追う。
96 変奏曲 五木寛之 新潮文庫 220 青春の夢破れ今は富裕な貿易商の妻である女。相変わらず革命のロマンを追い続ける男。雨のそぼ降るパリのカフェで十数年ぶりに男と女は再会する。堕ちた陽は再び昇るのか‥。
97 エーゲ海に捧ぐ 池田満寿夫 角川文庫 220 主人公の彫刻家はサンフランシスコの安アトリエで東京に住む妻からの国際電話に耳を傾けている。彼の目の前では愛人のアニタが裸でベッドに横たわり、女友達のグロリアがいかがわしい映画用にカメラを回している‥。尖鋭なエロティズムを未踏の領域に刻した一冊。
98 人間と愛と自由 石川達三 新潮文庫 240 「与えられすぎた自由」に主眼を置きつつ、人生論、恋愛論、教育論等、文壇に独自の地位を占める筆者の作家活動の根幹を成すエッセイ集。
99 初級革命講座 飛龍伝 つかこうへい 角川文庫 220 いまだ革命の夢を捨てきれない熊田留吉は全学連丸角派の元副委員長という肩書きを持つロマンチスト。今日は、栄光の全学連闘争をもりたて、全学連と親密な関係にある機動隊の奮起を促すために、再起不能になっている老機動隊員達を慰問することに‥。
100 脂のしたたり 黒岩重吾 角川文庫 490 八代証券の調査部員仲田は映画会社明和興業の下部買占めの情報を掴む。直後、明和の株5万株を買いたいという和服姿の美女見かける。大阪の株界を舞台に、色と欲の人間模様を描く。
101 捨子物語 高橋和巳 新潮文庫 440 戦時下の地方都市を背景に、捨子の少年の醒めた目が見つめる家族の崩壊、軍国主義社会の熱狂と不安、そして崩壊。高橋文学の主要なテーマを全て内包する。
102 日本の悪霊 高橋和巳 新潮文庫 440 殺害事件に加担した過去を隠しながら、あえて微罪を犯して逮捕された革命家崩れの村瀬。彼の暗い過去を執拗に追う元特攻隊員の刑事落合。二つの相異なる個性の絡み合いから戦後史の暗黒部分が浮かび上がる。
103 青色革命 石川達三 新潮文庫 240 中年の職を失った元大学教授小泉先生の生活と思想を、家族や同居人との関係を通して描く。
104 情事 森瑤子 集英社文庫 260 「自分が若さを奪い取られるつつあると感じるようになると、反対に、性愛に対する欲望と飢えが強まってきた‥」。中年に達し、若さへの不安から奔放な性に駆り立てられる主人公の心のゆれを描く。
105 天皇賞への走路 阿部牧郎 徳間文庫 320 見習騎手の北村にビッグチャンスが訪れる。有力馬ヒリュウの主戦ジョッキーが落馬負傷し、代役に指名されたのだ。が、出走前日になって馬主は態度を変える。馬手や無名騎手の哀歓を描いた一冊。
106 怪談 林真理子 文春文庫 419 結婚を控えた田端と奈穂は似合いのカップル。仲人を依頼した部長宅で前祝をしてもらい、上機嫌で田端がアパートに戻ると、差出人不明の茶封筒が届いていた。
107 進化した猿たち 星新一 新潮文庫 320 人間達の愛すべき素顔をヒトコマに凝縮したアメリカ漫画の傑作を駆使して、軽妙酒脱な文明批評を展開したエッセー集。
108 アイガー北壁・気象遭難 新田次郎 新潮文庫 514 取付き点から頂上まで1800メートルの巨大な垂直の壁に挑んだ2人の日本人登山家の実名小説。他、山岳短編の傑作13編を収録。
109 若き怒涛 井上靖 文春文庫 420 自由奔放とも思える言動で3人の男の求愛の真情を探る多枝子。姉の考え方を反面教師として自らの人生設計を着実に育む妹の藍子。美しい姉妹を通して女性にとっての青春を正面から問う。
110 くノ一忍法帳 山田風太郎 角川文庫 380 大阪城落城に際して、真田幸村は5人の女忍者に秘策を与えた。忍法の限りを尽くして秀頼の子種を身ごもり、豊臣家の再興をはかれというのだ。この策略を知った家康は仰天し、禍根は今のうちに摘み取ってしまわねば‥と。
111 金環食 石川達三 新潮文庫 320 巨億の金を濫費した与党総裁選挙にまつわる一大汚職事件を素材に、国家予算が政治献金の名目で巧妙に吸い上げられ、しかもその摘発が闇から闇へと葬り去られていくカラクリに鋭いメスを入れる。
112 真継伸彦 河出文庫 380 応仁の乱たけなわの頃、越前の国に非人の子として生まれ、「鮫」と呼ばれて飢えと差別の中で育った若者は、母の死を契機に京に上がる。人肉を喰らい犯した女を殺し悪逆の限りを尽くして生きる鮫の前に蓮如上人の娘・見玉尼が‥。
113 鎌倉夫人 立原正秋 角川文庫 500 昭和40年代初頭の湘南の古都・鎌倉の秋から春への季節の移ろいに展開する、華麗にして頽廃の翳りを帯びた愛欲模様を描く。
114 この土の器をも 三浦綾子 新潮文庫 280 長い闘病生活に耐えた筆者が37歳で結婚し、一間だけの小さな家で生活し始めてから、新聞社の懸賞小説に「氷点」で入選するまでの愛と信仰の日々を綴る自伝。
115 ウィークエンド・シャッフル 筒井康隆 講談社文庫 340 のどかな週末、一見平和な家庭を突如襲う狂乱と喧噪の連鎖反応‥。誘拐・窃盗・脅迫・強姦・嫉妬・誘惑・横領・殺人等テーマに短編13編。
116 贈る言葉 柴田翔 新潮文庫 220 「愛の観念」に固執して、遂に結ばれることなく訣別した過去の恋人に語りかける叙情的作品。
117 技巧的生活 吉行淳之介 新潮文庫 200 主人公は酒場の女性。男を商品として無機物のごとく見ようとするその極めて技巧的な生活と意識が描かれる。男は惨めでこっけいな存在であり、女は獲物のかかるのを待つ怪物に見えてくる。
118 卍(まんじ) 谷崎潤一郎 新潮文庫 220 夫のある身でありながら美女光子との愛に耽る園子、園子を愛しながらも男達の愛を弄ぶ光子。彼女らの織成す愛欲の世界が上方言葉によって妖しく描き出される。
119 箱男 安部公房 新潮文庫 320 ダンボール箱を頭からかぶり都市を彷徨する箱男は覗き窓から何を見つめているのだろう。一切の帰属を捨て、存在証明を放棄することで彼が求め、そして得たものは何か。
120 砂の女 安部公房 新潮文庫 280 砂丘へ昆虫採集に出かけた男が砂底に埋もれていく一軒家に閉じ込められる。脱出を試みる男と家を守るために男を穴にひき止めようとする女。穴の上から2人の生活を眺める部落の人々。人間存在の象徴的姿を追求する。
121 真夜中の天使T 栗本薫 文春文庫 420 敏腕芸能マネージャーの滝は場末のライブスポットで見かけた美少年ジョニーを芸能界に飛び込ませた。倒錯した性や限りない欲望が渦巻く虚栄の市との対決だった。
122 ドグマ・マグラ(上)(下) 夢野久作 角川文庫 各420 狂気か正気か、怪奇とエロチシズムが綾なす幻魔術の如き大迷宮世界を描く。桂枝雀・松田洋治・室田日出夫などの出演で映画化された。
123 色判官絶句 藤水名子 講談社文庫 740 明の時代の中国。寧波の港町に都から色男の判官、柳禎之がやってきた。港で待ち受けるは若き女傑、高悠環。火竜娘と呼ばれるほど気性が激しい彼女だが、彼女に好意を寄せる呉家の頭も絡んできて‥。
124 革命上人(上)(下) 深田祐介 新潮文庫 各320 動乱のチリ、アジェンデ社会主義政権下で暗闘を演じる2つの日本商社。その活動をつぶさに検証しながら、日本企業の海外進出の及ぼす波紋を追求し、明日の企業人のあり方を問う。異色のビジネス・ロマン。
125 歩く影たち 開高健 新潮文庫 360 ベトナム・中近東・アフリカなどの苛酷な戦場体験から、破壊しつくす醜悪な戦争の実態を凝視し、絶望と頽廃の地獄に呻きながらもなおしぶとく生きることをやめない人間の姿を描き出す。
126 花を喰う蟲 黒岩重吾 角川文庫 540 金、セックス、暴力など幾多のテクニックを使って女を縛りつけ、悪の理想へと走るクラブ経営者香本。その香本の謎に包まれた本心を追い求めていく奈美江。彼女の行方に待つものは何か。
127 生と性 吉行淳之介 集英社文庫 180 「女性器ってグロテスクでなんだか凶悪」。これは性器に対する意識というよりも、女性って存在に対する筆者の認識だという。淡々たる口調で生と性の内実を語る。
128 窓からローマが見える 池田満寿夫 角川文庫 220 音楽を勉強しているというO、月のように円い顔、ブラームスを唄う唇で私をキャンディーのように食べてくれた。彼女は何処へ行ったのか‥。古都ローマに展開するラブ・サスペンス。
129 裸の匂い 吉行淳之介 集英社文庫 260 銀座の一流クラブに勤めるユミは稀有の肉体を武器に男から金を搾り取る計画を進める。流行作家や電気商らを巧妙な罠に嵌めたが、思わぬことから計画は狂いだす。
130 殺人百科 佐木隆三 文春文庫 340 筆者の「行為としての殺人そのものよりも、それにいたる経過や日常を語らせてみたい」との思いが結実したドキュメンタリー小説。1970年代の殺人事件を徹底取材し、殺人者の「日常」を描く。
131 中国怪奇物語(神仙編) 駒田信二 講談社文庫 360 妖しい術を使う道士、不思議を見せる仙人達がこの世ならぬ出来事を次々に巻き起こす。現代の常識を遥かに超えた奇抜な発想が生み出す魅力満載の77編の神仙物語。
132 八甲田山死の彷徨 新田次郎 新潮文庫 514 日露戦争前夜、厳寒の八甲田山中で苛酷な人体実験が強いられた。指揮系統の混乱から、遂には199名の死者を出してしまう。自然と人間の闘いを迫真の筆で描く。
133 プラハの春(上)(下) 春江一也 集英社文庫 各686 経済改革と自由化への気運が高まるプラハ。日本国大使館員亮介は東ドイツの反体制活動家カテリーナと出会う。プラハの春に警戒を強める周辺国、二人の愛も破局へのカウントダウンを刻み始める。
134 奇妙な恋の物語 阿刀田高 選 光文社文庫 619 「小説は面白くなければ意味がない」という選者が編んだ様々な愛のかたち。浅田次郎の直木賞受賞作品から渡辺淳一の力作まで、珠玉の15編を紹介する。
135 連鎖 真保裕一 講談社文庫 667 チェリノブイリ原発事故による放射能汚染食品がヨーロッパから検査対象外の別の国経由で輸入されていた。汚染食品横流しの真相究明に乗り出した羽川にやがて死の脅迫が‥。
136 大河の一滴 五木寛之 幻冬社文庫 476 何とか前向きに生きたいと思うが、プラス思考はそう続かない。頑張ることに疲れてしまった人々に対し筆者は言う。「痛みや苦痛を敵視して闘うのはやめよう。仏陀も親鸞も究極のマイナス思考から出発したのだ」と。
137 毒笑小説 東野圭吾 集英社文庫 630 前代未聞の誘拐事件を扱った「誘拐天国」をはじめ、毒のある可笑しさに満ちた傑作が12編。ブラックなお笑いを極めた会心の短編集。
138 山妣(上)(下) 坂東真砂子 新潮文庫 上卷667
下巻514
明治末期、越後の山里は小正月と山神への奉納芝居の準備で活気付いていた。芝居指南のため東京から旅芸人が招かれる。美貌の役者・涼之助と村の暮らしに倦いている地主の家の嫁・てる。2人の密通が序曲となり悲劇の幕が開く。人間の業が生み出す壮絶な運命を描く。
139 奇跡の人 真保裕一 新潮文庫 743 31歳の相馬克己は、交通事故で一度は脳死判定をされかかりながらも命をとりとめ、「奇跡の人」と呼ばれている。しかし彼は事故以前の記憶を失っていた。退院し、亡き母の残した家に1人帰った克己は消えた過去を探す旅へと出発する。
140 上海ベイビー 衛慧 文春文庫 581 ウェートレスの傍ら小説を書くココは25歳の大卒。同棲中の恋人ともうまくいかず、自分の生き方を自問自答しつつ上海の夜を彷徨う。あるパーティで出会ったドイツ人と結ばれ、満たされるが‥。
141 顔に降りかかる雨 桐野夏生 講談社文庫 619 親友のノンフィクションライター燿子が一億円むを持って消えた。大金を預けた成瀬は暴力団上層部につながる暗い過去を持っている。あらぬ疑いを受けたミロは成瀬と協力して解明に乗り出す。
142 光源 桐野夏生 文藝春秋 1619 「柔らかな頬」から2年。「狂乱」を求めて、光を発し続ける男女を鮮烈に描く。直木賞受賞後の長編第一作である。
143 日高 立松和平 新潮社 1500 雪と氷に閉ざされた4日間。死の瀬戸際で鮮やかによぎる夢の数々‥。日高山脈で現実に発生した雪崩遭難事故を素材にした小説である。
144 13のエロチカ 坂東眞砂子 角川書店 1300 《解き放たれる私の肉体》性の歓びが光る波となって、私を陶酔の海へと導いていく‥。官能的な性を描いた13篇を収録。
145 赤い雪崩 新田次郎 新潮社 300 赤い雪‥。数十年に一度という不吉な雪の降る南アルプスに挑んだ3人のパーティーに何が起こったのか。特異気象の神秘と冬山の厳しさを描いた山岳小説。 
146 大奥婦女記 松本清張 講談社文庫 320 江戸城に画然と仕切られた男子禁制の大奥。愛と憎しみと嫉妬と、様々な思いを秘めて女の性が渦をなす。異常な確執が激しく火花を散らす、その実相を捉えた時代長編。
147 忍びの女(上)(下) 池波正太郎 講談社文庫 各480 秀吉没後、天下分け目の決戦は必死となる。豊臣家の猛将福島正則に接近した徳川方の女忍者小たまの探索が始まるが、彼女は武辺一方の無邪気な正則をいつしか愛しく想うようになる。覇権をめぐる男達の野望が激突する中で、疾駆する女忍者の活躍を描く。
148 化身(上)(下) 渡辺淳一 講談社文庫 上巻740
下巻780
秋葉は純朴な霧子と知り合い、彼女を自分の考える理想の女に変貌させたいと願い始める。彼の献身的な努力の甲斐あって、霧子は優雅な変身を遂げていく。そして、手に余るほどの成熟した女になっていた‥。
149 プラハからの道化たち 高柳芳夫 講談社文庫 420 プラハの春がソ連軍の侵略で潰えた68年8月、1人の日本人がレーゲンスブルクの病院で自殺した。その死に疑問を抱いた義弟の川村は原因調査に乗り出すが、そこには恐ろしい事件が待ち構えていた。
150 不当逮捕 本田靖春 講談社文庫 480 無秩序だが自由闊達な気風に溢れていた戦後、新聞記者はスターだった。読売社会部の立松和博は数々のスクープで光彩を放っていた。その立松が、売春汚職報道の誤報で突然逮捕される。
151 暗室 吉行淳之介 講談社文庫 340 「生殖とは切り離された性行為、新しい生に受け継がれるものではなく、死に近づいてゆく行為」。自然への挑戦とも言える危険な試みの姿が、醒めた冷ややかな追究の下、透明な光の中の悪魔のように浮かび上がる。
152 株式上場 三上太郎 講談社文庫 560 現代の錬金術とも言われる株式上場をめぐって、会社、証券、官庁の入り乱れる思惑と駆け引きの実態を描く。
153 蒼ざめた礼服 松本清張 新潮文庫 480 味気ない毎日を送っているサラリーマンが業界誌を発行している経済研究所に転職する。好奇心から雑誌の記事につながる謎を追うが、彼の周辺では次々と殺人事件が起き、やがて彼はこの謎が新型潜水艦に関係していることを知る。
154 水の炎 松本清張 角川文庫 740 銀行の若手常務で野心家の夫との生活に心満たされぬ信子は、大学の通信教育で助教授の浅野を知る。信子の知的な美しさに心を惹かれて愛を告白する浅野。信子はその激しい想いにたじろぐが‥。
155 わるいやつら(上)(下) 松本清張 新潮文庫 各360 赤字に陥った総合病院の院長・戸谷は、資産のある女に近づいては金を巻き揚げ、病院の赤字を埋めていた。女を手玉に取っていたはずの戸谷であったが、やがて彼を上回る悪女たちによって、いつしか危険な犯罪の道へ…。
156 灰色の北壁 真保裕一 講談社 1500 世界のクライマーから「ホワイト・タワー」と呼ばれ、恐れられた山がある。死と背中あわせのその北壁をたった一人で制覇した天才日本人クライマー。その偉業に疑問を投じる一編のノンフィクションに封印された真実とは何か‥。
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